こんにちは、学長室ブログスタッフの生物工学科 佐藤です。
今日は、先日行われた福山六次産業研究会について、ワイン醸造所長でもある吉﨑助教からの報告です。どうぞ!
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福山大学ワイン醸造所長の吉崎です。2月8日(月)に福山大学宮地茂記念館で行われた福山六次産業研究会について報告させていただきます。
この研究会は昨年3月に生命工学部と福山商工会議所との共催で初めて開催したもので、2回目の今回はワインと地域活性化を主なテーマとして講演会を行いました。主催は私たちも参画する「ばらの酵母菌で瀬戸内・福山の六次産業を醸すプロジェクト推進委員会」です。このテーマは多くの方に関心のある話題のようで、約120名(昨年の2倍!)の方にご参加いただきました。
生物工学科の非常勤講師でもあります(独)酒類総合研究所の後藤奈美先生からは、ワインの美味しさについて科学的な面から語っていただきました。こういったお話はワイン業界にいてもなかなか聴く機会は少ないので、大変勉強になったとの声を参加者から多くよせられました。日本ワインのブームでワインの消費量が伸びていることや、全国に多くのワイナリーができていることなどもお話いただきました。
長野県東御市にあるワイナリー「はすみファーム」の蓮見喜昭さんからは、農業としてのブドウ作りやワイナリー設立時の様々なご苦労をお話しいただきました。実は福山大学でワイン醸造設備を整備するにあたり、蓮見さんの著書「ゼロから始める ワイナリー起業」を参考にさせていただいたこともあり、今回講演をお願いしました。ワインというキーワードで1次(生産)×2次(加工)×3次(販売)=6次産業を進め、近隣自治体や県をも巻き込んでもはや誰も止められない大きなうねりとなっているとのこと。ワイン業界では周知の事実ですが、まさに私たちが目指している姿です。
福山市は昨年3月、「ふくやまワイン特区」が国から認定されたのをご存じでしょうか? 通常ワイン製造業者に年間6キロリットル以上の生産が義務付けられているところ、この特区では農家民宿などで宿泊者にのみ提供する場合は最低製造数量が適用されないというものです。この制度を利用して福山市山野町でワイン製造を開始されたのが(株)福山健康舎の大田祐介さんです。このような取り組みを開始するに至ったきっかけ、「山野峡ワイン」の製造の実際や今後の目標などを語っていただきました。
会場では福山大学で醸造した赤ワインと白ワイン、それと山野峡ワインの試飲も行われました。味の方はさっぱりして良いとの感想も多くいただきましたが、今回どれも生食用のブドウを使ったものということもあり、今後に期待といった評価もありました。まだまだこれからですが、ポテンシャルは感じていただけたものと思います。
このほか、今年中にも福山でワイナリー起業を計画中の古川和秋さんや、行政の立場からは中村啓悟さんから備後圏域広域でのワイン特区申請について、本学からは久冨教授から福山のオリジナル酵母開発といった話もありました。一昨年福山大学で酒類試験製造免許を取得したばかりですが、偶然か必然かこのタイミングで地域全体がワインを核に大きく動き出そうとしています。今後の福山ワインの躍進を期待せずにはいられません!
最後に懇親会の様子など。世界のビジネスパーソンにとってワインは身につけるべき教養であり、ワインの話などをしながらビジネスを進めていったりするのですが、ここではワインそのものを語るために人々が集っているのが非常に面白いですね。私も地元企業の方や業界関係者とたくさん知り合うことができました。
懇親会で乾杯の挨拶をされた本学グリーンサイエンス研究センター長の岩本教授と、六次産業研究会の企画・立案者である山本教授です。お二人の笑顔が会の成功を物語っております。
学長から一言:生命工学部生物工学科のワインプロジェクト。。。教育、研究、地域貢献が三位一体となって進んでいる様子、{す・ば・ら・し・い」!!!個人的にもワイン大好き人間ですので、期待していま~す!!!