本日は生物工学科長の久冨泰資 教授より、近日発売予定の「さんぞうの赤」ワインについて詳しく報告します。
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前報では、本年3月初めに、福山バラの酵母で製造したパン(初の福山大学ブランド!)を発売したことをお伝えしました。
「福山バラ酵母のパン」初の福山大学ブランドを販売開始!!
福山大学生命工学部生物工学科の分子生物学研究室(久冨教授)では、産学官連携で、地域に眠る宝(野生酵母)を発掘して、ユニークな発酵食品の開発を行うプロジェクトを展開しています。
言うまでもなく、このプロジェクトの推進にあたっては、生物工学科が長年培ってきたバイオの研究力が十二分に活かされています。詳しくは、以下の学長室ブログをご覧下さい。
地域と世界をつなぐ研究~バラのパン!!
「福山バラの酵母」プロジェクトで学長室オフィスアワーを薔薇色に!
「福山バラの酵母」で子どもたちの科学リテラシーを育む!
さて、今回のレポートは、福山大学とせらワイナリーがコラボして生み出した福山大学ブランドワイン「さんぞうの赤」の開発と発売までの道程です。
「さんぞうの赤」は、世羅町で栽培されたマスカット・べーリーAという品種のブドウを材料にして、分子生物学研究室で分離・解析されたバラの酵母とブドウの酵母を用いて醸造したオリジナルな赤ワインです。
バラの酵母は、真紅の花が特徴のミスターリンカーンという福山市で栽培されたバラの品種から分離されました。また、ブドウの酵母は、沼隈町で無農薬栽培されたニューベリーA(マスカット・べーリーAを種なし処理したもの)というブドウの果実から分離されました。
ミスターリンカーン |
ニューベリーA |
ミスターリンカーンから分離したバラの酵母(リンカーン酵母)とニューベリーAから分離した3株のブドウの酵母(べリーA酵母)は、遺伝解析の結果から、いずれも発酵醸造によく使われるサッカロミセス・セレビシエという酵母の仲間であることが判明しました。
せらワイナリー・ウェルカムゲート |
酵母の調製 |
予備発酵 |
4株の酵母 |
さて、昨年の9月30日に、せらワイナリーにて10kLのタンクで仕込みを開始し、2週間ほど発酵させた若ワインを7ヶ月ほど熟成した後、いよいよ5月上旬に瓶詰め作業を行いました。
本発酵タンク |
品質チェックのために、随時テイスティングを行って、とても香りの高い味わいの優れたワインに仕上がりました。「さんぞうの赤」の完成です!!
さんぞうの赤 |
福山大学ブランドワインのラベル作成に当たっては学内コンペを行い、工学部建築学科の酒井助教のデザインが最優秀賞に輝きました。その様子は、以前の学長室ブログでも紹介されています。酒井助教には、あらためてお礼を申し上げます。
福山大学ワインのラベル(エチケット)デザイン 決定!!
ワインラベルの表と裏 |
その後、福山大学提供分を除いた「さんぞうの赤」は、一般向けに販売を開始します。市場への流通は、平成29年7月15日を予定しています。福山市内の酒屋さんでも販売されます。
経済リポート掲載記事 |
720mL入りフルボトルで、定価が1600円の予定です。福山市内のレストランでも提供されるでしょう。是非ともお楽しみに。
学長から一言:福山大学、福山市の赤バラ、沼隈町のニューベリーA、さんぞうの赤、世羅ワイナリーと、役者がそろいましたねッ!!!あとは、味わうだけ!!!