■ 10月21日
みのりの秋となりました。
秋になると草の葉には露が結ばれるようになります。それを「白露」(はくろ)と言い、二十四節気では9月7日がその日でした。
白秋(はくしゅう)という言葉もあります。そもそも中国の陰陽五行(おんようごぎょう)では白は秋の色となっているのです。
この頃には月も美しく、9月15日は仲秋(ちゅうしゅう)の名月です。その日、福山大学の田んぼの稲は穂を実らせて、頭を垂れるようになっていました。雀などがそれをついばむ心配もあるのでしょう、赤いネットで一面が覆われています。
9月15日 |
9月22日の秋分を経て、9月27日には、ご覧のように穂が色づいてきました。いよいよ実りの秋本番です。
9月27日 |
10月6日、稲刈りを待ち望むかのように、実った穂はしっかりと色づいています。2日後の10月8日は、二十四節気では「寒露」(かんろ)。野草に宿る冷たい露、という意味です。五穀を収穫する季節となったのです。
10月6日 |
今年は雨も多かったのですが、空気も澄んできて、ようやく秋晴れも多くなりました。夜の月は輝いていました。
話に聞くに、例年であればこの頃に稲刈りをして、脱穀精米の後、三蔵祭で「餅つき」をして実りを味わったようなのですが、今年はそれに間に合わなかったようなのです。
10月14~15日の三蔵祭もすでに終り、10月21日の朝、田んぼを見ると稲が刈られています。切り株が整然と並び、田んぼは土を見せています。稲刈りの労働の足跡が残っています。
10月21日 |
季節はめぐり、収穫を終えて、秋も深まっていきます。朝晩は冷え込み、朝霜がみられるようになります。二十四節気の「霜降」(そうこう)は2日後の23日です。日本列島の高い山では、先日来、初雪の便りが聞こえてきます。
「田んぼ歳時記」と題し、二十四節気と重ねながら、筆者は今年の冬から学内の田んぼの姿を写真で追いかけてきました。田んぼに関しては、実際になにも自分の体を動かすことがなく、定点カメラの目線しか持ち合わせていないのですが、そこから感じることがあるのです。それは、この時代にあっても、福山大学の耕し育てる教育の精神なのであります。
これを記して、田んぼが今年のひとつの役割を終えたように、「田んぼ歳時記」もこの第三回をもって終章となります。
学長から一言:10月21日の学長室ブログにも、稲刈りの様子がありますが。。。同じ稲刈りでも国語教員が綴るとこんなに文学的な歳時記に。。。脱帽!。。。でも「いつお餅になるの?」という私の疑問は未解決!