2017/02/20

心理学科の授業紹介「産業心理学」~ 春のオープンキャンパスへのお誘い~

こんにちは。学長室ブログメンバー,心理学科宮崎です

3月18日に福山大学のオープンキャンパス「春の見学会」が開かれます。参加しようかどうか迷っている方が多いかもしれません。

今回は,福山大学心理学科の授業は「こんな感じですよー」というのが伝わるように,私 (宮崎) が担当する「産業心理学」の授業の様子をお届けしたいと思います。

これから紹介する記事を読み興味がわいたら,ぜひ春の見学会にご参加ください。お申込みは「ここ」からです。見学会では,もっと詳しい授業カリキュラムの紹介や,研究室紹介,そのほか色々な情報 (国家資格「公認心理師」に関する情報など) を知ることが出来ます。

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産業心理学は,仕事のあり方,仕事に対するやる気,職場のストレス,コミュニケーションに関わる問題,安全衛生,消費者心理などなど・・・産業や組織にかかわる人間の行動の特徴や,背景にある心理状態について明らかにすることを目的とする学問です。

この授業では,授業 (座学) で獲得した知識を日常社会とリンクさせながら考えるために,近辺の職場見学のフィールドワークも実施しています。

学生は,近隣の職場を直接観察し,授業で学んだことと実際の職場で行われていることを比較しながら,授業内で学んだ産業心理学の知識・理論がうまく応用されている点,あるいは改善すべき点等を説明できるようになることを目指しています。

早速ですが,そのフィールドワークの様子をお届けします。

2016年度は,尾道市にある「まるか食品株式会社」さんと三原市にある「山陽乳業株式会社」さんの2社にお邪魔しました。

見学先のそれぞれの会社の事前学習を終えてから,まず10月24日の午前中に「まるか食品株式会社」さんに4年生を中心とした十数名の学生が見学にいきました。


まるか食品さんは,鮮やかな黄色いパッケージでおなじみの「イカ天 瀬戸内れもん味」の製造元です。生産過程や生産体制などを中心に工場内を説明していただきました。

社内は撮影禁止でしたので,工場内の写真はありませんが,掃除が行きとどいていて,とても清潔かつ綺麗な職場でした!


見学のあとには,商品の試食をさせていただいたり,質問の時間をいただきました。学生からは,オンラインショップのマネジメントに関する質問,マーケティング,パッケージデザインに関する質問が幾つもでました。

特にパッケージデザインについては,文字フォントの工夫であったり,開封口にレモンのワンポイントがあったり (「イカ天 瀬戸内れもん味」を店頭で確認してみてください!!) ,女性でも手に取りやすい商品となるような工夫が凝らされているのがわかったり等,学生たちは非常に関心をもって集中して話を聞いていました。


次に11月4日の午前中に,3年生を中心とした数十名の学生が「山陽乳業株式会社」さんを訪ねました。山陽乳業さんは,学校給食用の牛乳やTOPVALUの乳製品をはじめ,この地方にお住まいの方々になじみの深い企業だと思います。


工場内の見学の他,品質管理や安全衛生に関するお話,特にHACCP (ハサップ) に関する山陽乳業さんの取り組みをご紹介いただきました。ハサップとは,「H: Hazard (危害)」・「A: Analysis (分析)」・「C: Critical (重要)」・「C: Control (管理)」・「P: Point (点)」の略で,食品衛生管理システムのことで,もともとは1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するためにつくられた管理システムです。



その他にも,消費者とのコミュニケーションの問題 (例えばクレーム応対; 例年約200件のクレームがあるそうです) について,実際の事例を紹介していただきながら,分かりやすく説明していただきました。

見学や説明のあとには,学生から職場の男女比率に関する質問であったり,パッケージデザインに関する質問 (なぜ,牛乳のパッケージデザインは「普通」なのか? みなさんも考えてみてください!!) があがり,学生たちにとって大変有意義な見学となったと思います。


工場見学後,自分たちが事前に調べた情報,工場見学当日に見聞きした情報をポスターにまとめ,グループに分かれてポスター発表会を行いました。


学生同士が発表会でピア・レビュー (学生同士が相互評価) している様子もあわせて紹介します。







この授業を履修した学生の感想も幾つか紹介しましょう。
「工場見学が楽しかった。授業内容もとても興味深い」
「工場見学も発表もあって楽しかった」
「最近の話題も取り入れて授業が行われるのでわかりやすい」
「大学生活最後の授業は楽しかった(^^)」
「これから就職した時に絶対に役立つ知識を身につけることができた」
「マーケティングの所,販売の所は過去の自分の体験と結びつけて授業を聞くことで分かりやすかった」
「社会に出る前に産業心理学を学ぶことができて良かった」などなど・・・全ての感想を紹介しきれませんが,学生たちにとって良い学びの場となったようです。

ほとんどの学生が将来何かしらの組織に属して,60〜65歳前後まで仕事を続けます。仕事がはじまる前,組織に属す前に,効率的な働き方や円滑な組織づくりのヒントなどを知っておけば,職場環境にすばやく適応できるかもしれません。

今後も,彼らの将来のワークライフを支えるきっかけとなるような授業づくりを目指していきたいと思います。


最後になりましたが,繁忙期前のお忙しいなか,快く今回の訪問を引き受けてくださった「まるか食品株式会社」さん,「山陽乳業株式会社」さんにお礼申し上げます。

フィールドワークを通じて,就職活動を控える3年生が,自分たちの地元に「こんなに良い企業があるんだ!!」ということを直に体験できてとても良かったと思います。

どうもありがとうございました!

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学長から一言:多くの学生にとって、大学は社会に出る前の最後の学びの場なので、学びの場と仕事の場の橋渡しをすることも、大学にとって重要な役目です。。。高校生の皆さ~ん、春のオープンキャンパスをぜひ覗いてみましょう!!!