2013/06/17

テンちゃん

こんにちは。最近ブログメンバーになったJJSです。

福山大学は大学のシンボルマークにも象徴されているように緑あふれる森に囲まれています。キャンパスの外に一歩踏み出すと、普段目にすることの少ない動物たちがたくさん住んでいることがわかります。

今日、紹介するテンちゃんはそんな森からキャンパス内にひょっこり姿を現したニホンテンという動物です。テンちゃんは2012年5月10日福山大学の建物の中に住みついていたところを発見され、保護されました。安易な名前がついてしまいましたが、定着したので仕方がありません。
がおー、食べちゃうぞ(2012.5.10)
生物工学科で飼育を始めて約一年。ドッグフードと適度の散歩、まさに犬を飼う方法ですくすくと育ちました。

ニホンテンは食肉目イタチ科テン属に所属する動物です。肉を食べる動物というと、犬とか猫が真っ先に思い浮かびますね。でも食肉目の中で最も種数が多く、進化的に成功したグループはイタチ科なのです。その中で森林に適応したのがテンちゃんの所属するテン属です。
木登り得意、足にも登るぜ(2012.5.23)

ニホンテンは本州、九州、四国、対馬に自然分布していますが、昔は毛皮動物として扱われていたため、その影響で佐渡島と北海道には人為的に移入されました。何年か前に佐渡島でトキを襲ったニホンテンが有名になりましたね。

それはそれは大昔、氷河期の時代、サハリン、北海道、本州が陸続きであったころに北から日本列島にやってきた動物であると考えられており(Sato 2013)、人間なんかよりずっと昔からここにいるんですよ!
冬毛のニホンテン(2013.2.23)
ニホンテンで面白いのは毛の色が季節によって変化することです。夏は顔が黒く、体色が褐色なのですが、冬になると顔は白くなり、体色も黄色になります(上写真)。このように季節により毛色を変えるテンをキテンと呼んでいますが、一方で、紀伊半島南部、鹿児島南部、四国には毛色が年中褐色で変化しないテンが生息しており、スステンと呼ばれています。何故、キテンは毛色を変化させるのか現在、環境要因説と遺伝要因説との間で議論が起こっています。
顔から黒くなってきたテンちゃん(2013.6.8)
6月はちょうど夏毛に変わる時期です(上写真)。夏は繁殖期。黒い方がモテるのでしょうか?
これが5月の俺や(2013.5.30)。

これが今の俺や。どや、カッコえーやろ(2013.6.13)。
ほぼ毎日、28号館の入り口付近で遊んでいます。出会った時には是非声をかけてください。「テンちゃーん」と声をかけたら十中八九無視されますが、めげずに声をかけていると、そのうちきっとこんなかわいらしい顔(上写真)で見つめ返してくれると思いますよ。

福山大学は"命の宝庫"。さまざまな生き物たちが厳しい自然で生きる様を教えてくれます。彼らは本当に生きるために懸命です。私たちはその一生懸命な姿を守るために懸命にならなければなりません。そして彼ら・彼女らから生きる素晴らしさを学ばなければなりません。

私たち誰しもが、彼ら・彼女らのような躍動的な生命力を持っているはずですから。

JJS


学長から一言:学長室ブログに赤ちゃんの時,一度登場したテンちゃん(http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2012/08/blog-post_19.html)、すっかりたくましいイケメンの青年になりました!