2017/08/21

【スマートシステム学科】ドローンを使ったCanSat(缶サイズの衛星)通信の実験

こんにちは、工学部スマートシステム学科フェイスブックはこちら)の学長室ブログメンバー、伍賀です。

8月9日(水)に,横浜のPTI社の協力(ドローンの操作など)で、ドローンを使ったCanSat通信実験を行いましたので紹介します。これは、超小型衛星研究プロジェクトから能代宇宙イベント用に抽出した実験で、地上ロボットが測定したデータを、CanSatへ送り、CanSatが自分で計測したデータも加えて基地局へ送信し、基地局がすべてのデータを受信するという内容です。

超小型衛星開発プロジェクトは、スマートシステム学科が推進する研究で、地上センサーネットワークロボットと協調する低軌道衛星を活用し、土砂崩れなどの災害対応システムを開発することに主眼が置かれています。昨年度は、関田准教授が衛星を使ったミッションアイデアコンテスト世界大会のファイナリストとして選出されています

スマートシステム学科では、最近、4年生を中心に、この超小型衛星開発プロジェクトを遂行するために、自律移動ロボット、小型人工衛星 CanSat、センサ-システム等々の開発を日夜行っています。この日の実験のために、開発してきたロボット2台の地上ロボットの調整から、まず開始です。
4年生が中心となってセンサネットワークロボットを整備 

衛星からデータを受信する基地局
 衛星からの電波受信設備に相当する模擬施設

下の写真は関田研究室で開発しているCanSat(カンに入るくらいの小型衛星)です。今回の実験ではこの CanSat をドローンで空中高くに持ち上げ、そこからやってくるデータを受信するというものです。

 製作したCanSat
CanSatを ドローンへ乗せて準備OK

いよいよ実験開始です。今回は地上ロボットとして移動ロボットが2台用意されました。これらは地上での各種データを測定しながら移動する能力をもったものを想定しています。最終的には自分で判断して目的地まで移動するような自律移動ロボットになる予定ですが、今回は、地上ロボット(緑)が温度、湿度を測定しながら、地上ロボット(白)を追尾してする方式です。

 1台は人間が操縦、もう1台はそれを追尾します
 ドローンによって上空へと飛翔するCanSat

ドローン操縦チームによって離陸したドローン「10m、20m、30m・・・」という高度のカウントとドローンのモータ音がフィールドに響きます。みるみるうちに高度の数字は大きくなり、見えているドローンは小さくなっていきます。
 あっというまに高度120m(地上から見ると・・・すごく小さい)

数分後、ドローンを降下させ、通信実験を終了。最後に、CanSatからのデータを基地局が受信していることを確認しました。
 データを確認する田中准教授とスマートシステム学科4年生

ロボットとCanSatの測定データの受信を確認しました。今回の実験はここまでで終了です。後は、データを解析するという大変な作業があります。スマートシステム学科の有志学生と教員は、8月16日から秋田県能代市で開催される能代宇宙イベントへの参加を予定しています。大急ぎで、宇宙イベントに向けて、システム全体を最終調整を行うことになりました!
 基地局での受信データ表示ソフトの画面

ちょうど高大連携授業で福山工業の生徒さんが来られていましたので、
実験の様子を見学してもらいました。
 福山工業高校の生徒さんの実験見学
ドローンを目で追って「高い!スゴイ!」

このドローンによるCanSat通信実験は、先に述べたように8月16日から開催される能代宇宙イベントの予行演習でもありました。この宇宙イベントへの出場結果も追って報告したいと思います。


学長から一言:とりあえず実験は成功だったようですが・・・今日はもう8月21日!!!能代宇宙イベントの結果はどうだったのでしょうねッ!それは次回の学長室ブログのお楽しみかな?!?