2014年11月25日(火),国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された,「平成26年度社会貢献青少年表彰式」において,人間文化学部心理学科犯罪心理学研究室のPACE福山支部が内閣府表彰を受けました。授賞式に参加した学生3名が,学長室を訪問して受賞の経緯や授賞式の様子などを報告しました。その際の様子を,学長室に同行した顧問の平伸二教授に書いていただきました。
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犯罪心理学が専門でPACE福山支部の顧問をしている平です。PACE福山支部は2006年10月に発足した,大学生による子どもの安全を守るボランティア団体です。福山市近郊の小学校を対象として,「地域安全マップ」の指導を主に継続しており,現在までに100校以上の小学校へ出向いてきました。昨年度も15校に赴き,900名以上の児童を指導しています。このような9年にわたる永年の活動が評価され,内閣府特命担当大臣より「平成26年度社会貢献青少年表彰」を授与されました。
授賞式にはPACE福山代表の藤本悠未さん,副代表の池田翔太君,広島県共同募金会社会課題解決プロジェクトリーダーの近藤志保さんの3名が参加しました。授賞式は11月25日(火),国立オリンピック記念青少年総合センターで行われ,代表の藤本悠未さんが表彰状と記念品を受け取ってきました。当日は,全国から16の個人・団体が表彰され,午前11時からリハーサル,午後2時より表彰式が行われました。
会場はとても広く,国務大臣表彰ということでリハーサルから緊張感一杯だったようですが,普段から小学校や福山市の会議などで人前に立つことも多いせいか,後世に残るエピソード(?)を残すこともなく,無事に大役を務めたそうです。壇上に上がることが許されたのは藤本さんだけでしたが,表彰式後には記念撮影会場で参加した3名での写真も撮っていただいたようです。
表彰式後の3名での記念撮影(中央が藤本悠未さん)
表彰式の詳しい状況は,内閣府の下記のホームページに掲載される予定です。
http://www8.cao.go.jp/youth/ikusei.htm
表彰式の翌々日,これまでPACE福山支部の活動にご理解を頂いてきた,松田文子学長にご報告に行きました。松田学長も心理学科の教員ですが,学長に就任されてからは,なかなか学生達も話しをする機会がなく,3名の4年生にとっては東京での表彰式以上に緊張したようでした。しかし,「東京駅から代々木まで歩いて行こうか」と考えた珍道中エピソードなどを話すうちに打ち解け,これまでの活動,表彰式の様子,後輩の指導と引継ぎなどについて報告することができました。
学長室での和やかな報告の様子
藤本悠未さんは,PACE福山支部代表として,小学校で指導する際には,校長先生や学年担任との実施計画の調整,事前の小学校訪問でのミーティング,メンバーの割り当て,当日の進行などにリーダーシップを発揮してきました。小学校の授業の中で実施する活動ですから,大変な重圧があったということですが,先輩からの伝統を引き継げたこと,自分も含めてメンバーが成長できていることを感じているとのことでした。また,今回の受賞は心理学科1期生から続いてきた成果であり,指導をしてもらった先輩達への感謝の気持ちも述べていました。そして,卒業までに3年生の後輩にしっかりと引継ぎを行って,今後もこの活動が継続できるようにしていきたいとの抱負も述べていました。
池田翔太君は,副代表として藤本さんを支え,小学校での地域安全マップ指導以外の活動にも積極的に参加してきました。たとえば,「福山ばら祭」では,福山市市民局青少年課と共催で「安全・安心まちづくり」に関するブースを2年連続で企画・運営しました。さらに,昨年の夏には三次市の広島県立歴史民俗資料館で「お化け屋敷」を企画・制作・運営を行い,7,000名以上の入場者を集めました。これは,普段行っている地域安全マップの危険な場所の要素を「お化け屋敷」に取り入れたもので,テレビ・新聞にも何度も取り上げられました。PACE福山支部の活動は,小学校での指導のみならず,大勢の市民・県民が集まる公的なイベント参加など多岐にわたっており,このような楽しみも継続につながっているものと思います。
近藤志保さんは,広島県共同募金会の社会課題解決プロジェクトのリーダーとして,公募されるプロジェクトへの応募書類の作成,二次審査における面接審査への対応を務め,社会課題解決プロジェクトに採択されるとともに,今年の1月から3月の間には募金活動として,教育委員会,小学校,公民館,警察署などを訪問して約40万円を集めました(松田学長にもご支援を頂いています!)。これらは赤い羽根共同募金を通して支給され,PACE福山支部の年間活動費として支出しています。PACE福山支部の活動は,指導にかかる消耗品や機材,ユニフォーム,研修費,交通費など年間予算は毎年30万円を超えます。このような財政的基盤を持つことも継続には重要な要素です。そして,公的資金に応募する際には,活動目的,活動手段,実績,予算の適切性が審査されるため,そのプロセスでは社会人として有用な人材となる経験も養えると感じているそうです。
広島県共同募金会池谷公二郎理事長から認定を受けた時の近藤志保さん
3名がそれぞれ自分の担ってきたことを学長とお話しし,これからの活動,後輩への指導,社会人としての気構えも話して報告を終えました。最後に,「平成26年度社会貢献青少年表彰式」で受け取った賞状と副賞のクリスタル・オーナメントを持って,松田学長と記念撮影を行いました。
表彰状と副賞を持っての記念撮影です
(学長の私が持っているのは、学生からのお土産のお菓子で~す)
学長室訪問後,学内のお世話になった部署も周り,多くのお祝いの言葉も頂きました。また,これまでPACE福山支部を支えてくださった広島県県民活動課,広島県警察本部,福山市市民局青少年課,小学校関係者の皆さま,そして,一緒に活動してきた児童の皆さまに心より感謝する次第です。今後も「安全・安心なまちづくり」に貢献し,その先にある明るく豊かなまちづくりに貢献するように,成長していって欲しいと思います。
PACE福山支部の活動に関しては下記のURLでご覧ください。
学長から一言:資金をしっかり自分たちで獲得して、継続的に社会貢献活動を続け、それでもって自分たちもしっかり成長する、さらにそれが次の学生に引き継がれる。。。というすばらしい「学生による社会連携活動モデル」ですね! なかなか得られない賞の受賞、おめでとうございます!