2014/04/04

「福山バラの酵母」で子どもたちの科学リテラシーを育む!

こんにちは。ブログスタッフの生物工学科 佐藤です。
今回も再び「福山バラの酵母」プロジェクトに関する杉原助手からの報告です。どぞ!

関連サイトは以下のようにたくさんあります。

学長室ブログ
地域と世界をつなぐ研究~バラのパン!!
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2013/12/blog-post_14.html

「福山バラの酵母」プロジェクトで学長室オフィスアワーを薔薇色に!
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2014/03/blog-post_5.html

生物工学科HP
各種新聞掲載
http://www.fukuyama-u.ac.jp/life/bio/hisatomi_barapan.html

FMふくやま出演
http://www.fukuyama-u.ac.jp/life/bio/fmfukuyama2014Feb.html

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これまでにも学長室ブログなどを通して、生物工学科の久冨研究室が推進している「福山バラの酵母」プロジェクトをいくつか紹介してきました。

今回は、このような情報をいち早くキャッチし、猛烈なアプローチをかけてこられた安芸高田市教育委員会の菊野社会教育指導員によって企画された子ども理科教室に関するお話しです。

安芸高田市では教育委員会が主体となって、子どもたちの科学リテラシー開拓のために、子ども理科教室を年に数回開催されています。今回私たちが担当した教室のテーマは、『発酵(ハッコウ)について学ぼう!〜バラの酵母でパンづくり〜』です。
理科教室のポスター
 平成26327()の昼過ぎ、福山大学 生物工学科の久冨研究室のスタッフら(久冨泰資教授、杉原千紗助手、生物工学科3年生の岩村弥永子さんと吉川成美さん)は、安芸高田市民文化センター(クリスタルアージョ)に到着しました。とても立派な施設に私たちは驚きました。
 午後1時半に教室が始まりました。参加者は小学1年生〜5年生の子どもたち27名とその保護者が6名です。まず久冨教授から発酵(ハッコウ)について、身近な発酵食品の例を挙げてやさしく子どもたちに説明がありました。また、ここでしか出来ない実験をぜひやってみようということで・・・。久冨研究室の生物工学科4年生 花岡拓哉君が福山産のバラの花から分離したという野生の出芽酵母3種を用いてパン生地をつくり、それぞれがどのように膨らんでいくのかを調べる実験を行いました。子どもたちはみんな興味津々です。
アルコール発酵器の中にバラ酵母を入れます!
 パン生地の膨張を待つ合間に、発酵のお話と並行して色々な質問に答えるという形で授業が進められました。また、バラの花から分離した野生酵母を顕微鏡で実際に観察してもらうと共に、酵母によって炭酸ガスがどのくらい生じるのかを見て頂くために、培地の入ったアルコール発酵器の中にバラ酵母3種を入れて40℃に温め、上端に天然ゴムの手袋をつけました。子どもたちは、パンパンに膨らんだゴム手袋がとても気になったようで、みんなで代わる代わるさわっていました。
酵母による発酵で膨らんだゴム手袋の感触を楽しむ子どもたち
 発酵モードのレンジで膨らんだパン生地が焼き上がりました!3種の酵母で作ったパンを食べ比べてみると、それぞれが特徴のある焼き色や味わい、香りを呈しました。子どもたちだけでなく大人にとっても貴重な体験だったようです。
3種のバラ酵母を使ってパンが焼き上がりました!
 実験に使った3種の酵母のうち、パン生地の伸びが良く、香りの高いパンをつくり出す「アロマテラピー」というバラの花から取られた酵母で製造されたプレーンとレーズン入りの2種類の本格的なパンを、みなさんに召し上がって頂きました。
アロマテラピー由来のバラ酵母で製造されたパンたち
 試食された受講者の感想は・・・。

「こんなにしっとりとして味わいのあるパンは初めてです。」

「どこに行ったらこのパンを買うことができますか?」

「娘が毎朝このパンにしてもらえないかと言っています。」

などなど・・・大好評でした。

 お土産に、プレーンとレーズン入りパンのセットを皆さんにお配りしました。それぞれのご家庭でこのパンをついばみながら、今回の理科教室の話しで盛り上がったことでしょう。理科のリテラシーを向上させるには、このような身近なところから始めた方が意外と良く実感できるのかも知れません。午後4時過ぎには、大盛況のうちに教室が修了しました。
授業の様子:大学生アシスタントの岩村さんと吉川さん
 科学には思いもつかないことからさまざまな発見があります。その不思議さを楽しく伝えるととともに、人々の生活に役立てられている科学について、子どもたちは心から興味を覚えたようです。

 後片付けを終わって、安芸高田市教育委員会の菊野さんと森川さんからは、次のようなお言葉をいただきました。

「今回の教室では子どもたちが活き活きとしていました。」

「子どもたちも保護者の方々も大満足でした。」

「身近な体験を通して、子どもたちの科学リテラシーが育てられました。」

「次の機会には、大人の科学リテラシーもぜひ開拓してください。」
帰りの車中では、スタッフらの達成感に満たされた談笑が絶えませんでした。


学長から一言:こんな理科教室は、私が子どもの頃はありませんでした。。。この年でも、興味津々!!!