今回は、前福山市長の羽田皓先生(現 公益財団法人ふくやま芸術文化振興財団理事長)を講師にお招きし、「未来をつくる自治体経営」と題し、ご講演を賜りました。
羽田皓先生
羽田皓先生は、福山市役所で1968年から2004年まで要職を歴任され、その後、2004年9月から2016年9月まで3期12年にわたり福山市長を務められました。
今回のご講演では、永年にわたり福山市の行政に携わってこられた豊富なご経験を基に、自治体経営の在り方、そしてその未来展望について語られました。
印象的だったのは、「市は最大のサービス産業」であるという言葉でした。そのためには「ゆりかごから墓場まで」を市民が安心して暮らせるよう、持続性のある行政が求められ、それを実現するには「財政の健全性」が不可欠であるとのことでした。なお、全国に40数市ある中核市のなかで、福山市の財政の健全性は最上位に位置しているそうです。
羽田先生は、福山市の将来発展にいかに貢献できるかを見極め、行政・経済・地域において持続可能な運営を常に心掛けてこられたそうです。持続性のある行政運営を成功させるには市民(住民自治)との連携なくしては成し遂げられないとの考えから、「協働のまちづくり」を推進してこられました。その成功例として、市民が一丸となって約60年の歳月をかけてめざしてきた「100万本のばらのまち福山」を、市制施行100周年を迎えた2016年に実現したことが挙げられました。(ギネス世界記録)
これからの福山市の在り方としては、「確かなもの」と「不確かなもの」のなかから「確かなもの」を見極め、計画立てて行政に取り組むことが不可欠であり、その上で、市民目線に立ち地域の実態に応じた規制改革(緩和)、コンパクトシティ化による地域住民の満足度アップ、人口減少に伴う公共施設の再編や出生率向上の施策、市や県を越えた行政間の広域連携など、「創造と飛躍」をしていかなければならないことが提唱されました。
そして未来に向けては、市民一人一人が心豊かに暮らせる行政を目指し、住民がその豊かさを実感できる施策を打ち出していくことが福山市行政の役割であるとの言葉で締めくくられました。
今回の講演は、これからの福山市の発展に大きな期待を抱くとともに、福山大学の教職員としても福山市発展のために一層の貢献をしていきたいと再認識した内容でした。羽田先生、ありがとうございました。
学長から一言:羽田先生、学生へのメッセージをありがとうございました。。。「地域の中核となる幅広い職業人の育成」をミッションとしている本学にピッタリのご講演でした。。。先をしっかり予見して、政策を立てられてこられたお話は、学長としてもとても参考になりました!!!