2017/04/17

ソフィア大学を集中講義で訪れて(その2)

学長室ブログメンバーのT-boneです。 大塚副学長・大学教育センター長より、ブルガリアのソフィア大学で実施した集中講義に関する記事の続報が届きましたので、ご紹介いたします。

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現在、ソフィア大学では福山大学からの3人の学生諸君が学んでいます。建築学科の村上君、国際経済学科の森山君、そしてエラスムス+プログラムで出かけた人間文化学科の石井さんです。ソフィア滞在中に3人と出会い、ある晩、一緒に食事をする機会を作りました。比較的限られた期間ですが、3人ともそれぞれに留学生活を有意義に過ごしているようで、安心しました。


本学から、3人のように、海外留学を目指す諸君が次々と現れることが望まれます。その際、やはり留学の成否のカギは言葉です。英語を向こうで学ぼうなどと悠長なことを考えないで、出かける前にしっかりと基礎を固めて行って欲しいものです。

ブルガリア滞在中には、この他に、本学との交流が緒に就いたばかりのヴェリコ・タルノヴォ大学まで足を伸ばしました。ソフィアが首都になるまでの古い首都であった街までの片道3時間のバスの旅では、農村風景を堪能しました。この街には、中世時代の城壁や教会が今も残り、一幅の絵のような趣が漂っていました。



タルノヴォ大では国際交流担当のデミタール・デミトロフ副学長が急にお願いしたにもかかわらず時間をとってお会い下さり、今後の両大学の交流発展について意見交換をしました。


その後、日本語学科の先生方や学生諸君にも会いました。学生の一人に、他大学ではなく福山大学への留学を強く希望している学生さんがいて、「2年生で日本語能力検定試験のN3までとりました。もっと勉強して、N2、N1を目指します。」と流暢な日本語で語ってくれたのが印象的でした。彼女に限らず、本学で学びたいと真剣に取り組んでいるブルガリアの学生諸君の夢が叶い、一人でも多く福山大学に迎えることができればと思います。


ちなみに、このタルノヴォ大学日本語学科の先生方というのが、実は私がかつて教えた大学院生の一人が博士課程在学中の、もう20年近くも前にJICAの日本語教育専門家として赴任していた時の学生さんたちだったことがあり、「私の先生の先生が来て下さって嬉しい」と喜ばれたのは、人の繋がりの縁の妙を感じた瞬間でした。

また、このタルノヴォ大学とソフィア大学には、中国が中国語・中国文化の普及を目指してブルガリアに開設した機関である孔子学院が置かれています。私は近年、この世界中で展開されている孔子学院の動きに個人的な研究関心を持っていることから、両大学とも滞在中にうまく孔子学院の院長とアポイントメントをとることに成功し、ちゃっかりインタビュー調査も実施することができました。


さらに、ソフィアでは、近々エラスムス+プログラムにより福山大学での授業のためにおいでになるシイカ・コストヴァ教授が手配して下さり、授業の合間にブルガリアの学校を訪問する機会にも恵まれました。小学校(5年)から中学(3年)、高校(4年)と初等・中等教育の各段階がすべて揃った第144学校という、ソフィア大学が学生の教育実習に使っている学校です。在校生1,250人、教員数122人(うち男性20%、女性80%)の同校では、小学生から高校生まで、さまざまな民俗衣装を身にまとった児童・生徒が私の訪問のために覚えたという「さくら、さくら」と「荒城の月」の演奏で迎えてくれました。



それからブルガリアのフォークダンス。誘われるままに踊りの輪に入り、何十年ぶりかのダンス。少し肌寒い日でしたが、「冷や汗」でしょう、三斗まではいかないまでも、大汗体験でした。


いくつかの授業を参観した後に定例の職員会議にも出るように言われました。その場では、思いがけず日勃(ブルガリア)教育比較論議が始まり、かなり白熱した議論になりました。話題の一つは、ブルガリアに着いてから私がずっと気になっていたこと、喫煙者の多さでした。とくに女性、しかもまだ10代と思われる少女たちがたいへん多くタバコを吸っているのが目立ちました。実は、この学校の外でも、平気で一服している女子高生の姿が見られたのです。聞けば、喫煙は18歳を過ぎてからとなっているが、実際には守られず、校舎内は禁煙ながら、一歩表に出ればコントロールできないとのこと。JT(日本たばこ)の警告文が頭をよぎったことでした。


限られた期間でしたが、このように、かなり盛り沢山の内容の詰まった充実した日々でした。
最後に、お世話になったブルガリアの、そして本学の国際交流課や国際交流センターをはじめ、関係の皆様に貴重な機会を与えて下さったことと、訪問実現のためのさまざまなご配慮に対して感謝申し上げます。本学とソフィア大学、タルノヴォ大学との交流が益々盛んになることを願っています。


学長から一言:日本でも大変な仕事師ですが、外国に行くと一層精力的になり、かつ楽しそうに生き生きする大塚副学長による盛りだくさんのブルガリア訪問記でした!!!お疲れさまでした!!!