こんにちは。図書館の学長室ブログメンバー、(K)です。
今年度4回目の図書館セミナーを平成28年1月21日(木)16:20-17:30、図書館ラーニングコモンズで開催しました。講師に建築学科4年生の内海偲さんと、准教授の藤原美樹先生の2名をお招きしました。講演は内海さんの「ムーミン屋敷のインテリア」、藤原先生の「『金瓶梅』にみえるインテリア、家具について」というテーマでした。講演には人間文化学部学生をはじめ、全9名の参加がありました。寒い中のご参加ありがとうございました。
1.建築学科4年生 内海偲さん「ムーミン屋敷のインテリア」について
フィンランドの漫画「ムーミン」のインテリアについて1年間研究した結果の報告がありました。先ずはムーミンの漫画が生まれた1908頃の時代背景が述べられ、ムーミン一家の紹介に移り、一家の部屋ごとの分析が発表されました。分析では、各部屋のレイアウトとインテリアが図面に描かれ、家具類の配置も詳細に示されており、当時のムーミン一家の生活が手に取るように分かり、面白く感じられました。会場にいた参加者からは、フィンランドの環境は極寒なのに、なぜインテリアが発達したのか等についての質問があり、講演者からは、極寒の地ゆえに、家族での団欒が主体となった素朴なインテリアが各地で発達したという見解が述べられました。
玄関から居間にかけてのインテリア |
内海さんの講演風景 |
2.藤原美樹先生「『金瓶梅』にみえるインテリア、家具について」
中国の4大古典文学(小説)の一つ『金瓶梅』には、中国の生活様式が多く記載されていて、その挿絵に注目すると、当時の中国のインテリアを研究する上で、大いに参考になるようです。後、主に以下の2点についての講演がおこなわれました。
○以前中国では美人=小さい足という纏足という風習がありました。その風習の時代背景や、そこで発達したインテリア(家具)についての発表がありました。女性が逃げ出さないようにと考えられた纏足の風習。しかし、その生活習慣の中から、女性が生活しやすいような足の長い、特殊な家具が出来上がった事について、解り易く説明がされました。
○また、物語にみられる富裕層のインテリアについての話もありました。富裕層は、富の象徴として外部の人に自己主張するための、豪華絢爛とした多くの家具を持った生活と、自分の健康を守るための家具をもった生活、2面の生活を営んでいたようです。
前の内海さんの説明から、フィンランドの家具(デザイナー)には居住環境の快適性を主流としたデザインが多くみられます。中国は、自分たちが如何に元気で過ごせるかを主体にした家具までを考えたようです。
参加者からは、インテリア・家具一つをとって見ても、その国の時代背景や、人々の生活様式まで垣間見ることができ、面白い発表だったとの感想を聞くことができました。
講演風景 |
富裕層の住宅 |
次回の図書館セミナーは、図書館ラーニングコモンズにて、平成28年年5月 薬学部の杉原教授による「セルフメディケーション」の講演を予定しています。自由に聴講できますので、ぜひご参加ください。
学長から一言:日本の一般家庭の家具も、私の子どもの頃からは一変。。。とりわけ台所・居間からキッチン・リブイングへの変化はとても大きいですねー。。。食事の都度足を出したり引っ込めたりした「ちゃぶ台」が懐かし~い。
学長から一言:日本の一般家庭の家具も、私の子どもの頃からは一変。。。とりわけ台所・居間からキッチン・リブイングへの変化はとても大きいですねー。。。食事の都度足を出したり引っ込めたりした「ちゃぶ台」が懐かし~い。