一つ目の授業は「自動車の強度」です。自動車の車体は、走行中に揺れて操縦が不安定になったり、事故の際に潰れて乗員が大けがをしたりしないように、しっかりと設計しなければなりません。そこでコンピュータを使って、車体がどのように振動したり、衝突の衝撃でどのように変形したりするかを解析する技術(シミュレーション技術)を学びます。下の画像は、授業で実際に行っている解析の一例です。
車体の骨組みの振動の様子。多数ある振動の形(振動モード)の一つです。動きがわかりやすいように振動の振れ幅を強調してあります。
車体部品の衝突変形。一瞬の現象を詳しく解析します。自動車メーカーなどではスーパーコンピュータを使って車体全体を解析します。
解析は、一度ではうまくいきません。
だから、学生同士で情報交換しながら一歩ずつ進めていきます。
自動車システムコース3年生の横田裕也君のコメント:
「PC(パソコン)の扱いに慣れるのは、最初は大変でした。どうすれば解析がうまくいくのか、みんなで考えて解決策を見つけたときは、技術の面白みを感じます。知恵を出し合い、協力し合うことの大切さを学びました。」
二つ目の授業は「カーエレクトロニクス」です。自動車の電子制御について、制御回路の設計法や制御用コンピュータのプログラム作成法を学びます。実際の回路製作も行いますが、多くは下図のような回路シミュレータを用いて学修します。
この授業の演習課題のひとつは、スライドスイッチの位置に従ってモーターの回転方向や回転スピードを変えるというもので、電子回路やコンピュータ・プログラミングに慣れた人にはごく簡単な問題なのですが、初心者にとっては難問です。どうやったら狙いどおりの動きが実現できるのか、やはり学生同士でディスカッションしながら学修を進めます。
意見やアイデアを出し合ったり、
結果をプレゼンテーションしたりすることで、学びを分かち合います。
自動車システムコース3年生の柿原明宏君のコメント:
「制御プログラムを一から考えて作成するのは大変ですが、苦労して考えたプログラムがうまく動いたときは、達成感があります。専門分野の力は、とことん考え抜くことによってこそ、しっかり身につくものだと思います。」
ところで、福山大学では来春からPC必携化に向けた取り組みがスタートし、新入学生は自分のPCを持って授業を受けるようになっていきます。紹介した2つの授業は3年生向けで、現在は教室に備え付けのPCを使って行っていますが、来春の新入生が3年生になる年からは、自分のPCを使ってこれらの授業を受けることになります。受講生が、卒業研究や卒業後の仕事にもマイPCをフル活用していけるように、今後、授業をもっとアレンジしてゆく予定です。この記事が目に留まった受験生の皆さん、ぜひ福山大学機械システム工学科で一緒に勉強しましょう。
学長から一言:私が学生の頃は。。。何十年前の話しだ?!?。。。何事も、実際に物を作って、やってみて、失敗して作り直して。。。の繰り返しでしたが、今はそれをコンピュータ上で繰り返しやってみる、ということでしょうか。。。知的なチャレンジに、心が震えますねッ!!!学生の顔が輝いています!!!