2016/12/14

宗教文化とアクティブ・ラーニング-人間文化学科「四国遍路体験」

人間文化学科の学長室ブログメンバーSです。こんにちは。

今回は、「宗教文化史」という授業の学外研修として行われた「四国遍路体験」について、山川教授(人間文化学科)からの報告です。

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本年度から開設された「宗教文化史」では、主にヨーロッパの巡礼について講義をしていますが、それとの比較から、20名限定で希望者を募り、大学のマイクロバスを利用して1泊2日の松山、今治近辺の四国遍路寺院を巡り、宿坊に宿泊し、四国遍路の一端を体験することを企画しました。

11月8日(火)松永のバス停を出発し、しまなみ海道を渡り、一路久万高原町の第45番札所岩屋寺へ。ここでは大西完善住職から岩屋寺の縁起や四国遍路についての講話を聴き、幽玄な自然と修行の場を実感しました。
写真1:大西完善岩屋寺住職の講話
写真2:岩屋寺本堂前の集合写真
次いで明治の廃仏毀釈以後も神仏習合を残す第50番札所繁多寺、道後温泉近辺の第51番札所石手寺、奈良時代からの古刹寺院第太山寺を巡り、午後6時過ぎに今治市の第58番札所仙遊寺宿坊へ。夕食の精進料理を堪能した後、午後8時から本堂で小山田弘憲住職の特別講話が行われ、自らの人生や四国遍路道を世界遺産への運動のことなど、四国編路の魅力について語っていただきました。
写真3:仙遊寺での夕食風景
写真4:本堂での小山田弘憲仙遊寺住職の特別講話
翌朝6時からお遍路のみなさんと一緒にお勤めに参加し、朝食後に仙遊寺を出発して第57番札所栄福寺へ。作家でもある白川密成住職が偶々居られ、本堂前の広場で、廃仏毀釈で八幡宮から分離したことや四国遍路について思いがけない講話を聞くことができました。
写真5:本堂前のの広場で講話される白川密成栄福寺住職
次に奈良時代の地方の役所があった国分寺、第55番札所南光坊では、境内に南光坊、大山祇神社別宮、稲荷神社が併置され、神仏習合が実感でました。その後、しまなみ海道を途中下車して大三島の大山祇神社へ。樹齢3000年の大クスノキをはじめ、巨木群が原生林の名残をとどめている中に社殿が立ち並んでいます。自然崇拝を肌で感じる厳粛な雰囲気でした。

2日間、駆け足でしたが、この学外研修を通じて、学生たちは心身のリフレッシュをすると同時に、近代的合理主義では割り切れない自然の偉力と出会った人々のぬくもりを感じてくれたのではないかと思います。
(文責 山川廣司)


学長から一言:楽しい研修旅行で終わらせないで、この研修旅行を元にどのように学びをさらに深めて次のステップに進むか。。。学生の皆さん、ますますアクティブな学びを期待していま~す!