2016/10/31

スマートシステム学科 沖研究室「無連結電気無軌道トラムカーの研究・開発」


こんにちは、工学部スマートシステム学科フェイスブックはこちら)、ブログメンバーの伍賀です。さて、今回は当学科の沖准教授とスマートマシン研究室の研究の紹介です。

スマートシステム学科 沖俊任 准教授

スマートマシン研究室では、ロボットシステムの開発、適応、学習制御系設計法の開発を研究テーマにして活動しています。特に、昨年の27年度から福山市からの受託研究で行なわれている「無連結電気無軌道トラムカーの研究・開発」、通称カルガモロボットの開発に力を注いでいます。

この研究の内容は、下記のポスターで紹介されていますが、なるほど、昨今話題の自動運転自動車のメカニズムが簡単に説明されていますね。人間が運転するクルマ(赤色)に自動的に付いていきながら、障害物なども臨機応変に避けて移動するようなロボットカーということでしょうか。


この研究テーマで、沖研究室の4年生は卒業研究に取り組んでいます。写真のように連日、ゼミでミーティング、打ち合わせを頑張っています。


このパーソナルモビリティシステムですが、今年の夏に行われた福山大学のオープンキャンパス見学会で、かなり巨大なカルガモのような形態で、お目見えしました。下の写真では、親ロボットを追随するのではなく、学生の持っている白いボードを付かず離れずの距離で追っかけています。


このカルガモロボットですが、10月9日に開催された「福山環境フェスタ」 にも出展されました。環境フェスタでは、上の写真のようなカルガモの外装を取り外し、下のようなカルガモくんのイラストボードを実装したかたちになりました。福山大学工学部新棟1Fの研究実験エリアで試運転されるカルガモくんの雄姿です。


実際の環境フェスタでは、下の写真のように、上の荷台にお子さんを乗せて、学生の持っている青いボードを追随するというデモンストレーションが行われました。この様子は、福山環境フェスタのホームページにも取り上げられています。


環境フェスタでは、カルガモくんの他にもパーソナルモビリティシステムを搭載した車イスも出展しました。さしずめ、「お兄さんカルガモ」と言ったところでしょうか。こちらもたくさんのお子さんに乗っていただき、大変好評だったようです。



さて、10月15日、16日の三蔵祭でも2台のカルガモくんがデモンストレーションを披露してくれました。ちょっとその様子を動画でお見せいたしましょう。
15日は、とても気持ちのいい天気だったので、外に出て工学部棟前の憩いの場所「四季の陽だまり」の横で2台の連結に挑戦してみました。




16日はちょっとお天気が悪かったので屋内でのデモンストレーション。セグウェイとの追いかけっこに小回りが得意なお兄さんカルガモが挑戦です。ちょっとシュールかな。





どうです? まだまだですけど、色々と皆さんの役に立ちそうな応用が閃きませんか?
さて、最後に開発者の沖准教授と、沖研究室の卒業研究生、角野君のコメントです。

沖准教授:
「やっとヨチヨチ歩きを始めたカルガモ達です。そのうち、皆さんにも乗っていただけるよう、成長を応援して下ください。」

角野君:
「カルガモロボットはまだまだ開発途中ですが、今後さらなる改良を加え、完成度を高めていきたいと思います!」


学長から一言:面白いですね~。。。カルガモの成長を応援していますよッ!カルガモのお母さんになってもいいですね。。。カルガモのおばーちゃん?!?

2016/10/29

学長と学生の懇談会 第1回

こんにちは。学長の松田です。

予告していた、学長と学生の懇談会 第1回を10月28日夕刻に開きました。まだ新入生の雰囲気を幾分残した,初々しい薬学部の1年生3人が来てくれました。

左から、藤原さん、岡田さん、上原君
こちらの出席者は、松浦副学長、山本学長補佐、吉留事務局長、そして私。


総勢7人でしたが、和気藹々と話が弾みました。


藤原さんは、入学前、コミュニケーション力を付ける学外授業にとても興味を引かれたそうです。


岡田さんは、薬剤師国家資格の高い合格率で、高校の進路の先生に本学を勧められたそうです。上原君は、オープンキャンパスでメンター制度に注目し、入学してからもメンターにはとてもお世話になって心強いとのこと。勉学の合間には、テニスを楽しんでいるようです。


最近導入した種々のICT機器が、学生に有効活用されている様子を聴いて、松浦副学長も私も、思わず笑顔。

薬学部生は目標もはっきりしていますし、学ぶことが山のように押し寄せてくる毎日ですが、「もっとはじけて、もっといろいろ挑戦して、大学生活を楽しもう」と、松浦副学長と山本学長補佐にけしかけられていました!

来年の懇談会にまた来て、成長ぶりを見せてほしいですねッ!

生物工学科は設立30周年!

こんにちは。学長室ブログメンバー、生物工学科・ワイン醸造所長の吉﨑です。

福山大学の生物工学科は1986年4月に他大学に先駆けて設置され、2016年度におかげさまで設立三十周年を迎えました。これまでの卒業生総数は2,100名を超え、「瀬戸内の里山からはじまる、 食と環境のバイオサイエンス」と掲げたスローガンのもと、教員と学生が一体となってますます盛り上がっているところです。 去る9月18日(日)に生物工学科設立三十周年記念式典・祝賀会兼生物工学科同窓会が開かれました。少し間が空いてしまいましたが、その様子を報告します。

記念式典は大学会館のCLAFTで開催されました。久冨泰資 生物工学科 学科長の挨拶に続いて、村井正和 生物工学科同窓会 会長より祝辞をいただき、同窓会より記念品の贈呈が行われました。

久冨学科長より開会の挨拶
村井同窓会長より祝辞
同窓会より記念品の贈呈
続いて、山口泰典 教授と元生物工学科教授で現在副学長の松浦史登 教授に記念講演をお願いしました。山口教授からはこれまでの卒業研究発表会の演題がすべて紹介され、設立時から現在までの学生実験の様子やバイオテクノロジーの今後の展望についてお話いただきました。また、松浦副学長からは初代学科長の故・山本武彦 教授と共に生物工学科設立準備に奔走された経緯や、今だから話せる文部省との折衝の様子など、大変貴重なお話を伺うことができました。
30年の歩みを語る山口教授
生物工学科の夜明けを語る松浦副学長
また、本学をご退職され各方面でご活躍中の先生方、現在も在職中の先生方から卒業生の方々へ短いスピーチをいただきました。
続いて行われた祝賀会 兼 生物工学科同窓会では皆さん旧交を温めておられました。学内での飲酒は禁止ですので、ジュースで乾杯となりました。これだけではあまりに寂しかったところですが、福山大学ワインプロジェクトで醸造したワインが試飲提供され、花を添えることができました。
退職された今岡助手(当時)と久冨学科長
歓談する同窓生
最後に会館前で記念撮影。ご参加いただきました生物工学科OB・OGの皆様、どうもありがとうございました! 久冨学科長が何度も申し上げていましたが、卒業生が帰ってくる場所をこれからも守り、40周年、50周年と続けていかなければならないとの思いを強くしました。今後も皆様より変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。


学長から一言:学生を大切にする学科として定評のある,そしてその伝統をしっかり守っている生物工学科らしく、最後の集合写真は見事!!!大学全体のためにも、今後のますますの発展を!

2016/10/28

スマートシステム学科 関田准教授、衛星ミッションアイデアコンテスト世界大会のファイナリストに!

 こんにちは、工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)、ブログメンバーの伍賀です。

 スマートシステム学科で取り組んでいる超小型人工衛星プロジェクトの取り纏めをしている関田准教授が、10月18~23日にヨーロッパ、ブルガリアのバルナ市で行われたThe 4th UNISEC-Global Meeting(第4回大学宇宙工学コンソーシアム世界大会)の The 4th Mission Idea Contest(第4回ミッションアイデアコンテスト)で、福山大学超小型衛星研究の「不退転プロジェクト」を発表してきました。

 Mission Idea Contest ですが、世界の大学及び企業で 50 kg以下の超小型衛星を研究している機関を対象にして、4月にミッション提案書公募が行われます。そして、応募された宇宙ミッション技術の先進性と実現可能性について、UNISEC 役員が点数審査を行い UNISEC-Global でのファイナリストを選出しています。

今年は世界 17か国28機関から提案があり、8か国10機関がファイナリストに選ばれました。このファイナリストに残るだけでも大変なことで、今年はオリンピックイヤーでしたがオリンピック代表になるより狭き門かもしれません!


 関田准教授が発表したミッションは、“Landslide Prediction Mission In Cooperation with Hillside Sensor Network Robots“,(地上センサーネットワークロボットと協調する低軌道衛星を活用した土砂くずれ予測ミッション)です。 

 土砂崩れ予測研究は、これまでたくさん行われてきましたが、困難が多く適切に地域住民が避難するためのシステムを実現できていません。その課題をロボット,センサーネットワーク及び低軌道衛星で解決して世界の斜面で土砂崩れを予測しようという新しいシステムです。今年2月のブログでご紹介したように、既に福山地域の企業の皆様と協働で研究を行っています。

登壇発表する関田准教授

コンテストの結果は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学の原野火災検出ミッションが優勝、東京学芸大学の電離層磁気観測による地震・雷検出ミッションが準優勝になり、残念ながら福山大学のミッションはファイナリスト認定に留まりました。今年のファイナリスト10組が発表した超小型衛星ミッションは来年、書籍として刊行されます。

 コンテスト授賞式・集合写真

スマートシステム学科では、今回発表したミッションを宇宙軌道で実現することを目標に、衛星とロボットの概念設計を進めていきます。地域の企業との協働活動もこれまでに増して活発に行いますが、近い将来は福山大学の学生が今回と類似の宇宙技術の世界大会で研究成果を発表することも目標としています。超小型人工衛星のプロジェクトは今後も、この学長室ブログで報告する予定ですので、みなさんご期待ください!!


学長から一言:いつ福山大学発の超小型人工衛星が空にあがるか、楽しみですねェ~。。。スマートなシステムの神髄を見せてくださいねッ!!!期待していま~す!

2年連続「日本語検定委員会特別賞」を福山大学が受賞!

学長室ブログメンバーのT&Wです。共通教育を推進する大学教育センターからのうれしいお知らせを今年もお届けします。




昨年度から取り組み始めた日本語検定で、今年も「日本語検定委員会特別賞」を福山大学が団体受賞し、表彰状が届きました。

検定は、6月18日にありました。共通教育のひとつとしての「日本語表現法」の授業のなかで全新入生に案内し、その51%にあたる439人が受検申し込みをし、そのうち52.3%の223人が検定(3級)合格となりました。準認定組を合わせれば、受検者の84%が「認定証」か「準認定証」を手にしました。

昨年度と比べれば問題が少し難しかったこともあって、合格率はいくらか下降(3級 52.3%←69.0%)したものの、昨年と同じ団体表彰となりました。

日本語検定は、日本語母語話者を対象とする、定評のある検定です。検定受検に関しては、昨年度に引き続いて大学より検定料の補助があり、受検しやすくなっています。

検定までは、「日本語表現法」の授業の中で練習を積みました。学修支援システム「セレッソ」上での、検定に向けた学習も可能にしました。

2年連続というのは驚きですが、学生の頑張りからすれば、当然なのかもしれません。ともに喜びたいと思います。

日本語検定で問われる敬語や文法は、とても実践的なものばかりです。これから社会に出ると、まず心がけなければならないことばかりです。言葉を正しく使い、円滑なコミュニケーションを必要とするのです。そのためにも、この度の検定結果はひとつのスタートラインに立てた。そういう意味があるのだと思います。

日本語検定委員会のホームページで、この団体表彰についてはこちらに載る予定です。→こちら


学長から一言:「認定証」や「準認定証」を獲得した1年生の皆さん、おめでとうございます!!!ちょっと自信がつきましたねッ!指導の教員の方、ありがとうございます&お疲れさま!来年度は受験率をさらに上げたいですね!

2016/10/27

みらい工学プロジェクト「フィジカルコンピューティング」の展示・発表

 学長室ブログメンバーの工学部情報工学科の池岡です。
 本学科の山之上教授みらい工学プロジェクト」での取り組みについて、以下のようなレポートを寄せてくれました

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 情報工学科の山之上です。6月6日の学長室ブログで工学部みらい工学プロジェクトの「フィジカルコンピューティング」の授業の様子を取り上げていただきましたが、そこで制作された「『パーフェクトヒューマン』の首振りをする人形」を、私とスマートシステムの田中准教授でちょっと手を加えさせてもらって、10/15-10/16に開催された三蔵祭で展示しました。

三蔵祭で展示した「パーフェクトヒューマン」の首振りをする人形

 以下の URL をクリックすると動画を見ることができます。

 見に来てくれた多くのお客様に沢山笑っていただけました。ちょっと不気味な人形なので、泣き出した小さな女の子もいて申し訳なかったです。 

 首振り人形の他にも「フィジカルコンピューティング」では首振り扇風機やラジコン船の制作が行われ、725日に発表会を行いました。学生諸君思った通りのものができなかったかもしれませんが、各グループは良くやってくれたと思います。

ラジコン船の発表会

 ラジコン船・・・最初は潜水艦を作る予定だったのですが, ちょっと時間がたりなかったようです。カメラも乗せる予定だったのですが、これも時間切れになりました。でも、ちゃんと水の上で動かすところまで行きました。


首振り扇風機

 首振り扇風機・・・3次元プリンタで筐体を作ったりして、かなり力を入れていました。残念ながら、これもちょっと時間が足りなかったようです。

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以上、山之上教授からの報告でした。


学長から一言:なんだか、これからが楽しみな作品がいっぱいですねッ!パーフェクトヒューマンは、無愛想な誰かさんよりパーフェクト!!!

メディア・映像学科 府中にて逸品紹介ムービー撮影中!

こんにちは。メディア・映像学科の学長室ブログメンバー阿部です。

メディア・映像学科では、ただいま府中商工会議所「まちなか繁栄隊プロジェクト」からの受託研究として、府中市各店舗の逸品を紹介するムービー作成を進めています。府中市にはたくさんの名産・名品があり、これらを若い世代の方々にもアピールしたいということで、学生たちの目線で府中の逸品を紹介するムービーをつくることとなっています。


メディア・映像学科の3名の学生が撮影・編集を担っています

撮影は7月末から始まり、現在は各店舗を回って、お店の方と商品の撮影を行っています。全部で25店舗あるのでなかなか大変ですが、府中のみなさんのあたたかいご協力もあり、順調に撮影も進んでおります。10月22日の撮影の様子をご紹介します。


 この日の最初の撮影場所は、竹岡染工さん。染物屋さんで、暖簾や法被など注文に応じて制作されています。それ以外にも竹岡さんには「発明王」の一面もあり、いま来ていらっしゃる法被も、内臓されている紐を使ってすぐにたすき掛けができる仕様となっています!

 お話を伺った後にリハーサルを行い、さっそく本番へ。学生たちが手際よくカメラ・ポジションを決め、撮影も順調に進みました。

 撮影後は、竹岡さんにも見ていただいてのカメラ・チェック。うまく撮れていますね!

 その後、映像素材としてお店の内観やこれまで竹岡さんが手がけてこられたカープ・グッズなどを撮影。1時間弱の撮影となりました。

 その後は、府中商工会議所の方に連れられて、10月23日(撮影当日!)にオープンした道の駅にてお昼となりました。府中家具を使ったおしゃれな建物となっています。地物の野菜を買い求める人でごった返していました。
 私は天丼をいただきましたよ!

 続いて、町の電気屋さん「コム立石」さんへ。

 広い店内に所狭しと置かれた商品を説明していただきながら、今回の逸品のお話を伺っていきます。商品の実演ありの映像を撮ることになり、カメラの位置を工夫しながら撮影をしました。

 内観を撮ることも忘れずに。

昨日は、こんな映像も撮りました。何を説明する映像かわかるでしょうか。答えは完成した映像でご確認ください!

今週で各店舗の撮影を終え、撮ったものを30分弱の映像に編集し、府中の方々に学科のスタジオにお越しいただいて・・・というように撮影は進んでいきます。完成は年末を予定していますので、楽しみにしていてくださいね。


学長から一言:いかにもメディア・映像学科らしい、地域課題密着型のアクティブ・ラーニングですね! 私も府中市の小中一貫教育には深く関わっていたので、府中市の「まちなか繁栄」にはとても興味がありかつ期待していま~す!

2016/10/26

高校生アイデアどんぶり選手権入賞作品・食堂メニュー化

こんにちは。生命栄養科学科のKです。
本学科では8/9に、高校生アイデアどんぶり選手権を開催しました。
そのときの記事でもお知らせしましたが、現在大学の食堂でどんぶり選手権のどんぶりがメニュー化しています!
学科の教員や学生でそのどんぶりを食べに行く「どんぶりツアー」の模様を、本学科のN助手より紹介します。それでは宜しくお願いします。

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生命栄養科学科のNです。どんぶり選手権の食堂メニュー化が10/24よりはじまっています!
今日、どんぶりツアーと称して試食をして参りました。
場所は福山大学1号館1階にある第一食堂です。
どんぶりは「日替わり丼」として提供されています。
イチオシ!のPOP付き!
食券を購入して、どきどきしながら出てくるのを待ちました。
出てきたのがこちら!
和風おろし南蛮丼です!
全体写真
どんぶりアップ

元のレシピに忠実に、鶏肉のからあげ、野菜の素揚げ(かぼちゃ、なす、れんこん)にピリ辛ソースがかけられ、大根おろしとかいわれが添えられています。
野菜もタップリ食べられるし、お肉もあるし、ピリ辛ソースで、ご飯に合う!
非常においしく頂きました!

みそ汁もお麩、豆腐などどんぶり選手権の際と基本的に同じ内容の具材が入っていました。
みそ汁でほっこりしました。

副菜のサラダは食堂オリジナルで付けてもらったもので、野菜が普段とれていないかも?と思われる方にぜひおすすめしたいどんぶりメニューになっていました!

たまたま居合わせた本学科の学生も、全員が和風おろし南蛮丼を注文していました!

今週28日(金)まで期間限定で提供しています。
気になる方は是非 福山大学第一食堂まで!


学長から一言:これは、これは、おいしそ~う。。。天高く***の秋にぴったりのメニュー!今週の金曜日までって、どうしてそんなに早く止めちゃうの?!?

人間文化学科より-井伏鱒二・福山中学同窓生宛未公開書簡に関する記者発表について-

人間文化学科の学長室ブログメンバー、Sです。こんにちは。

今回は、福山ゆかりの作家・井伏鱒二にまつわる貴重資料委託について、人間文化学科・青木美保教授からの報告です。

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昨年12月に、井伏鱒二の福山中学時代の同窓生宅から、本学教授青木美保の下に、井伏鱒二の同窓生宛未公開書簡162通(葉書129、封書33、大正6年~昭和40年)の調査・研究が委託されました。これは井伏が作家になる以前の空白期間を埋める貴重な資料であるため、下記の通り、記者発表いたしました。


・日時 2016年10月13日(木)14:00~

・場所 福山大学宮地茂記念館301セミナー室

・発表者 
  福山大学人間文化学部 教授 青木美保
  研究協力者 兵庫教育大学大学院 教授 前田貞昭
  福山大学非常勤講師    谷川充美

発表概要 

1、研究の経緯           福山大学人間文化学部 教授 青木美保

2、井伏文学研究上の意義   兵庫教育大学大学院 教授 前田貞昭

3、書簡内容紹介             青木美保 

4、日本近代文化史上の意義     青木美保

当日は、朝日新聞、産経新聞、山陽新聞、中国新聞、毎日新聞、読売新聞、中国情報、出版テレビ新広島、中国放送の取材があり、後日、共同通信社、NHKからの取材がありました。14日から19日の間に、それぞれ報道がなされました。



発表概要は、次の通りです。

○本学教授青木美保は、2004年から井伏鱒二の「在所もの」について実地調査を続けてきましたが、2008年に井伏疎開中の小説「鐘供養の日」(1944)のモデルとなった高田類三(井伏の福山中学の同窓生)について、息子の奎吾氏への公開聴き取り調査を行ないました(2008・7・12)。その成果は、新聞報道されると共に、報告書『井伏鱒二の小説「鐘供養の日」研究1』(2009・10 福山大学近現代文学研究室編)、福山大学主催の講演会等で公表したところです。


その奎吾氏より、青木の下に、昨年12月に、井伏鱒二の高田類三宛書簡162通の調査・研究が委託されました。その後、青木は、本学谷川充美非常勤講師、『井伏鱒二全集』(筑摩書房)の編集委員で、ふくやま文学館相談員の前田貞昭教授(兵庫教育大学大学院)と協力して、書簡162通の下読みを終え、概要を把握しました。当該書簡は、この時期のものとしては空前の規模と内実をそなえたものであり、今後これだけのものがまとまって出現することはあり得ないと思われます。

当該書簡の特徴は、高田類三が、井伏にとって文学・美術など芸術活動の同志、かつ無二の親友であったため、井伏の抱懐した芸術への夢や不安が素直に伝えられていることです。そのため、書簡の話題が文学・美術など文化全般に関するもので、井伏の文学揺籃期の文化受容を知るのみならず、備後文化史、延いては、近代日本の文化創造解明の観点からも、それが地域の若者のサロン的文化活動を現わしていることは見逃すことが出来ません。 

この書簡を研究し、井伏文学揺籃期における地域の若者の文化活動との影響関係を明らかにして、備後文化の意義を示すことを目指します。



記者発表は、発表40分、その後各社からの質問が30分、囲み取材が15分ほどあり、記者の皆さんの関心の高いことを実感しました。

報道された地域の方々や、研究者の談話を見ますと、この発表が喜んで迎えられたことが感じられ、今後の研究に一層の精進をしたいと研究メンバー一同気を引き締めているところです。今後の研究をご期待ください。

なお、この書簡の一部については、11月26日、27日に開催される「宮沢賢治学会福山セミナー・宮沢賢治の文学における視覚表現─絵と言葉が出会うところ」における研究発表で触れることにしています。

井伏は中学卒業後画家を目指していたこともあり、中学時代の友人とのサロンでは、絵を書いたり、短歌を作ったりしていた様子が伺えます。文学と絵画、興味深いテーマについてのシンポジウムにご来場ください。


※ 写真は、中国新聞エリア通信員の粟村真理子氏の提供です。


学長から一言:地道な聞き取り調査から信頼を得ての、すごい歴史的遺産の委託ですね。。。今後の研究成果と備後地域への還元に期待するところ大です!!!この方面に興味をお持ちの方、11月26日、27日の研究発表をお聞き逃しなく!!!