2017年9月4日(月)~7日(木)に大阪工業大学梅田キャンパスで開催されたヒューマンインタフェースシンポジウム2017で,工学部情報工学科の学生および大学院工学研究科情報処理工学専攻の学生が研究発表をしてきました.その時の報告が中道准教授より届きました.
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1999年より毎年開催されているヒューマンインタフェース学会によるシンポジウム「ヒューマンインタフェースシンポジウム2017」は,ヒューマンインタフェースを中心とする様々な学術分野の研究者および実務者が一堂に会し,最新の技術や情報について意見交換し議論する場です.本分野に関する研究とその成果に対して社会から高い関心が寄せられており,毎回200を超える研究発表が集まっています.
そんな大規模なシンポジウムにて情報工学科の学生と大学院の情報処理工学専攻の学生たちが,日ごろの研究成果を発表してきたので紹介します.
情報工学科4年の神原さんは「視線を考慮したルーブリックによる処方監査能力評価」について研究発表を行いました.これは処方するお薬の薬剤師さんによるチェック能力を,どうにか数値であらわすことができないか,ということを薬学部とともにおこなっている研究です.薬剤師の視線の動きを分析してルーブリックを作成している点に新規性があり,教育関係者の注目を集めていました.
情報工学科4年の神原さんによる研究説明の様子
情報処理工学専攻1年の川野さんは「ペアテスィング支援ツールの提案と避難行動実験への適用」について研究発表を行いました.これは避難している参加者の”迷い”を記録する際に、被験者と評価者の二人一組のペアで実験することでより正確な迷いの地点と時間が記録可能となる実験手法の提案です.文部科学省から委託を受けた「学校施設の防災力強化プロジェクト」のなかで川野さんが中心となっておこなった避難行動記録実験の成果でもあります.
情報処理工学専攻1年の川野さんによる研究説明の様子
情報処理工学専攻2年の天早さんは「アイコン変化によるフィードバックが得やすい非接触操作の比較」について研究発表を行いました.大画面を非接触で遠隔から手で操作する,仮想的なタッチパネルの開発を進めてきました.今回は実際にタップ操作を体験していただき,どのような操作で優位性を発揮できるか比較していただきました.最近は,車業界をはじめ多くの企業に興味を持っていただいています.
情報処理工学専攻2年の天早さん,研究説明の様子
情報処理工学専攻2年の杉原さんは「立位・座位におけるポインティングジェスチャーの相違度分析」について研究発表を行いました.これは指差しするときの動作が姿勢によってどのように変化するかを分析した研究です.つまりより使いやすいヒューマンインタフェースを実現するためには,個人ごとに少し調整する必要があることを明らかにしました.こちらは,もう研究というより製品化の要望をいただくことのほうが多いかもしれません.
情報処理工学専攻2年の杉原さん,研究説明の様子
以上のようなすばらしい研究発表が実施できたのも,がんばって朝から夜遅くまで研究に取り組んだ努力が実った結果でしょう.
研究エリアでがんばっていた7月
発表後には、ささやかながら鴨なべと天ぷらのお店でちょっとした打ち上げを行いました.
ささやかな打ち上げの様子
デモ発表では,研究者の方だけでなく企業の方々も多く参加されており,率直な意見をいただけました.特に企業の方々からは共同研究や製品化のお話をいただくなど,今後の発展が非常に楽しみです.
学生の皆さん,お疲れさまでした.
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以上、中道准教授からの報告でした。
学長から一言:とても興味深い、そして指導教員が1人とは思えない、バラエティーに富んだ発表の数々。。。きっと、文系の素人には見えない背後に、共通したものがあるのでしょうね。。。発展を期待していま~す!!!