毎日暑いですね。学長室ブログメンバーの生物工学科・ワイン醸造所長の吉﨑です。秦野琢之教授から先日行われた公開授業のレポートが届きました。どうぞ。
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去る7月22日(土)、生命工学部公開授業(ビジネス交流会:福山未来との共催)が行われました。本日は生物工学科のキッズメニューの様子を報告します。
受付と挨拶のあと、さっそく各学科に分かれて実験開始です。生物工学科では「酵母と遊ぼう!」と「花の色が変わります!」の2つのテーマで実施しました。
まず1つ目のテーマ「酵母と遊ぼう!」から。
「ドウ(パン生地)試験」の準備から始めました。
小麦粉と少しの塩と酵母(イースト)菌を混ぜてこねこねして、メスシリンダーにきれいに詰めて・・この「ドウ試験」・・どこかで見た記憶が・・そうです。前回の体験入学会でもやってましたね。
福山大学の体験入学会を「体験」してみました
生物工学科 第1回体験入学会の様子
ドウを詰めたシリンダーをインキュベーター(温度を一定に保つ装置)に入れて発酵させます。ここからは体験入学会とは別メニューですよ。次は液体培地に酵母菌を植えて、三角フラスコを風船でフタをして、さあ培養開始。「酵母が風船をふくらます!?」の実験です。
パン生地や風船がふくらんでいる間に・・今度はシャーレの平板培地に酵母菌で絵をかいてもらいました。下絵は自分たちの好きな絵をかき、それを台紙にしてシャーレの培地に薄く酵母菌を塗り付けます。
これは家に持って帰って室温で培養しながら、毎日観察してもらいます。3~4日後・・うまくいくとこんな姿が。
次は顕微鏡観察です。さてさて酵母ってどんな形の生き物かな・・?向こうの実験台では風船がだいぶふくらんできましたよ。
いよいよクライマックス。パン生地はどのくらいふくらんだかな?わずか1時間ちょっとの間に、約2倍になりました。では風船はどうかな?
この風船の中の期待を集めて(学長コメント:「期待」は「気体」の間違いではないかと思うけど、気持ちは分かるのでこのママ)・・ガス検知管に通してみると・・なんと紫色に!そうです、炭酸ガスだったのです。
ということで、「酵母菌は糖類(ブドウ糖や砂糖など)を食べて、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)を作るんだよ!」 ということを実験しながら勉強してもらいました。
次に2つめのテーマ「花の色が変わります!」から。
何??「花の色は移りにけりないたずらに・・」。キッズにとっては難しくないかい?? と思いきや、担当の先生がこれからやることを易しく説明してくれました。
まず、この実験で大事な技術・・ガラスピペットの使い方の練習です。キッズたちは初めて持ったピペットと試験管を使って、真剣な顔で練習です。
実験室にも花をいろいろ準備していたのですが、自分で探して取ってくるといいよ、ということで、17号館(生物工学科棟)玄関周りの花を取りに行きました。
取ってきた花びらを2~3枚試験管に入れて、アルコールを加えてつぶしながら色素を抽出します。
それにアルカリや酸そして金属を加えてみると・・・残念!この時の実験操作の写真が残っていないのですが・・結果はこの通り。白い花と赤い花から抽出した色素が、いろいろ変化することが分かります。白赤それぞれ左から、抽出液、アルカリ、酸、金属(アルミニウム)の順です。
詳しい原理は省略しますが、「花はその植物が育っている土の環境によって、その色が少しずつ違ってくるんだよ」ということを学んでもらいました。
実験が終わっての感想です。
・むずかしかったけど面白かった。
・目に見えない酵母はすごい働きをしている。
・花の色のことがよくわかりました。 などなど。
また来年も、楽しく実験しましょう!!
学長から一言:キッズの実験と言っても、とてもハイレベルで、とても興味深いですね~~参加したキッズの皆さん、今日の興奮を忘れないで大人になってほしいですねッ!!!