2017/10/02

オランダ・マーストリヒト大学の客員研究員、心理学科 平教授の下で3ヶ月の研究を終え帰国!

こんにちは。学長室ブログメンバー、心理学科宮崎です。

犯罪心理学研究室客員研究員のRobin Ortheyさんが、3ヶ月間の共同研究ミーティングや研修などを終え10月4日に帰国します。

本日は、Robinさんの受け入れ教員の平教授より、Robinさんの日本での活躍を振り返ってもらいました。

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人間文化学部心理学科の平伸二です。私の犯罪心理学研究室に7月1日(土)から9月30日(土)までの3ヶ月間、オランダのマーストリヒト大学から客員研究員のRobin Orthey氏を受け入れることは、以前の学長室ブログでお知らせしました。

3ヶ月の研究期間を終えて帰国することになり、学長へ帰国の挨拶と期間中に実施したことの報告に行きました。その内容をご紹介いたします。なお、訪問は心理学科の宮崎講師の「平成29年度 優秀論文賞」(日本心理学会)の報告に同席する形で行いました。

Robinの第一印象は、礼儀正しい好青年というものでした。この印象は全く変わらず、私もホームステイ先のホストファミリーも、最高のゲストを迎えたと喜んでいます。来週から、私もホストファミリーも、Robinロスに悩まされそうです。

ところで、3ヶ月の研究成果ですが、私の科研費の研究(平成29・30・31年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金(基盤研究(C)))「国際テロ及び組織犯罪の未然防止に向けた事象関連電位による探索型情報検出の確立」(研究代表者:平伸二、課題番号17K04475)))に実験協力者として参加して、主に実験後の解析を担当します。現在、実験は継続中であり、帰国後にメールでまとめ、来年の国際学会で連名発表して論文化する予定です。また、新たに視線による虚偽検出の研究も開始することとなり、その実験プログラムの開発も着手し、帰国後にマーストリヒト大学の装置との互換性も図れるように仕上げます。このプロジェクトには、イスラエルの研究者も参加する予定です。

大きなイベントとしては、8月26日(土)・27日(日)に福山大学で開催した、ポリグラフ検査の研究会があります。この研究会には、広島修道大学・慶應義塾大学の研究者、広島県・兵庫県・静岡県(平研究室のOG)の科学捜査研究所のポリグラフ検査者も参加しました。その他、犯罪心理学研究室のメンバーに加え、遥かイギリスのスターリング大学からDr. Ailsa E. Millenも参加しました。私の科研費で主催した研究会でしたが、Robinはプログラム作成から研究会の進行、そして、終了後に報告書の編集を手伝ってくれました。この報告書は印刷して、Robinから松田学長へ報告とともに謹呈いたしました。

松田学長への3ヶ月の成果報告とCIT研究会報告書の説明

なお、プログラムと報告書は、平研究室のホームページで公開していますのでご参照下さい。

  1. Program of CIT meeting in Fukuyama 2017
  2. Report of CIT meeting in Fukuyama 2017

また、関西学院大学の応用心理学科学センターから招へいされて、8月1日(火)はCAPS研究会で研究に関する講演、8月2日(水)には学部生及び院生対象にヨーロッパでの大学院生の研究生活を紹介するワークショップで話題提供しました。その後、関西学院大学の実験室を見学するとともに、来年6月の博士号取得後に日本学術振興会による「外国人研究者招へい事業(外国人特別研究員)」申請に当たり、受け入れ可能性についても議論しました。

Robinのもう一つの目的であった、警察のポリグラフ検査者及び研究者と交流を深め、将来の共同研究の礎を作るため、兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所への訪問、警察庁科学警察研究所(千葉県柏市)へも訪問を果たしました。さらに、日本犯罪心理学会(9月1日-3日;國學院大學)、日本心理学会(9月20日-22日)にも参加して、大学の研究者及び警察関係の研究者と大いに交流を深めました。この人脈が、Robinにも日本の研究者にも将来の研究発展に繋がることを私は期待しています。

もちろん、週末や学会参加の前後を利用して、日本文化に触れる旅にも積極的に出かけ、近郊では福山城、鞆の浦、大久野島、宮島、尾道、遠方では東京、大阪、京都、福岡と足を伸ばしました。さらに、盆踊り、花火大会、そうめん流しなどの地域でのイベント、浴衣や鎧・甲の試着など、多くのことにもトライしました。その結果、日本が大好きになり再度研究者として来日する動機づけも高めたようです。

最後に、ゼミに参加してくれたRobinのために、セミ生がFarewell Partyを開いてくれました。チーズフォンデュとチョコフォンデュで別れを惜しみ、その後にみんなで記念撮影を行いました。

セミ生とのお別れ会後の記念撮影

Robinが再び日本を訪れることと、彼の研究の発展を心から祈りたいと思います。

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学長から一言:わずか3ヶ月で、なんと盛りだくさんな!!!Robin君はまったく疲れも見せず、最後まで涼やかな顔に端正なたたずまいでしたねッ!次の来日の時は、本格的に腰を据えての研究になることを期待していま~す!!!