少し間が空いてしまいましたが、平成28年9月14~16日(水~金)に本学生命工学部長井ノ内直良教授を実行委員長とした日本応用糖質科学会平成28年度大会が開催されました。場所は福山駅前の宮地茂記念館と広島県民文化センターふくやま(エストパルク)です。本大会のご当地シンポジウムで「福山六次産業化への取組み」と題して講演を行いましたので報告します。
その前に、日本応用糖質科学会について簡単に紹介します。実は福山大学で本大会が開かれるのは今回で3回目です。本学で初めての開催となった平成5年度大会では、本学生命栄養科学科の前身である食品工学科の初代学科長 故・不破英次 教授が実行委員長をされました。2回目となった平成13年度大会では同食品工学科の故・小巻利章 教授が実行委員長でした。お二方とも同学会60余年の歴史の中で9人しか授与されていない「二国賞」を受賞されています。このように福山大学と非常に縁の深い学会です。
福山の特色と福山大学について語る山本教授 |
さて、今回の学会で企画されたご当地シンポジウムでは、私たち生物工学科で進めている福山大学ワインプロジェクトを核にした様々な取組を紹介するということで、学長補佐の山本覚教授、生物工学科長の久冨泰資教授、福山大学ワイン醸造所長の吉﨑隆之講師(私)が順番に話をさせていただきました。
福山で分離されたユニークな酵母について語る久冨教授 |
山本教授からは福山の歴史と特色を活かした地域活性化に本学としてどのように貢献できるかといった話を、久冨教授からは地域の特産品から分離した特色のある酵母の製パンやワイン醸造への応用について、私からは生物工学科の教育プログラムとしてワイン醸造をどのように取り入れたかという話をしました。
ワイン醸造と教育について語る吉﨑講師 |
後から聞いたところでは、「非常にユニークな取り組みで良い話を聞けた」と複数の方がおっしゃったとのこと、まずまずの評判だったようです。まだ始めて3年目の取り組みで、成果が出るのはもう少し先のことになると思いますが、責任の重さを痛感しております。
また、2日目の夜には福山ニューキャッスルホテルで懇親会が行われました。今回、福山大学を会場に開催されたといういことで、松田文子学長より挨拶がありました。福山という都市と福山大学の良さを是非、全国の皆様に知ってもらいたい旨が語られました。
井ノ内教授からも大会実行委員長として挨拶がありました。上述の福山大学と日本応用糖質科学会との深い関わりや、過去2回の大会の時にはまだなかった宮地茂記念館会場について、近くて便利がよく、一般講演の会場としても好評だったことなどが語られました。
この懇親会では福山大学ワインの提供も行い、ワイン醸造所長として私が簡単に紹介しました。日本応用糖質科学会はデンプンや糖、およびその関連領域が研究対象ですが、糖質はアルコール発酵でお酒になる訳ですから、お酒とも関係が深い学問領域です。当然、お酒に一家言ある先生が多く、どのような感想が出るか内心ハラハラしておりました。しかしながら皆さんから「“赤ワインは”美味しいですね」と上々の評価をいただきました(白ワインも出したのですけれど・・・笑)。
日本応用糖質科学会、福山大学で4回目の開催となる日は来るでしょうか? 来るとしたら生物工学科も40周年、50周年を迎えていることでしょう。その時には、糖質科学とワイン科学の複合領域で興味深い研究成果を発表できるようにしたいですね。
学長から一言:この由緒ある学会の懇親会で挨拶をさせていただきました。。。本学が引き受けた1回目は、滅多に福山市には来ない台風の直撃でとても大変だったそうで。。。2回目を引き受けたときは9.11の直後で、学会はその話題で持ちきり。。。今回の3回目はカープのリーグ優勝で、街は真っ赤。。。