3月に行なわれた成果発表会の様子 |
今回は読書の秋に相応しく、福山市出身の井伏鱒二が備後地方を舞台に著した小説の研究を10年にわたって続けている、人間文化学科日本近代文学ゼミの活動を紹介します。
昨年度は、井伏文学における金属文化と出雲の関係を「穴の海」伝説を通して追求し、3月にふくやま文学館で行なわれた、学生による成果発表には多くの方が聴講に来られました。
今年度は、小説「海揚り」と府中の文化をテーマに調査・研究を行なっています。作品の題名になっている「海揚り」とは、瀬戸内海に沈んだ船から引き揚げられ、骨董品として取引された中世の備前焼のことです。終戦直後の井伏鱒二の体験を元にしたこの作品には、府中市で骨董商を営む「平田八春」という魅力的な人物が登場しますが、今年度の日本近代文学ゼミの聞き取り調査によって、この人物が実在していたことが分かりました。福山大学附属図書館での文献調査から始まり、府中市立図書館の全面的な協力を得て、地元の情報発掘につながった新たな発見です。
福山大学附属図書館内での文献調査の様子 |
フィールドワークの詳細や今回の公開調査に参加する日本近代文学ゼミの学生の声を人間文化学科のHPに掲載しています。今後は成果報告会の日程も掲載する予定ですので、こちらをチェックしてみて下さい。
学長から一言:面白いですね-。。。小説中の人物が実在していたことを突きとめる。。。文系の研究も理系の研究も、研究というのは、エビデンスベイスドなサスペンスなのですね!!