2017/11/28

第7回サイエンスカフェ in М亭

こんにちは。学長室ブログメンバー、生物工学科・ワイン醸造所長の吉﨑です。
本日はプロジェクトM隊長として松永駅北口の活性化を進めている秦野琢之生物工学科教授より、サイエンスカフェの報告です。

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プロジェクトМのおっさん隊長です。去る11月15日(水)19:00から、М亭にてサイエンスカフェが開催されました・・その報告です。

今回で第7回目。講師は経済学部の中村和裕助教です。話のタイトルは「スペシャルオリンピックス柔道プログラムについて」、そしてサブタイトルは話題の中身が想像できそうな~知的障害のある人々にスポーツのトレーニングをする機会と競技会を提供したい~。

スペシャルオリンピックス(SO)とは、知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織です(SO日本の公式HP http://www.son.or.jp/ より)。

もともと柔道選手だった中村助教が、柔道家、プロ格闘技選手を経て、福山大学の教員に転じ、その過程の中でSOに、その中でも特に柔道プログラムにどのようにかかわっているかという話を具体例を多く示しながら熱く語ってもらいました。

まず最初におっさん隊長が中村助教の名前と所属を紹介し、そこからは中村助教自身に自己紹介をお願いしました。


近大福山高校の柔道部の頃からはじまり、大学選手権、全日本での活躍など、プロモーションビデオを流しながらのお話です。そして・・なぜプロの格闘家になったのか、またブームの時には3万人以上の観客に囲まれて・・いかに儲かったか・・などなど。最初は少し話しにくくしてましたけど、だんだん熱がこもってきました。

そして・・自身の体力的な問題や格闘技のブームが去ったことなどにより、次の道を模索するように・・・Мの学生さんたちはお菓子と飲み物の準備です。


片桐助教も来てくれ、学生さんたちと一緒に中村助教の話に聞き入っていました(・・みんな立っていますが、今回1階に準備した椅子が足りなかったのです。そのくらい予想より多くの参加者だったということです)。

中村助教は次のステップとして、柔道(武道)の楽しさや精神を若者に伝える道を選び、現在に至ったそうです。さていよいよ本題のSOについて・・まずSOという言葉を聞いたことのある人いますか?という問いに、1名の方が手をあげられました。一般参加者11名のうち1名・・そのくらい日本ではまだ知名度が低いそうです(・・海外では歴史も古く広くよく知られている活動だそうです)。


SOと普通のオリンピックとの違いは簡単に言うと、「オリンピックは勝者が褒められる、SOは勝者もそうでない者も同じように褒められる」ということだそうです。例えば中村助教が推進している柔道プログラムの場合、知的障害のレベルと身体能力・経験の有無などのレベルとがかなり細かく分けられていて、同レベルの2人が対戦するようにするそうで、基本的に勝ち負けはないに等しいというふうに、互いに理解したうえで対戦が組まれるそうです。ですから勝っても褒められ、負けても褒められるという具合だそうです。柔道をやることを通して、参加者(障害者も健常者も)が少しでも元気になれば・・そういう思いを込めた取り組みだと理解しました。

今回中村助教には、東尾道の施設や松永の道場をお借りして行われた取り組みについて、スライドを交えていろいろ語ってもらいました。参加者は熱心にメモを取りながら、時には大きくうなずきながら聞いていました。最後に今回の取り組みに関するアンケート結果が紹介されました。読んでいると、様々な形で効果のあるプログラムだなあ・・ということがよくわかりました。


残念なことにまだまだSOについての一般の理解が乏しいので、これをもっともっと広く知ってもらい、少しでも多くの人に参加してもらいたいという中村助教の意思は参加した人たちに十分伝わったと思います。

講道館柔道の祖、喜納治五郎の教え「柔道とは己を作ることなり」を実践している中村助教の熱い思いに、参加者一同感銘を受けました。

そしてその後は、月例の定例会。年末から来年にかけての計画などについて話し合いを行いました。2月に手づくり市をみんなで一緒に開きます。多くの参加を期待しています。よろしくね。



学長から一言:プロジェクトМのおっさん隊長さん、報告ありがとうございました。。。中村助教もSOの伝道師としてがんばっていますが、しっかり科学的裏付けを得るべく、研究もしており、これからの発展・活躍が楽しみ!!!私も、学長室ブログで初めてSOを中村助教から教わり、感銘を受けています!