工学部の学科横断型教育「みらい工学プロジェクト」において、情報工学科では三つのプロジェクトを受け持っています。今回はその内の一つの「UX (User eXperience)デザイン」プロジェクトの続報として、担当の中道准教授から最終グループ発表の報告を頂きましたので、以下にお伝えします!
************
************
前報では、高校3年の受験生の仮想ユーザーであるペルソナを作り、発表を行いました。詳細は、前報のリンク先を参照してください。
今回は、前回作成したペルソナ(仮想ユーザー)に対して、受験を意識したところから受験手続までのストーリーを作成し、ストーリーに沿ってホームページの改善案をプロトタイプとして提案してもらいました。
ストーリーは、大学の情報を収集しに大学HPを訪れる、受験資料をHP上で取り寄せる、大学内のHPをこんな目的でこんなページを訪れる、推薦入試日程のスケジュールを調べる、オープンキャンパスの日程を調べる、オープンキャンパスに参加するなどといった具体的なイベントから構成され、学生が独自に作成しました。
そのストーリーを基に、実際にスマートフォンを利用して大学HPを訪れて、気づいたことなどを基に改善案を作成し、プロトタイプと言われる改善見本を作成してもらいました。
それでは、実際の学生のグループ発表風景と共に、改善案を紹介していきたいと思います!
まずは,Aグループです。
ペルソナは、新井輝夜(あらいかぐや、仮名)さんで福山市在住、AO入試です。
大学のTopページの「受験生のコンテンツ」に受験案内を追加した方がいいという改善案が出されました。どのグループからもTopページに受験案内のリンクを貼った方いいという意見が出ていました。そもそも入試・入学情報のページはありますが、「受験案内」というのはHP内になく。。。受験を考えている高校生の方々には「受験案内」というキーワードが非常に直感的ですね!!
写真1.Aグループ
また、受験生の方向け情報も、最初はまとめておき、クリックしたときに情報が下に出てくるようにした方が良いという改善案が出て来ました。確かにスマートフォンだと表示できる情報には限りがあるので、見たい情報がページの下の方にあるときは、かなりスクロールをしないといけなくなり大変ですね。スマートフォンでの利用ならではの改善案ですね!
他には、オープンキャンパスのページが現状スマートフォンには対応できていないため、カレンダー型の日程表にして、興味のあるイベントの日程をクリックすることで詳細が見れるようになると良いのではないかとの改善案も出ました。
続いて,Bグループです。
ペルソナは、田中晋蔵(たなかしんぞう、仮名)さんで尾道市在住、推薦入試です。
こちらのグループでも、TOPページの「受験生のコンテンツ」を整理した方がよいとの改善案が出ていました。今ある受験生のコンテンツを「オープンキャンパス、入試・入学情報、資料請求、学生生活、福山大学の情報公開、Q&A」に変更するというものでした。
写真2.Bグループ
また、こちらのグループだけでなく他のグループでも改善案として提案されていましたが、入試スケジュールをカレンダーにするという案が出ていました。入試日程の全体をイメージしやすい方法で呈示するということが、受験生にとっては重要なのかもしれません。
他には、各種入試のリンクにそれぞれの入試の特徴を記述すると高校生にはわかりやすいとのことでした。さらには、合否の確認方法として,通常は合格者が表で一覧になっていますが、受験番号を入力し確認を押すと合否が表示されるものへの改善が提案されました。
続いて,Cグループです。
ペルソナは、菊池陽菜(きくちひなた、仮名)さんで広島市在住、一般入試A日程です。
写真3.Cグループ
他のグループで出ているTopページへの受験案内やスケジュールを表やカレンダーで示すという改善案以外に、受験案内のページに入試情報(入試スケジュール,各入試の案内,募集人員),オープンキャンパス,入学金などの情報をわかりやすく載せたらよいとの改善案が出ました。
最後に,Dグループです。
ペルソナは、浅野裕也(あさのゆうや、仮名)さんで岡山県津山市在住、センター利用入試です。
写真4.Dグループ
こちらのグループでも、他のグループ同様に,Topページにおいてスマートフォンで入試情報がわかりやすいようにした方がよいとのことで、入試情報に限定した新着情報を、通常の新着情報とは別にわかりやすいように設けた方がよいのではないかという改善案が出されました。
学生のみなさんお疲れさまでした! 来年度も別の視点からUXデザインに基づく大学ホームページ改善をこの授業で行っていきたいと思います!
*************
学長から一言:学生の皆さん、ありがとうございました!!!問題解決型の授業の中で、UXデザインの実際を学びながらかつ大学に有用な提言をするという、素敵な実践でした!!!次は、これを生かす側の力量が問われますねッ!