生物工学科のユニークなカリキュラムの1つとして、「福山大学ワインプロジェクト」の中心的なカリキュラムである“果樹栽培加工実習”を以前に紹介しました。今回はこのような取り組みのベースにもなった、1年次生の”植物栽培実習”を紹介したいと思います。
生物工学科に植物栽培実習が取り入れられたのは今からおよそ10年前とのこと。なぜこのような授業が設けられたかというと、当時ある講義で学生に鳥の絵を描いてもらったところ、何人かのそれには“足が4本”描かれていた(!)ことが発端でした。
ガイダンスでは鍬(くわ)や鋤(すき)の違いなども説明 |
統計解析に必要な知識なども教えます |
植物栽培実習は入学後最初に行う授業の1つですから、この共同作業がクラスで打ち解けるのにも一役買っています。アクティブ・ラーニングにより、栽培方法は学生たちが自ら調べながら実践します。教員は聞かれたら答えますが、こちらから細かいことまで指導しません。
植栽が終わったら、しばらくの間授業はありません。水やりや観察当番を決め、グループごとに責任をもって栽培を続けます。天候や学生たちの熱心さにも左右されますが、今年は特に立派なものができました。一例を載せておきます。
収穫したら、報告会が開かれます。グループごとに考えた実験の目的、試験方法、結果などを報告します。今年は「根粒菌による窒素固定を期待して、マメ科植物を交互に植えることで化学肥料を少なくできるか?」なんて生物工学科らしい研究もありました。内容は玉石混交ですが、まず自分たちで考え、それを実践して確かめることに意味があります。
以上が生物工学科に入学して半年、さっそく経験する授業です。着眼点や解析方法など、正直まだまだなので歯がゆいこともありますが、そこはこの後の4年間でしっかり身につけてもらいたいところです。
なおこの授業は通年で、後期はサツマイモの収穫が予定されています。こちらは実験は盛り込まず、単純に実りの秋を楽しんでもらっています。ただ比較的簡単なサツマイモ栽培ですが、昨年は初めて大凶作を経験しました。今年は上手く出来ていると良いですが・・・。
収穫を待つばかりのサツマイモ |
学長から一言:なるほど・・・スマホやバーチャルリアリティの世界から、ちょっと抜け出て、身近な生身の植物に触れたり栽培するところから、生物工学科の授業は始まるのですねッ!納得!!!