2017/07/16

機械システム工学科1年生が、3D光造形に挑戦!

機械システム工学科の内田です。

最近、コンピュータで設計したとおりのものを簡単に製作できる「3Dプリンタ」がいろいろな所で使われるようになってきました。一般的なものは熱溶解積層法という方式で、熱で溶かしたプラスチックを積層させていろいろな物の形を作ってゆくもの(参考例)ですが、機械システム工学科には、それとは異なる優れた3Dプリンタがあります。

光造形法による3Dプリンタ、「高速光造形機」です。
これは光硬化樹脂という、紫外線にあたると硬化する液体樹脂の水面に紫外線レーザーを当てながら形を作ってゆくものです。他の方式よりも寸法精度が高く、表面の仕上がりがきれいなものが作れるという特徴を持ちます。機械システム工学科ではこの装置を、CAD/CAM関連の授業や、研究のための試作などに活用しています。

機械システム工学科の光造形機
実験室には試作品がいっぱい

学科の1年生に「光造形機を使って一緒に部品製作をやってみないか?」と声をかけると、3人の学生が手を挙げてくれました。そこでその学生たちに集まってもらって製作を行いました。

まずPCを使って、これから製作する部品のCAD(コンピュータによる設計)データを、光造形機用のデータに変換します。

CADデータを光造形機用に変換

そして変換したデータを光造形機に送ると、装置が動き始めて部品製作が始まります。

下の写真は、製作開始後しばらく経った後に装置の内部を写したものですが、写真中央より少し下あたりに、部品が少し形作られていることがわかります。部品の上に当たっている光の線が、紫外線レーザー光です。部品の上面より下の部分は、液体の光硬化樹脂で満たされています。

部品製作中

学生達は、初めて見る光造形機の動きを、興味津々の目で見ています。

光造形機の動きにハイテクさを感じる



そして約8時間後、部品が完成しました。8時間というと長く感じられるかも知れませんが、同じものを機械加工で作る場合と比較すると、何倍ものスピードです。装置のカバーを開けて、出来上がった部品を取り出します。

部品(半分)が完成
部品の取り出し

今回製作した部品は、自動運転車のコントローラの筐体(外側の箱)の部品です。機械システム工学科では、学部・学科横断プロジェクト「交通安心プロジェクト」の中で、地域の足となる自動運転車の開発を行ってゆく計画なので、そのための部品を製作したのでした。

下の写真は、自分が製作した部品を満足そうに手にする、1年生の浅利君です。彼は 「交通安心プロジェクト」に参加していて、今後ほかの仲間たちと一緒に、自動運転車開発をはじめとする交通安全研究の学生プロジェクトを進めてゆくことになっています。

部品(コントローラの筐体)の完成

高速光造形機はまた、同じく学生プロジェクトのひとつである「海洋探査プロジェクト」の中で、水中ロボットの船体やプロペラの製作などに活用してゆく予定です。先進の製作装置を活用することにより、オリジナリティの高いいろいろな研究を効率よく進めてゆく考えです。


学長から一言:ものづくりの世界もずいぶん変わってきたのですね。。。手づくりというより、手づくりプログラミングづくりでしょうか。。。自動運転車や水中ロボットに期待していま~す!!