本日はこの4月から久冨泰資学科長の研究室に所属している豊村晃丞助手より報告です。
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はじめまして。生命工学部生物工学科で、本年度より助手をしている豊村です。
今回は、11月24日と25日に香川県高松市で開催された「第35回YEAST WORKSHOP」と、12月5日に福山市リム福山にて行われた「備後のおいしい話」(福山市・福山大学主催)に研究室の学生と参加したので、報告いたします。
「YEAST WORKSHOP」は、本年度で35回目を迎えた長い歴史のある酵母の研究会です。今回、私たちの研究室からは、3名の4年次生が以下の題で口頭発表およびポスター発表を行いました。
「酵母Kazachstania naganishiiにおいて生活環を支配する新規遺伝子の解析」
○横山ななみ、豊村晃丞、久冨泰資
「福山市のバラから分離した野生酵母の解析と製パン特性」
○大原怜美、豊村晃丞、久冨泰資
「福山市で分離したバラ酵母とブドウ酵母のワイン醸造への適応性」
○唐川瑞季、豊村晃丞、久冨泰資
研究会の様子 |
研究会後は香川名物うどんを食べました |
月が変わって12月5日には、福山市主催の「ものづくり大学」企画の一環として、「備後のおいしい話」というセミナーが開催され、研究室の学生と参加しました。平日の昼間の開催にもかかわらず、約80名の方が参加され、大盛況でした。セミナーでは、福山大学の生命栄養科学科から井ノ内教授と近藤助教が、生物工学科から久冨教授が講演を行いました。以下、簡単に紹介します。
井ノ内教授は、米粉を使った食品の紹介や米粉の特性について講演しました。米粉は、古くから団子や和菓子の原料などに使用されてきましたが、現在はお米の微細粒化技術の向上により、パンや麺などの食品に広く応用されるようになりました。独特のモチモチとした食感がありますが、小麦アレルギーの方への代替食品として受け入れられており、今後の発展が期待されています。
米粉食品のおいしい話 井ノ内教授 |
久冨教授からは、福山市のバラから分離した酵母を用いたパンとワインについてのお話でした。バラから分離される酵母は様々な特性をもっており、福山大学のブランディング推進のための研究事業「瀬戸内の里山・里海学」のひとつとして、発酵食品への活用も進んでいます。これまでに、バラ酵母パン(福山大学ブランド第一号)とさんぞうの赤ワイン(福山大学ブランド第二号)の開発・製造・販売に成功しており、これからも大きく展開していくことが期待されます。こちらの詳細な内容については、別の記事にも記載がありますので、そちも合わせてご覧ください。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2017/03/blog-post_44.html
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2017/06/blog-post_26.html
バラ酵母でパンとワインを! 久冨教授 |
近藤助教からは、従来の加熱によるジャムの製造法ではなく、高い圧力で作ったジャムについての講演がありました。高い圧力で押しつぶすことによって出来たジャムは、果実本来の味や香りを引き出すことが出来ます。しかし、ジャム特有のとろみがつきにくく、現在は柑橘類によるマーマレードで成功しており、今後は様々なフルーツでの応用を検討しているそうです。
フレッシュマーマレードの作り方 近藤助教 |
さて、2017年も終わりが近づき、我々の研究室にも新たに3年次生が配属されました。それと同時に、4年次生は卒業論文の追い込みになります。寒さがより一層増してきましたが、本学の4年次生はみなさんしっかりと体調管理をし、卒業論文を書き終えて卒業してほしいと思います。
卒業アルバム用写真撮影中の一枚 |
学長から一言:産学官民連携で研究が実用化の方向に進み、しかも学生の教育にもしっかり貢献して。。。さらにさらに、成果物は「飲めます、食べられます」というのは、すっごい強み!!!これからどんな発展を見せるか「お・た・の・し・み」