2017/06/03

心理学科 “かわいい” 新人メンバー!?の紹介

こんにちは。心理学科宮崎です。

心理学科に新しいメンバーがやってきました!
といっても新任教員ではありません 。
(昨年度の新任教員記事「記事1」「記事2」「記事3」もあわせてどうぞ)




このぬいぐるみは,心理学基礎系科目の中でも,”お堅い&難しい&大変な"ことで有名な「心理学実験実習」という授業で教材として登場します。

「心理学実験実習」は,大学によって科目名称は様々ですが,こんな Twitter bot アカウント があるくらい全国の心理学徒を苦しめ続けている (ただし乗り越えたものに目覚ましい成長をもたらす) 科目です。

そんな「心理学実験実習」で,このぬいぐるみがどのように使われるのでしょうか・・・?? 実際の授業風景をお見せしながら,紹介したいと思います。

学生は「小さなぬいぐるみ」と「大きなぬいぐるみ」を持ちくらべ,どちらのぬいぐるみの方が「重い」かを判断します。

みなさんも想像してみてください。
この2つのぬいぐるみを持ち比べたときに,どちらの方が「重い」と感じると思いますか?

結構おおきなぬいぐるみです
持ちくらべています

きっと「大きなぬいぐるみの方が重いんじゃないか?」と思ったのではないでしょうか?

しかし,実際に持ち比べると,多くの人が「小さなぬいぐるみの方が重い!」と判断します。当日の授業では18人中17人の学生が「小さなぬいぐるみの方が重い」と判断しました。

実は,小さなぬいぐるみのお腹の中には,砂袋がギッシリとつめられているのです。

おもて
うら

「へーそうなんだ。でも,小さなぬいぐるみを重くしているんだから,小さなぬいぐるみが重く感じられて当たり前じゃないの?? 」・・・そう思われました?

ところが,両方のぬいぐるみは,同じ重さとなるように調節してあります。
つまり,これは,同じ重さであるのに「小さなぬいぐるみの方が重い」と感じてしまう錯覚なのです。

この錯覚を「大きさ重さ錯覚」といいます。
面白いことに,同じ重さであることを事前に理解していても,それでもやっぱり「小さなぬいぐるみの方が重い」と感じてしまいます。

体重計で
重さを量ってみました

同じ重さであるのに,どうして「小さなぬいぐるみ」を重く感じてしまうのでしょうか? 研究者によって様々な仮説が提案されていますが,その中のひとつを紹介しましょう。

私たちは,日常生活で小さな物体にくらべ,大きな物体の方が重いという経験を何度も繰り返しています。この経験がもととなり「小さなぬいぐるみ」と「大きなぬいぐるみ」を持ち比べるときに,「大きなぬいぐるみ」を持ちあげるときの方が無自覚に力を加えて持ちあげてしまいます。


大きさは異なるものの,この2つのぬいぐるみは同じ重さに調節してあります。
「小さなぬいぐるみ」は力を入れずに持ちあげたことで重く感じ,「大きなぬいぐるみ」は力を入れて持ちあげたことで軽く感じます。これが「大きさ重さ錯覚」が生じる理由であると言われています。


専門的な詳しい説明は『体と手がつくる知覚世界』にもあります。昨年,イグ・ノーベル賞を受賞した立命館大学総合心理学部の東山先生のご著書です。イグ・ノーベル賞の対象となった「股のぞきの研究」も紹介されていますよ!


さて,ちょっと後半の説明が難しかったでしょうか・・・??
説明があまりよく分からなかったという方は「7月1日 (土) のオープンキャンパス」にご参加ください。お申込はこちらからです。

このぬいぐるみも心理学科のイベントに登場します。ぜひ「大きさ重さ錯覚」を体験しに&説明を聞きにご来場ください!

他にもイベント盛りだくさんです。
スタッフ一同,お待ちしております!

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学長から一言:めちゃかわいい熊ちゃんですねッ!!!それにしても。。。心理学の達人(?)になると、熊ちゃんからオープンキャンパスに誘導しちゃうんですねッ!!!私も、心理学が専門の学長としては、高校生をうまくオープンキャンパスに誘導しないと?!?