2016/01/19

生物工学科でワインを造ろう!

こんにちは、ブログスタッフの生物工学科 佐藤です。

着々と前進しているワインプロジェクト。ワイン醸造のための機器がどんどん入ってきました。講義・実習でも大活躍する予定です。どうですか? 体験したくなってきたでしょう。吉﨑助教が詳細を報告します。

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福山大学ワイン醸造所長の吉崎です。この学長室ブログでも何度か紹介しておりますが、生物工学科では今年度から「福山大学ワインプロジェクト」と称してブドウ栽培やワイン醸造を順次カリキュラムに取り入れています。

福山市はブドウ栽培が盛んで、特にマスカット・ベーリーA(ニューベリーA)の特産地です。生物工学ではこのような地域資源と本学科の長年のバイオ研究成果をワイン醸造という形で結びつけ、教育・研究の一環として新しいワイン造りに取り組んでいるところです。

これまでに、酒類試験製造免許の取得やワイン醸造のための機材の整備などを進めてきて、昨年には関係者にワインの試作品を披露し大変好評でした。今年度入学の1年生は福山大学ワインプロジェクトの第1期生、新カリキュラムでブドウ栽培を学んでおり、2年生からはワイン製造も行う予定です。

ワインの製造は生物工学科の建物内にある「福山大学ワイン醸造所」で行っています。ほとんど何もない状態で始めたワインプロジェクトですが、少しずつ醸造機器も充実してきました。今年度新たに導入されたものも含め、主なものを下記に紹介します。

・ブドウの実を潰しつつ、ブドウの軸(梗といいます)を取り除く除梗破砕機
・果皮を圧搾してジュースにするバスケットプレス(容量69L)
 ・酸化を防ぐため空気に触れさせずに発酵できる密閉ステンレスタンク(容量100L)
 ・酸化を防ぐため空気に触れさせずに発酵できる密閉ステンレスタンクジャケット付~右後ろに見えている冷却水循環装置と接続して発酵温度の制御が可能(容量200L)
・瓶を水道の圧力で洗浄するリンサー
 ・できたワインを瓶に規定量充填する半自動フィラー
・コルク栓をする打栓器
 ・金属製のスクリューキャップを締める電動キャッパー
完全に手作業で行うと大変な手間がかかるワイン造りですが、今回紹介した設備により数百リットル規模のワインをそれなりの品質で生産することが可能になりました。また、昨年10月には広島県東部保健所より酒類製造業の営業許可をいただき、今後は試験製造したワインをイベントなどで学外の方に試飲いただくことも可能になりました。

授業の一環でこうした機器を使い、実際にワイン醸造を体験できる学科は全国でも非常に珍しいと思います。ブドウ~ワイン製造は生物工学科の授業のほんの一部のメニューですが、バイオテクノロジーの原点とも言えるワイン造りを通して、本学科で学ぶ様々な技術や知識が実社会でどのように活かされているのか、アクティブ・ラーニングで身をもって学ぶことができると考えています。

以上紹介したことに加えて、福山大学ワインプロジェクトは積極的に地域社会との連携も目指しているところです。今年度は福山商工会議所が申請した課題「平成27年度地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」に採択され、私たちも参画しています。この1年、地域企業と協力して行ってきた研究成果などを本年2月8日(月)にJR福山駅北口の福山大学宮地茂記念館で行われる「第2回福山六次産業研究会」で発表しますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。生物工学科の取り組みを一人でも多くの方に知っていただけると幸いです。


学長から一言:学問的だけど、楽しい、そして20歳になったらその成果も味わえて。。。このカリキュラム最高!!でも実は、しんどい草抜きとか。。。