2016/01/30

スマートシステム学科、実験・実習奮闘中!

こんにちは、スマートシステム学科のブログメンバーMGです。

そろそろ年度末も近づいてきていますが、学生の皆さんは進級するため、試験にレポートに頑張っていることと思います。スマートシステム学科の学生もご多分にもれず、レポートに追われる毎日。というわけで、今回はスマートシステム学科の実験・実習の風景をご紹介します。

○三年生対象の学生実験・競技ロボット実習
 工学部といえば、厳しい(そして楽しい!!)学生実験が名物とも言えますが、当学科の三年生対象実験では、電気・組み込みシステム・メカトロニクスの分野を幅広く学びます。学生もレポートに追われますが、実験を用意する教員も大変。下の写真は私の担当している「多脚歩行ロボットの歩容獲得」実験のヒトコマです。数年前に私が製作したロボット、シックスレッグズ君を使った実験です。福山大には海洋生物を専門に研究を行っている教員が多く、このシックスレッグズ君を披露したところ「蟹っぽいくせに前に歩いている!」 と指摘されました。そろそろ横歩きするシックスレッグズMk2を製作したいところです。


 三年生学生実験の最後には例年「大実験」として、4名程の小グループに分かれてテーマに沿ったロボットの製作を行います。今回のテーマは、
―――――――――――――――――――――――――――
「はやぶさ」の小惑星からの帰還は日本人に感動で迎えられました。宇宙から地球への帰還だけでなく、大気のある惑星への着陸は宇宙開発において重要な技術です。本実験では空中から地上の目標点に向かって帰還するミッションを競う「Can Sat Competition http://cansatcompetition.com/」にちなんで上空から目標点まで安全に移動するビークル(乗り物模型)の製作を行います。
―――――――――――――――――――――――――――


今年はなかなか手ごわい課題が与えられました。しかし3年生は、これまでの実習を通してすでに様々な技術を習得しています。限られた時間の中、みんなでブレインストーミングし、早速ロボット製作に取りかかっています。ボール盤、旋盤での加工、NCフライスというコンピュータ制御の加工機などを駆使して、また、マイコン・プログラミングと役割分担して、、、、良いビーグルができることを期待!



また、三年生は選択科目で競技ロボット実習Ⅰ(前期)・Ⅱ(後期)という実習も受けることができます。前期のテーマは、「ドローンを作ってみよう」 。後期のテーマは「自律移動ロボットを製作しよう」。 ドローン製作には3DCAD、3Dプリンタ―を自由に使って、下記のような飛行体が完成し、工学部棟3階の高さまで飛行!(作るより飛ばす方が難しいとは学生の弁)


自律移動ロボットは、超音波センサ、赤外線測距センサを組合せ障害物を避けながら行動するキャタピラロボットを製作しました。マイコンプログラミングも習得し、これまでの知識が、大実験のロボット製作に大いに役立っているようです。


○2年生対象 ものづくり加工実習
2年生前期より学生実験はあるのですが、ここは私が担当している後期のものづくり加工実習の紹介です。機械加工・手仕上げ加工・回路製作を学び、下記のような空気圧式自動移動テーブルを完成させます。

回路製作では、下の写真のような基板加工機の扱いをマスターし、回路が自由につくれるように手順を学びます。スマートシステム学科のオープンキャンパスのミニミニコンピュータ もこの機械で製作されているのです。
ものづくり加工実習も、現在大詰めのアッセンブリ(製作した全部品の組立て)行程に入っています。はんだ付の慣れない学生もいますが、高校から回路製作をやっていてはんだ付得意の学生が手伝ったりと、みんな協力してモノを仕上げていく姿勢が見られます。


 今回紹介したのは、学科の実験実習のごく一部で、ほんとうにたくさんの実習があり、「やっぱり理系の工学部はタイヘン・・・」と思われたかもしれませんね。しかし・・・! 技術の修得はエンジニアのよろこびでもあり、それが伝われば、と思います。 学生「ラクして進級したいよ~」から「もっともっと面白いコトをやってみたい!」になるように、教員もがんばって授業の工夫をしています!


学長から一言:もっともっと面白いことやってみた~い。。。こういう物づくりは人類進歩の原点ですねッ!

2016/01/29

EV創作、ロボットデザイン発表会を実施!

こんにちは学長室ブログメンバー、機械システム工学科のKです。

機械システム工学科では、3年次の演習科目にロボットデザインとEV創作があります。
ロボットデザインは少人数のグループに分かれて小型のロボットを製作していく演習科目です。
EV創作は、同じく少人数のグループに分かれて実際に人が乗れる電気自動車を設計制作していくものです。
EV創作とロボットデザインの発表会が125日(月)実施されました。


EV創作

25日(月)は福山大学も大雪でEV創作発表会場のグランドも一面雪が積もりました。
そのためEV創作の発表会は自動車実習場で実施されました。
今年は2台の電気自動車が完成しました。





発表は、まず車体の完成度や安全性を確認する静的検査から行われました。
(走行試験は後日実施予定です)
次に製作した電気自動車の特徴や製作時の問題点、問題点を克服した対策などを各自発表していきました。
EV創作は授業だけで終わりではありません。
EV創作で製作した電気自動車は、221()広島県府中市で実施される「全日本EV&ゼロハンカーレースin府中」に参戦します。
「全日本EV&ゼロハンカーレースin府中」は毎年約50台の参加があり遠くは石川県や三重県からの参加もある大きな大会です。
これから学生たちはレースに向けての調整を頑張っていきます。 
応援よろしくお願いします。



○ロボットデザイン

ロボットデザインのロボットのテーマは、ペットボトルの運搬です。限られた材料を使っての制作になります。ロボットの設計や制作技術だけでなくグループでのコミュニケーションやチームワークも大切です。
ロボットデザインの発表会も125()工学部総合棟のエントランスで実施しました。
発表会は、学生の運営のもとコンテスト形式で実施されました。














ペットボトルには少量の水が入っており小さなロボットでの運搬はなかなか難しくペットボトルをつかんで持ち上げるのに苦労していました。
司会進行は、学生4人で運営し大変盛り上がるコンテストとなりました。


司会運営を担当した学生のコメントを掲載します。


<コンテストを司会した学生のコメントです>

今回のロボットデザインでは15回の授業を通じて仲間と手をつなぐことができたのではないかと思います。
 45人で1つのロボットを、設計から操作できるまでを体験する中で、「思い通り動いてくれたことで喜んだこと」や「うまくいかずぶつかりあったこと」が多々ありました。
その中で他の人と一つのことをする大変さや楽しさを学びました。
この体験はきっと私たちが社会に出て壁にぶつかったときに役に立ってくれるものであると思います。


学長から一言:すばらしいアクティブ・ラーニングですねッ!そして「~人間関係をつくりながら学ぶ~目標設定型教育システム」という本学の教育システムのまさに具現化!!!







2016/01/28

第8回(平成27年度第4回)図書館セミナーを実施

こんにちは。図書館の学長室ブログメンバー、(K)です。
  

今年度4回目の図書館セミナーを平成28121()1620-1730、図書館ラーニングコモンズで開催しました。講師に建築学科4年生の内海偲さんと、准教授の藤原美樹先生の2名をお招きしました。講演は内海さんの「ムーミン屋敷のインテリア」、藤原先生の「『金瓶梅』にみえるインテリア、家具について」というテーマでした。講演には人間文化学部学生をはじめ、全9名の参加がありました。寒い中のご参加ありがとうございました。



.建築学科4年生 内海偲さん「ムーミン屋敷のインテリア」について
フィンランドの漫画「ムーミン」のインテリアについて1年間研究した結果の報告がありました。先ずはムーミンの漫画が生まれた1908頃の時代背景が述べられ、ムーミン一家の紹介に移り、一家の部屋ごとの分析が発表されました。分析では、各部屋のレイアウトとインテリアが図面に描かれ、家具類の配置も詳細に示されており、当時のムーミン一家の生活が手に取るように分かり、面白く感じられました。会場にいた参加者からは、フィンランドの環境は極寒なのに、なぜインテリアが発達したのか等についての質問があり、講演者からは、極寒の地ゆえに、家族での団欒が主体となった素朴なインテリアが各地で発達したという見解が述べられました。
玄関から居間にかけてのインテリア
内海さんの講演風景


.藤原美樹先生「『金瓶梅』にみえるインテリア、家具について」
中国の4大古典文学(小説)の一つ『金瓶梅』には、中国の生活様式が多く記載されていて、その挿絵に注目すると、当時の中国のインテリアを研究する上で、大いに参考になるようです。後、主に以下の2点についての講演がおこなわれました。
○以前中国では美人=小さい足という纏足という風習がありました。その風習の時代背景や、そこで発達したインテリア(家具)についての発表がありました。女性が逃げ出さないようにと考えられた纏足の風習。しかし、その生活習慣の中から、女性が生活しやすいような足の長い、特殊な家具が出来上がった事について、解り易く説明がされました。
○また、物語にみられる富裕層のインテリアについての話もありました。富裕層は、富の象徴として外部の人に自己主張するための、豪華絢爛とした多くの家具を持った生活と、自分の健康を守るための家具をもった生活、2面の生活を営んでいたようです。
前の内海さんの説明から、フィンランドの家具(デザイナー)には居住環境の快適性を主流としたデザインが多くみられます。中国は、自分たちが如何に元気で過ごせるかを主体にした家具までを考えたようです。
参加者からは、インテリア・家具一つをとって見ても、その国の時代背景や、人々の生活様式まで垣間見ることができ、面白い発表だったとの感想を聞くことができました。


講演風景
富裕層の住宅


次回の図書館セミナーは、図書館ラーニングコモンズにて、平成28年年5月 薬学部の杉原教授による「セルフメディケーション」の講演を予定しています。自由に聴講できますので、ぜひご参加ください。


学長から一言:日本の一般家庭の家具も、私の子どもの頃からは一変。。。とりわけ台所・居間からキッチン・リブイングへの変化はとても大きいですねー。。。食事の都度足を出したり引っ込めたりした「ちゃぶ台」が懐かし~い。


第8回「友だちにすすめたい本」コンクール表彰式

人間文化学科の学長室ブログメンバーSです。こんにちは。

今回は、人間文化学科が主催している「友だちにすすめたい本」コンクール表彰式の模様についてお伝えします。以下、脇講師からの報告です。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++

先日、宮地茂記念館にて、第8回「友だちにすすめたい本」コンクール表彰式が行われました。今回で8回目を迎えたこのコンクール。応募作品は約500篇(10校)と少々減りましたが、継続的にご応募いただいている高校もあり嬉しい限りです。教育現場の「読む」「書く」ことに微力ながら貢献できているのでは、と自負しております。

当日は午後1時より開始。開会の挨拶のあと、早速表彰です。入賞者全員に賞状と副賞(図書カード)が贈られます。

最優秀賞の渡辺亜友さん(広島県立賀茂北高等学校1年)にはトロフィーも贈呈。彼女が選んだ『雨のようにやさしく』(きのゆり著)は1976年発行の詩集です。審査員の光原百合先生(尾道市立大学教授)は、かつて読者だったとのことで「懐かしい」とおっしゃっていました。


実は、この『雨のようにやさしく』を含めて、何冊かの本が絶版等の理由で非常に手に入れにくい状況になっています。にもかかわらず、高校生がなぜ手にできたのか。審査員の青木美保先生(本学教授)も、講評の際に不思議だとおっしゃっていました。たしかに毎回「高校生がなぜこの本を?」という選書がチラホラあるのです。もしかしたら、高校や地域の図書館で出会ったのかもしれません。あるいは、親御さんの本だったのかもしれません。いずれにしても、本という存在の意義と魅力を感じさせます。

表彰の後は、審査委員長である丹藤浩二先生(本学客員教授)から全体と個別の講評をいただきました。引き続いて、岩崎文人先生(ふくやま文学館館長)、光原百合先生、青木美保先生にもご講評いただきました。ついつい聞き入ってしまって・・・写真がありません・・・すみません。

丹藤先生から講評をいただきます

岩崎先生からも
最後は高校生と審査員での集合写真です。実はもう1枚、「付き添いの大人参加バージョン」があるのですが、それはまた別の話(※)。今回も、入賞作品は啓文社コア福山西店で展示予定です。詳細が決まり次第、学科HPでお知らせします。
※ 別バージョン写真(小さいですが)、最優秀賞作品、全14作品の講評を掲載しています。


来年も多くのご応募をお待ちしております。
後日、学科HPにて、次回応募の参考にしていただくための「全体講評」も掲載します。


学長から一言:以前何回か、私もこのコンクールの審査員をしましたよッ。。。本好きの高校生の皆さんの文章に触れると、私もリフレッシュしたものです。。。それに、活字世代は、このようなコンクールの存在がうれしい!!!

2016/01/27

税務会計学科の福山税務署見学

経済学部税務会計学科の学長ブログスタッフの張楓です。先日、税務会計学科の小林正和ゼミの活発な地域活性化活動を紹介しましたが、今回、泉潤慈教授に税務会計学科2006年創設以来、毎年実施している福山税務署見学の様子を紹介してもらいます。


2006年に税務会計学科創設以来、税務署の実態を知ることにより税務会計に対する見識を深め、机上の理論ではなく、全人格教育に資することを目的に、国税庁が実施している「税を考える週間」(注1)の時期に、私と福山税務署広報広聴官が窓口になり福山税務署見学を実施する同時に、広島国税局幹部に福山大学税務会計学科で学生等を対象に現場の経験を踏まえた講義をしていただきます

  

本年度の福山税務署見学は、20151127日(金)に4名の参加(前年度6名)を得て実施しました。まず、税務署では、国税庁の組織機構や業務内容等の説明を受けた後、国際取引の調査を行う国税局調査部の仕事をドラマ仕立てにしたWeb-TAX-TV(インターネット番組)「海を超えた税務調査Ⅱ」を視聴しました。国際取引の不正を暴くために、日韓税務当局が連携して税務調査を行うことに学生は大変驚かされたようです。

それから、事前に学生の関心事項を税務署窓口に伝え、それを踏まえて、税務署担当官からご説明が行われています。国税局・税務署の職員は常日頃から、適正・公平な課税及び徴収の実現のため、悪質な納税者に対して厳正な税務調査や滞納処分などに取り組んでいることを学生も理解したようです。





その後、学生は奥田広報広聴官等の案内で税務署内を見学し、これから始まる確定申告を想定して、パソコン(「確定申告書等作成コーナー」)を利用して申告書の作成を体験しました。参加者に経験の多少はありましたが、簡単に申告書を作成できたようでした。



参加学生の感想を以下に、紹介します。

・数少ない職員の方で、福山46万人の税の徴収を行うことはとてもご苦労なこと思います。私たちも税理士になった暁には、税務署の方に協力して、社会に貢献したいと思います。

・福山税務署の見学を通じて、税務職員の方々の業務に対する責任感の強さを肌に感じとれたことが非常に大きな収穫であり、将来、自身が税理士業において、税務署の方々に協力し、納税者に貢献していきたいと思います。

・Web-Tax-Tvを視聴したことにより、福山大学大学院で学んでいる研究、税務事例、租税判例に対し非常にイメージが湧き易くなりました。
 

今回の税務署見学を通じて、税務の現場や仕事等について知ることができ、とても有意義な機会となりました。福山税務署を見学し、税務署の実態を知ることで、福山大学の学生の税に対する見識が深まったと思います。今後、この経験が学業に生かされることを期待します。

(注1)国税庁では、国民の皆様に租税の意義や役割、税務行政に対する知識と理解を深めていただくため、1年を通じて租税に関する啓発活動を行っていますが、毎年1111日から17日を「税を考える週間」として、集中的に様々な広報広聴施策を実施しています。


学長から一言:百聞は一見にしかず。。。税務職員の仕事を目で見て肌で感じれば、また大学の講義にも身が入りますねッ!

グリーンサイエンス研究センター (脂質代謝プロジェクト)

こんにちは、学長室ブログスタッフの薬学部の “ M ” です。

今日は、福山大学グリーンサイエンス研究センターで新しく立ち上がったプロジェクトについて紹介したいと思います。 現在、若手教員を中心とした2つのチームがありますが、今日は、薬学部メンバーで構成されているプロジェクト「生活習慣病の新たな治療方法の開発を目指した脂質輸送と細胞機能の関連性の解明」について、代表である薬学部の上敷領 淳准教授に記事を書いていただきましたので、紹介します! (もうひとつのプロジェクト「瀬戸内の里山・里海における生態系機能の解明に向けた研究拠点の形成」については、以前の記事をご覧ください!→ http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2016/01/blog-post_6.html )

*******

メンバー
上敷領 淳(薬学部 薬学科・准教授・生化学研究室)
大西 正俊(薬学部 薬学科・講師・薬物治療学研究室)
坂根 洋 (薬学部 薬学科・講師・免疫生物学研究室)
松岡 浩史(薬学部 薬学科・講師・病態生理・ゲノム機能学研究室)

プロジェクトの概要
日本における疾患別年間死亡数の内訳をみると、第1位 悪性新生物(がん)、第2位 心疾患、第3位 肺炎、第4位 脳血管疾患となっており、上位4つのうち3つが生活習慣病と関連したものとなっています。 特に、がん、心疾患、脳血管疾患はコレステロールやトリグリセリドなどの脂質代謝異常が大きなリスクファクターとなることが知られており、食の欧米化に伴い、患者数は増え続けています。 疾患別年間死亡数の内訳には反映されていませんが、がんや心疾患、脳血管疾患の背景には脂質異常症や糖尿病、高血圧などの基礎疾患があります。 これらの疾患は食生活や運動習慣など、特に生活習慣との関わりが強い疾患であり、生活習慣病と呼ばれています。
        疾患別 年間死亡数の内訳
        (国民衛生の動向 2013/2014)

生活習慣病はできるだけ早い段階で発見し、治療を開始することが重要となります。 多くの場合、発見されたときには症状が進行してしまっているため、治療はますます困難となり、生活の質が大きく低下してしまいます。 したがって、より効果的な治療方法を開発することと同様に、病気の進行を遅らせ、なるべく症状を初期の段階にとどめておく治療法も必要となってきます。

我々は生活習慣病の中で、特にがんと糖尿病に焦点を絞っています。これらの疾患は発症自体が生活の質を著しく低下させるため、早期発見・早期治療により早い段階で症状をコントロールする必要があります。 治療が遅れてしまったり、うまくいかなかったりすると、さらに生活の質を低下させる様々な合併症へとつながってしまいます。 がんでは、転移・浸潤によって腫瘍が多くの臓器に広がってしまう可能性が大きくなってしまいます。 また、糖尿病では、三大合併症の1つである糖尿病網膜症が引き起こされてしまい、最悪の場合、失明してしまう恐れがあります。 腫瘍の転移・浸潤、また、糖尿病網膜症を防ぐための有効な治療方法は確立されておらず、定期的に検査をすることで重症化を防いでいるのが現状です。

腫瘍組織における血管新生と転移・浸潤
細胞は、がん化しても血管が新生されなければ、がんは体内で微小な状態にとどまる。 しかし、血管が新生されると発育が加速されるとともにがん細胞の一部は血管内に侵入して離れた臓器へと転移する。 また、原発がんが増大するためにも血管新生が必要になる。
網膜における新生血管からの出血
血糖が高い状態が続くと、網膜の血管は少しずつ損傷を受け、変形したり詰まったりして血行が悪くなる。 悪くなった血行を補うために血管が新生されるが、新生血管はもろいため容易に出血する。

がんの転移・浸潤、糖尿病網膜症ともに発生および症状の進行には共通している部分が多くあります。 その1つが新しい血管が生じてくる「血管新生」です。 疾患の進行に伴って、疾患部位周辺が低酸素状態や低栄養状態になると新たな血管をつくることで酸素不足や栄養不足を補おうとします。 しかし、新たに作られた血管はもろく、内容物を容易に漏出させるため、様々な障害を引き起こしてしまいます。 そこで、我々は本プロジェクトで血管新生の起こるメカニズムを明らかにし、血管新生を防ぐ新たな治療方法を開発するための基盤を築くことを目指しています。

新たな血管が生じる際に中心的な役割を果たす細胞の1つが血管の内側で血液と接する血管内皮細胞です。 組織が酸素不足や栄養不足になると血管内皮細胞を呼び寄せる様々な因子が作られ、近くの血管に作用することで、血管内皮細胞がアメーバのように新たな血管を伸ばしていきます。

血管内皮細胞が増殖する際に細胞内のコレステロール量が重要な役割を果たしていることが指摘されています。 コレステロールは動脈硬化などで血管を詰まらせる「悪玉」として捉えられがちですが、生体にとって必須の栄養素であり、不足すると細胞をもろくしたり、十分な量のホルモンが作られなくなったりと、体に多くの悪影響を及ぼします。 細胞内で適切な場所に、適切な量のコレステロールが届けられることが細胞が正常な機能を果たす上で重要であり、コレステロール運搬の破綻は細胞機能の破綻につながってしまいます。


本研究では、コレステロールの細胞内輸送と血管内皮細胞の増殖・機能維持の関係を明らかにし、創薬のターゲットとなる変化・異常を分子レベルで明らかにすることを目指しています。 細胞内のコレステロール輸送に関しては不明な点が多く、未知の分子が多く関わっていることが予想されます。 研究遂行においては困難な場面が多く待ち受けていると思いますが、メンバーで力を合わせ新たな治療方法の開発へ向けた基盤形成を成し遂げたいと思います。

*******


学長から一言:もうちょっと柔らかく書いてくれると助かるなァー。。。後期高齢者に仲間入りした学長のつぶやきです。。。エー、私のコレステロール値は大丈夫です。。。

2016/01/26

オリジナル羽子板をつくろう~!


こんにちは。心理学科 学長室ブログ担当の川人です。

今回は,本学科の赤澤教授に子育てステーションでの活動を報告してもらいます!
では,早速ご紹介いたします。

----------

心理学科の赤澤です。

2016年1月23日に、宮地茂記念館で年明け初めての子育てステーションが開催されました。今回は、福山大学心理学科・発達心理学課題実習の学部ゼミ生と臨床発達心理学特論を受講している大学院生が、親子で楽しめるお正月の企画を考えました。
大学院生の企画は、オリジナル羽子板作りでした。割り箸とダンボールで作成した羽子板の土台に、各自で紙に絵やシールを貼ったものを両面テープで貼り付けて完成させます。




この日は、2歳から7歳までの子どもさん12名と7人の保護者が参加してくれました。なぐり描きを楽しむ2歳児さん、頭足画を描く3歳児さん、慎重にシールを貼り付ける4歳児さん、それぞれに自由な発想で製作を楽しんでいる様子が見られました。一方、学生達は、子どもの絵の描き方やはさみの使い方などを見て、年齢による発達の特徴についての理解が深められたようです。




完成後は、早速オリジナル羽子板を使って、羽根突きを楽しみました。羽の代わりに折り紙で折った紙風船を使って、親子、きょうだい、友達同士で、できるだけ長く続けられるよう頑張りました。




途中、保護者の方から「懐かしい!」の一言が。確かに、最近はお正月に羽根突きで遊んでいる子どもを見かけなくなりましたね。でも、改めてチャレンジしてみると、親子でも楽しめることが再確認できました。一家庭で各2枚の羽子板を製作したので、自宅に帰ってからも遊べます。羽根突き、凧揚げ、コマ回し、百人一首など、伝統的な日本のお正月遊びには、実は一つ一つ意味があるようです。子育てステーションでは、日本文化の継承という意味でも、今後もこのような活動を大事にしていきたいと思っています。今回は時間が足りず出来なかった学部生の企画であるジバニャンの「手作り福笑い」は次回以降に持ち越されました。次回は2016年2月27日の開催となります。




学長から一言:楽しそうですね。。。私も、子どもに戻って参加した~い!!!

2016/01/23

スマートシステム学科×ひろしま産業振興機構 マッチングフォーラム

こんにちは、ブログメンバーのスマートシステム学科MGです。

さて、今回は1月22日(金)に開催された ひろしま産業振興機構第一回マッチングフォーラム のご報告です。これはリンク先にもあるように、ひろしま産業振興機構が主催する「研究現場を訪問し先端の研究内容に触れるとともに、事業化に向けて研究者と意見交換を行う ニーズシーズのマッチングの会議 です。この度、福山大学を会場に、我々の学科が取り組んでいる研究プロジェクト「小型人工衛星と高機能センサ群を用いた センサネットワークによる土砂災害予測システムの研究」 に関する意見交換会が行われました。

講師として、私も含め、学科長の香川教授、衛星プロジェクトリーダの関田准教授、沖准教授、田中准教授の研究の紹介がありました。私も末席を汚しておりますが、資料製作に深夜までかかり大変でした(準備が計画的ではないと反省!)。

―――― 開催内容 ――――
1.開 会  2.講 演 (5件)  3.研究室等見学   4.質 疑 応 答      5.閉 会       

午後より開会でしたので、工学部棟エントランスにて工学事務の方々に受付をしてもらいました。

学科長 香川直己教授の挨拶。昨今の日本のものづくり現場の状況、大学工学部の存在意義とはなにか、などの企業の方を意識した話しがありました。


講演の部に移り、関田隆一准教授 「土砂災害予測衛星開発プロジェクト 計画・進捗説明」,備後圏を宇宙開発都市とするビジネス展開のビジョンと、超小型衛星実験システムのプロジェクト計画の説明です。
講演の部の続き、田中聡准教授 「地上センサ群のための電力システム」
土砂災害をモニタするための環境計測センサと、そのセンサを動かすために独立した電源システムをいかに構築するか、「エネルギハーべスティング」の観点からの説明です。
私も 「自律移動ロボット群を使用したセンサネットワークシステム」 というタイトルで話ししました。マルチエージェントシステム/スワムロボティクスを実際どのように工学利用するかという観点でお話しさせていただきました。私がカメラマンなので写真がない・・・資料の表紙を代わりに載せます。

沖准教授 「振動計測:超音波を用いた地形計測ユニットの考察」
実際に、ロボット移動体の駆動部分、センシングユニットの開発とその考察について説明しました。

香川教授 「空間光通信を用いた温室効果ガス計測システムの開発」
光通信に用いるレーザー光の波長の変化で空間中のガス成分を計測する、香川先生が長年取り組んでこられた研究の説明、そして、土砂災害時に土中メタンの放出現象を捉えることで災害予知を可能にするというプロジェクトの提案です。
講演の後に工学部棟1Fのスマートシステム学科のゼミ室に移動し、実際の研究の様子、開発の現場を見学して頂きました。折しも卒業研究シーズン真っ盛り。学生も外部の方の来訪があると聞き、ちょっと緊張した表情で卒研をしていました。 

さて、見学の後講義室に戻り、質疑応答の時間が設けられました。企業人の方からは、この先の工学や日本のものづくりがはたしてどのようになるのか・・・? といった鋭い質問がありました。また、私の群れロボットに関する質問では、「ほんとうにそんな自分で判断するような自律移動ロボットができるのか? 超高性能コンピュータが必要ではないか?」といった趣旨のご意見をいただきました。 群れのロボットは単純なロボットを積み重ね、全体として高度なロボットチームとなる・・・と、学科長フォローもあり説明できたと思います。

企業のものづくり現場の方からは、我々が普段あまり気が付いていない、製造コストや競合する製品との競争力などの視点でのアドバイスがあり、大変参考になります。今回のマッチングフォーラムで少しでも福山大学工学と我々が持つ技術に興味をもっていただければ、とても嬉しいですね。


学長から一言:大学として応援している、大変夢のあるプロジェクト。。。実現すれば地域貢献も大きいし、派生する技術革新も大きいと期待していま~す!!!

2016/01/22

第2回「教職フォーラム2015」開催!


大学教育センターの学長室ブログ担当のT&Yです。121日(木)に行われた「教職フォーラム」について紹介します。

****

大学教育センターと教職課程委員会が共同して今年度より始めた「教職フォーラム」、その第2回目を開催しました。

 1回は「教師の仕事 その醍醐味」をテーマに行いましたが、今回は「学校の規律 期待される指導力」がテーマです。パネラーは、本学スタッフから、島田歓二参事、山口昌宏特命講師、金丸純二経済学部教授です。ともに、中学校や高等学校の教職経験、特に管理職経験のある3人の登壇です。総合司会は大学教育センター講師の竹盛浩二(ブログ担当のT)が務めます。

第1回フォーラムについての記事はこちら
大塚大学教育センター長の開会挨拶

初めに、大学教育センター長と教職課程委員会委員長である大塚豊教授より、このフォーラムの趣旨に関わる挨拶がありました。

テーマの「学校の規律 期待される指導力」という言葉にあるように、今回のフォーラムのねらいは、学校現場においていかに規律が重要であるのか、その指導力を身につけるために教師はどうあるべきなのか、そして教職を目指す者は何を心がけ、どのように日々を過ごすべきなのかについて考えていこう、というところにあります。教師への夢を語り合うだけではなくて、私たちがどのように自らを律していくのかが大切であるということなのです。

さて、パネルディスカッションが始まります。

「規律」というのは「規則」とは異なる。学習における規律はもちろんのこと、学校はまさに規律そのものでなければならない。教師は、その鏡とならなければならない。教師は一人苦闘するのではなくて、集団として機能しなければならない。そこに必要なものはお互いの信頼、子ども達への信頼である。そこに、おのずと規律はつくられていく。そういう点で、規律とはリズムである。厳しい生活指導、多くの制約のある中での課外活動、それら諸々のシーンにおいて格闘する教師。そのために、自らを見つめ直してほしい。

山口先生のお話

島田先生のお話

金丸先生のお話

参加者は35人でした。3人のパネラーの先生の、教師人生の中から滲み出る情熱的なお話を聞いて、教職への夢を実現するために、学生たちはそれぞれの生き方について問い直すこととなったようです。
みんな真剣に聴いています

わずか1時間のフォーラムでしたが、じつに凝縮した掛け替えのないひとときでした。
今、多くの学生が教職への希望を持っています。私たちが、それを実現していくことが出来るように、このようなフォーラムもひとつの契機として、これからも考えていこうと思っています。


学長から一言:よい内容のフォーラムでしたね。。。これを読むだけで私も勉強になりました。。。大学の教育では規律から自律へ、そして社会人として外へ、ということで、私たちも日々努力!!です。