2016/01/14

清水理事長の「この道」に、学生たちは耳を傾けました


大学教育センターの学長室ブログ担当のT&Yです。112日に行われた平成27年度第5回の教養講座の様子をお伝えします。
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今回の教養講座は、学校法人福山大学理事長の清水厚實先生が講師です。これまで先生が携わってこられた研究を踏まえ、学生たちの実生活にも役立つ有意義なお話をいただきました。
演題は、「この道一筋60年  -漢字と知的財産権の研究-」でした。副題にあるように「戦後の国語教育における漢字の扱いとその研究」と「著作権訴訟と知的財産権の研究」について丁寧な説明をしていただきました。
私たちは、漢字とひらがなを用いて文字を書き記しています。その漢字の歴史を踏まえつつ、先生が、戦後国語教育において、教育漢字の学年別漢字配当表の策定に関わり、教育漢字から常用漢字までの漢字の体系的な整理に関わってこられたことを聞くと、戦後の国語政策のまさに国家の根幹に関わる重要な研究をして来られたことに、敬意をはらわずにはいられません。
著作権と知的財産権のお話も、先生自らが著作権訴訟に関わってこられた経緯の中から、その歴史から説き起こし、わかりやすく解説をしてくださいました。「彼女から届いたラブレターの著作権は、彼女とその手紙を受け取った自分のどちらに在るのだろうか?」と学生に問いかけるなど、学生にとっても具体的な事例を持ち出しながら説明してくださいました。「アンネの日記」の著作権の保護期間のこと、教師による学生の文章添削は著作権違反とはならないこと、他の文献を引用する際に心がけなければならないこと、さらにはTPPにおいて著作権の保護期間が50年から70年になりそうであることなど、今後の知的財産権の動向などについて、私たちが避けて通れない問題を教えていただきました。資料として著作権法の全文も用意してくださいました。私たちは、今後の勉強のための教材を手にしたわけです。
いずれの話も、先生が直接関わってこられたものでした。そういう点において、それはまさに先生ご自身の「この道」であるのです。そういうお話をいただいて、先生の「一筋」を受けとめなければならないと思うのです。
最後は、三つめの柱である「宮地先生との出会いと大学の創設や学生に望むこと」として、学生への熱い思いが語られました。創設者である初代宮地茂学長の志を承けながら、「学業を深め資格を取り、教員の指導を受け入れ、良い友人を得て、地域に貢献する有為の人材たれ」との、清水理事長の熱い言葉に、学生たちはもちろんのこと、教職員も耳を傾け、思いを新たにしたところです。
新しい2016年の年頭に相応しい、教養講座でした。
 
 

学長から一言:経営者として、いつも私たち教職員を叱咤激励の理事長ですが、今回は研究者の面と教育者の面を、学生にしっかり見せていただき、あわせて平素の教養講座よりは多少多い目の出席率の教員にも、とてもよい刺激となりました。。。それにしても、いつもながらの張りのある声、抜群の記憶力、巧みな話術!!!