今回は、先日開催された人間文化学部文化フォーラムの模様をお伝えします。以下、心理学科の筒井明日香助教による報告です。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
人間文化学部が主催する文化フォーラム第4回目@ふくやま文学館セミナー室を10月1日(土)に開催しました。今回のテーマは「マスクを着用することが顔の魅力に及ぼす影響」で,心理学科の宮﨑由樹講師が担当しました。
今回は3部構成でした。第1部は「メタ認知」に関する講演でした。メタ認知とは,自分の思考や行動を客観的に把握し認識することです。さまざまな実験デモンストレーションを行い,注意の錯覚や変化の見落としの体験をしました。デモンストレーションでは参加者から驚きの声が上がり,ご自身の認識の不正確さを実感されているようでした。『自分は注意を向けている』という過信は要注意なようです! 自分が思っているよりも情報を見落としている可能性が…。第2部はユニ・チャーム株式会社・北海道大学との共同研究の紹介でした(http://www.unicharm.co.jp/company/news/2016/1204043_3942.html )。
私たち日本人は日常的に衛生マスクを着用しますが,近年では若年女性を中心に“伊達マスク”“マスク美人”なるものが流行しています。マスクの着用は,果たして顔の魅力度を高めているのでしょうか…?
↑こちらの写真のみ、中国新聞エリア通信員・粟村真理子氏の提供です。
|
マスクを着用することで顔が小顔にみえるという結果も示されています。宮﨑講師らはこの研究成果を用いて,小顔に見えるマスク(小顔にみえマスク)の製品評価にも携わっています。「小顔にみえマスク」はすでに販売されており,若年女性だけではなく中高年の女性にも高い支持率があるようです。皆さんも小顔にみえマスクを見つけたら,ぜひ手に取ってみて下さい!
第3部は自分の外見に過度にこだわる「醜形恐怖症」に関する講演でした。醜形恐怖症とは,醜くないにも関わらず,自分をひどく見にくいと思い込んで苦しむ,いわば病的な容姿の悩みのことです。醜形恐怖症の疑いがもたれる有名人の例を挙げつつ,自分自身の外見的魅力に対する認識(メタ認知)との関連について考察を述べていました。
今回は女性の参加者が多く,女性の関心の高さがうかがえました。参加者からは,「非常に興味深い内容でした」「メタ認知,マスクの効用についてよく理解できた」「自分の認識がこれほど不正確だとは!」などの感想が聞かれました。
次回の文化フォーラムは下記の通り実施されます。こちらへもぜひご参加ください。
日時:11月5日(土)14:00~16:00
演題:「柏に鷹図」をめぐって―近世後期における豪農の絵画と記録―
講師:人間文化学科 講師 柳川 真由美
クリックすると拡大します |