2017/07/12

心理学科 平教授の下へ、オランダ・マーストリヒト大学から客員研究員!

心理学科の学長室ブログ担当の野寺です。今日は、心理学科にやってきた「素敵なゲスト」についてご紹介します。

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人間文化学部心理学科の平 伸二です。私の犯罪心理学研究室では,オランダのマーストリヒト大学からの客員研究員を,7月1日(土)から9月30日(土)までの3ヶ月間受け入れています。

客員研究員の名前はMr. Robin Ortheyです。Robinはオランダのマーストリヒト大学及びイギリスのポーツマス大学の博士後期課程の大学院生であり,マーストリヒト大学で研究助手としても勤務しています。なお,Robinは実際にはドイツ人であり,Ortheyは「オータイ」という発音が一番近いようです。

マーストリヒト大学は,2017年の世界大学ランキング94位(京都大学とほぼ同じ),学生の48%が留学生,教育では少人数でのPBL(Problem-Based Learning)による授業推進で有名です。マーストリヒトは,オランダの南東端に位置し,ベルギーとドイツの国境に接しています。オランダで最古の街と言われ,名前の由来はラテン語の「マース河の渡し」です(写真1)。一般には,EUに関するマーストリヒト条約が締結された街として知られています。写真は私が2006年に研究会に招聘されたときのものです。

マーストリヒトのマース河に架かる橋(写真1)

Robinは6月30日(金)の夕方の便で広島空港に到着,すぐに合流してホームステイ先のお宅へ案内しました。彼はホテルやレンタルアパートよりも,日本での日常の文化に触れたいと,ホームステイを希望しました。皆さんともさまざまな交流を希望していますので,何かありましたらお誘いいただければと思います。

到着翌日,大学がオープンキャンパスだったので,大学の施設紹介も兼ねて大学会館と図書館,コンビニ・売店・食堂・ATMなどを案内しました。オランダでもオープンキャンパスは同様に実施しているそうです。

週明けの7月3日(月),松田学長に到着の報告に伺いました。非常に礼儀正しい青年であり,深々と頭を下げてお辞儀をして,日本語で自分の名前と所属大学を述べて,感謝の意を表明しました。松田学長は,専門が心理学であるため,領域は異なっても理解出る部分も多く,松田学長の英語の著書も手に取りながら,話題も広がっていきました(写真2)。初めての来日であること,今回の滞在の目的と計画などを報告して,記念撮影を行いました(写真3)。Robinにとっては学長に直接お目にかかれたことで,良い想い出になったと言うことでした。

松田学長の英語での著書で心理学談義(写真2)

表敬訪問後の記念撮影(写真3)

大学院生との研究ミーティング(写真4)と学部ゼミにも参加してもらいます。1回目には,それぞれのテーマと研究計画を伝えると,非常に幅広い知識で的確なアドバイスを与えてくれました。マーストリヒト大学では2名の修士論文の指導を行っているそうです。なお,最初のゼミ終了後にはたこ焼きパーティが用意されていました。彼は何でも食べられるということで蛸もOKでしたが,チーズなどの他の具材も用意してあり,みんなで一緒に作って随分と打ち解けた感じとなりました。
研究室での大学院ゼミへの参加(写真4)

素晴らしい手さばきで既に職人芸!(写真5)

Robinが日本に来た目的ですが,通称「ウソ発見」と呼ばれるポリグラフ検査の研究及び犯罪捜査への利用実態を調査することです。そして,滞在先として私の研究室を選んだ理由の一つは,私が継続している科研費による脳波を指標としたポリグラフ検査の研究に参加するためです。もう一つは,私が14年間(1986年~2000年),科学捜査研究所に勤務していたことから,現場での検査方法を教えることができ,さらに,現在の科学警察研究所と科学捜査研究所のメンバーと交流があるため,見学や聞き取り調査の調整とサポートができるからです。既に,9月の初旬に警察庁の科学警察研究所(アジア圏最大の警察関係の研究所)への見学が決まっています。

Robinは日本と西洋とのポリグラフ検査の違いについて調査をして,それをヨーロッパへ持ち帰ってより良い検査の構築に貢献したいようです。日本のポリグラフ検査は情報検出に基づいており,犯人の記憶を判定対象としています。これは隠匿情報検査(Concealed Information Test:CIT)という検査方法であり,日本が犯罪捜査に使用している唯一の国であり,国際的に高く評価されています。このあたりの事情に関しては,私のホームページをご参照下さい。

ところで,Robinの指導者であるマーストリヒト大学のDr. Ewout Meijerも2004年に私が受け入れ先となり,全国の科学捜査研究所の研究員に呼びかけて研究会を開催したり,科学捜査研究所へ見学に連れて行ったり,今回のRobinと同じ様なことをしています。Dr. Meijerは,現在ではこの分野の論文や専門書を多く出版していて,世界的に著名な研究者に育っています。

今回のRobinの受け入れで,彼自身が大きく研究者として成長するのみならず,彼を通してヨーロッパの研究者と日本の研究者の交流が増え,日本の素晴らしい検査方法が世界に広まり,研究も活性化することを期待しています。8月にはイギリスのスターリング大学から,もう1名の客員研究者を同じ目的で20日間受け入れます。

最後に,6月30日(金)に来日して5日目の7月4日(火),大学が大雨洪水警報の発令で休講となりました。そこで,彼にはホームステイ先で待機しながら,福山大学の最初の印象や今回の来日目的について書いてもらいました。彼は,この5日間で素晴らしい歓迎を受けたこと,福山大学での研究への期待,日本に来た目的についてまとめてくれました。わかり易い英語なので原文のまま掲載します。

I arrived in Japan 5 days ago and so far I have had a fantastic time. I have experienced and enjoyed some of the best food and hospitality in my life. I have seen the university grounds and joined one of professor Hira’s research team meeting and was introduced to many other members of staff. I am looking forward to conducting research with Fukuyama university scientists and students.

My trip has two goals. To understand them it is important to point out a crucial difference between Western countries and Japan. In both regions polygraph (physiological lie detection tests) are used. However, Japan is the only country in the world that has adopted the test that comes from behavioural sciences. This test is known as the Concealed Information Test (CIT).

First, I want to strengthen research collaborations between CIT researchers from my laboratory in Maastricht and researchers from Japanese universities. Working together we can share our experiences and knowledge to improve the quality of our scientific output.
Secondly, I wish to meet with practitioners from the police directly and listen to their impressions, suggestions and problems of the field. So when I come back the Europe, I want to share the information I learned here with other researchers so that we can work together on the current challenges of our time and field.

Faculty of Psychology and Neuroscience
Maastricht University 
Robin Orthey


学長から一言:Robin君の端正で長身なこと!!!そして、福山大学の国際交流も、学生の相互の留学だけでなく、ずいぶんと幅広く分厚くなってきましたねッ!