人間文化学部長の平伸二教授から、4月16日に行われた福山大学新入生対象の「地域安全マップふくやまセミナー」についての開催報告です。
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人間文化学部心理学科の平です。4月になって犯罪心理学研究室のメンバーも変わり、安全・安心まちづくりのための研究や活動が新たにスタートしました。その第一弾として、ゼミ生が新入生を対象とした「地域安全マップふくやまセミナー」を開催しましたので報告します。
地域安全マップは、子ども達が自分自身でフィールドワークをしながら、危険な場所と安全な場所を見分けるポイントを学習し、犯罪からの危険回避能力を身につける取り組みです。その指導を行うのは、PACE(ペース)福山支部という犯罪心理学研究室のゼミ生を中心とした団体です。
PACE福山支部の活動は、2005年から継続していて、昨年度も16の小学校で約1,000名の児童を指導しています。大学生による団体が、10年以上も活動を継続している例はとても珍しく、2014年には内閣府特命大臣表彰を受賞しています。
この継続の大きな理由は、先輩が後輩を育成するシステムが出来上がっていることです。PACE福山支部では、毎年、4月中旬に新入生対象のセミナーを宮地茂記念館で行っています。
今年は、4月16日(土)の午後1時から午後4時の日程で、1年生18名、2年生4名を対象に実施しました。当日は、学生主体で活動が継続している秘訣を知るため、広島県環境県民局県民活動課地域安全グループ、岡山県県民生活部くらし安全安心課、福山市市民局青少年課から9名の視察があり、それぞれの代表者には来賓として、参加した大学生への激励の言葉をいただきました。
村上代表司会による開会式と来賓挨拶
開会式と来賓挨拶の後、PACE福山支部の村上爵優代表(4年生)が、地域安全マップを支える理論を講義形式で教えました。
村上代表によるフィールドワーク前の講義風景
講義終了後、参加者を5~6名ずつの4班に分け、宮地茂記念館周辺の割り当て地域を、PACE福山支部の先輩とともに約40分のフィールドワークに出かけました。講義で習った危険な場所のキーワードである、地域の人から「見えにくい」場所と誰でもが「入りやすい」場所を点検して歩き、手元のマップ上に印をしたり、その場所を写真撮影したりします。そして、「なぜ」その場所が危険か、あるいは、安全かを班員同士で確認します。
先輩の指導によるフィールドワーク風景
フィールドワークから戻ると、白紙の模造紙にマジック、色紙、写真などを使って、調査結果を地域安全マップとして仕上げていきます。フィールドワークとマップ作りを通して、講義で知った知識を体験学習するとともに、小学生への指導のポイントも先輩から伝授されます。但し、1回のセミナーでは十分ではないので、大学で何回も練習を繰り返し、初めは先輩のサポート役として指導者デビューをしていきます。
地域安全マップが完成したら、班毎にマップを掲げて、フィールドワークでわかったこと、マップ作りで工夫をしたこと、この調査からどのような改善が有効かなどを発表します。大勢の前で発表するのは緊張することですが、このように感情をともなった経験は長く記憶されます。でも、さすがは希望して参加した大学生だけあって、みんな恥ずかしがることもなく、しっかりと発言をしていました。
フィールドワーク後のマップ作製
完成した地域安全マップによる発表会
4つの班の発表会終了後、全体講評とアンケートを実施、最後は全員が一緒に記念撮影をして終了となりました。3月半ばから、学内でセミナーの練習をしたり、会場確保や参加者募集、県と市の安全を守る担当課への連絡など、PACE福山支部の3、4年生はしっかりと準備を整えてきました。アンケートからすべての参加者が、この活動を続けてみたいと答えてくれていました。こうして大学生による防犯ボランティアが、次の世代へと引き継がれていくものと思います。
参加者全員による集合写真
最後に、PACE福山支部は広島県共同募金会の「社会課題解決プロジェクト」の認定団体になっていますが、そのプロジェクトリーダーである青木七菜さん(4年生)の感想です。
人間文化学部心理学科 犯罪心理学研究室4年 青木七菜
PACE福山支部の青木です。今回、たくさんの後輩学生の参加があり、嬉しく思っています。参加者の中には、実際に小学生の時に地域安全マップ作製を行っていたり、以前から地域安全マップの活動を知っていたりと、興味を持ってくれている学生がいました。「フィールドワークなどすべて自分たちでやってみることで、子どもたちにどういう風に気づかせるかなどのやり方がわかっておもしろかった」、「意識して見ることの重要性などが分かった」という感想がありました。学生たちにとって貴重な時間になったのではないかと思います。今後、一緒に練習を重ねて、実際に小学校での活動にも参加してくれることを期待しています。
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学長から一言:ほとんど学生だけの力で、こうして地域の課題解決のプロジェクトが活発に続くというのは、すばらしいですねッ!!!アクティブ・ラーニングのモデルです。。。参加学生の皆さんの成長が楽しみ。。。そして、地域の子ども達や大人の人も、きっと期待していますよ!!!