2017/03/18

「福山バラ酵母のパン」初の福山大学ブランドを販売開始!!

こんにちは。学長室ブログメンバー、生物工学科・ワイン醸造所長の吉﨑です。
本日は生物工学科長の久冨泰資教授より、「福山バラの酵母プロジェクト」について最新の情報を報告します。

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「福山バラの酵母プロジェクト」については、これまでにも、学長室ブログで数回紹介させてもらっています。

地域と世界をつなぐ研究~バラのパン!!
「福山バラの酵母」プロジェクトで学長室オフィスアワーを薔薇色に!
「福山バラの酵母」で子どもたちの科学リテラシーを育む!

今回は、その後の展開について報告します。生物工学科の久冨研究室では、これまでに、福山で栽培された 50 品種のバラから合計 1,305 株の野生酵母を分離して、それらの遺伝解析や発酵性試験を行ってきました。

その結果、パン作りに適した 8 株のバラ酵母を選別することに成功しています。その中でも、アロマテラピーというバラの品種からとられたアロマ酵母を使うと、柔らかくてもちもち感があり甘みがある独特のパンを作り出せることがわかりました。このパンを試食していただいたモニターの方々からは大好評を得ています。
このアロマ酵母は、遺伝解析の結果から、Torulaspora delbrueckii という種の酵母であることがわかっており、ヨーロッパではパンやワイン作りにも使われている酵母の仲間です。

私たちは、福山市内の 4 軒のパン屋さんにお願いして、アロマ酵母を使ったいろいろな種類のパンを試作してもらい、一般の方々に試食していただきました。

本年 2 月初めに東京ビッグサイトで行われた第 83 回東京インターナショナルギフトショーでは、アロマ酵母のパンは大好評を得ました。このギフトショーについてのブログは、近々、吉崎講師がレポートする予定です。お楽しみに。

そこで、私たちは、福山大学初のブランド品を世に送り出すべく、本学社会連携センターなどの協力を得て、バラ酵母をパン作りに活かすために、「成果有体物提供」の規約を作ってもらい、製造と販売の許可を正式に大学から得ました。また、パンの販売にあたっては、福山大学のロゴの使用も認められました。

満を持して、福山バラ酵母パンの製造販売の日程と場所が決まりました。平成 29 年 3 月 5 日(日)、とおり町のコミュニティーハウス・アンブレラです。

アンブレラ前の販売台に、午前 10 時過ぎには、4 社のパン屋さん(ベーグルツリー、マルクパージュ、ぽちのパン、ぬまくま夢工房)にお願いして製造していただいた「福山バラ酵母パン」がずらりと並べられました。

午前 11 時に販売開始ということを聞きつけた多くのパン愛好家が駆けつけ、午前 10 時半頃には、既に 30 名ほどが並んでおられました。


何せ、限定 200 個の製造販売ですから、お一人あたりの販売数も限定させていただきました。午前 11 時の販売開始の合図とともに、瞬く間に、バラ酵母パンは売り切れ続出。

若い女性の方、子ども連れのご家族、皆さん、すぐさま、店の周りに準備されたテーブルに着いて、バラ酵母パンを食しておられました。

 「柔らかく、もちもち感がある!」
 「ほんのりした焼き色がきれい!」
 「口の中で甘い味わいが広がる!」
 「初めての食感ですごく美味しい!」などなど


当日は、NHKや朝日新聞など報道の方も多く駆けつけ、販売の様子やパンを食べられた方の感想などをこまめに取材していました。


翌日の朝日新聞には、パンを美味しそうにほおばる女児の写真が大きく掲載されていました。NHK広島放送局では、福山バラ酵母の発見秘話からパンの製造・販売までをストーリー化した番組も放映され、多くの方から励ましのお言葉をいただきました。

今後、バラ酵母パンの製造・販売は、数ヶ月おきにコミュニティーハウス・アンブレラにて行う予定です。次回は福山ばら祭のシーズンである平成 29 年 5 月 21 日(日)です。この日は、なんと、バラ酵母パンに加えて、バラ酵母で醸造したワイン(せらワイナリーとコラボ)も提供させてもらう予定です。

福山バラ酵母を使ったワインの醸造と市販化については、次報でレポートいたします。どうぞお楽しみに。



学長から一言:読んだだけで、口の中に唾液がじんわ~り。。。おいしそうですね~。。。食べたいな~~