2017/11/18

生物工学科4年生が「日本ブドウ・ワイン学会」で研究成果を発表!

こんにちは。学長室ブログメンバー、生物工学科・ワイン醸造所長の吉﨑です。
今年発売した「さんぞうの赤」ワインに使われた福大オリジナル酵母の研究について、日本ブドウ・ワイン学会で発表してきましたので、生物工学科長の久冨泰資教授より報告します。


福山大学ブランドの第2号である「さんぞうの赤」ワインに関しては、これまでも下記の学長室ブログなどでお伝えしてきました。

福山大学ブランド第二弾、「さんぞうの赤」ワインを発売へ!!
さんぞうの赤

生物工学科4年生の唐川瑞季さんは、「さんぞうの赤」の醸造に用いたバラ酵母1株(リンカーン酵母)とブドウ酵母3株(FGY10, FGY13, FGY18)に関して、ワイン醸造への適性について卒業研究を進めています。
4株の酵母

これまでに、これらの4株の酵母は、ワイン醸造に必須な亜硫酸に対して高い耐性を示しながら醸造を完遂すること、糖分をほぼ全てアルコールに転換すること、産生したアルコールに対して高い耐性を示すことなどを明らかにしています。このことから、これらの4株の酵母はワイン醸造に関して極めて高い適性を有していることがわかりました。
唐川さんの研究風景

唐川さんは、本年11月11日(土)・12日(日)に島根県出雲市で開催された「日本ブドウ・ワイン学会 2017年度大会」に参加して、これまでの研究成果を発表しました。発表のタイトルは、「福山市で分離したバラ酵母とブドウ酵母のワイン醸造への適応性(唐川・豊村・吉崎・山本・行安・久冨)」です。
唐川さんと久冨教授

唐川さんの研究発表は大変興味深く、多くの研究者がポスターを訪れて、活発な質疑応答が行われました。持ち時間の45分を大きく越えて、約2時間の間、ひっきりなしに対応し詰めでした。

会場には「さんぞうの赤」も携えて臨み、希望される方には実際に試飲をしてもらい、大好評を得ました。このワインは飲み口が爽やかで雑味がなく、イチゴのような甘い香りを発するのが特徴です。
ワインの研究者や学生達との交流も十分にできて、これからの研究の進展に弾みを得たようです。
ポスター発表時の唐川さん

発表が終わったあとは、山陰の海で捕れた新鮮な魚介類を肴に、またひとしきり「しまねワイン」を堪能しました。錦織選手の大好物であるノドグロ(アカムツ)の塩焼きや煮付けは絶品でした。唐川さんもワインづくしの2日間を十分に満喫していました。酵母の研究とおいしいワインと郷土料理のマリアージュ、最高ですね!
ポスター当日夜の「振り返りの会」

追記)今年も、10月の初めに、上記4株の酵母菌株をせらワイナリーに持参して、仕込みを始めました。そういえば、11/16はボジョレー・ヌーヴォーの解禁日でしたね!まだ飲んでいませんが、楽しみです。
せらワイナリーでの仕込み風景


学長から一言:唐川さん、学会発表、お疲れさま! 来年は、この酵母の三蔵のワインが飲めるのかな?!?「お・た・の・し・み」!!!