2014/10/06

平成26年度大学連携による新たな教育プログラム開発・実施事業(広島県補助事業)第1回講義報告

こんにちは。今回は国際経済学科の尾田教授の依頼を受けて、ブログ担当の経済学部Iがご報告します。

経済学部では現在、広島県補助事業として「平成26年度大学連携による新たな教育プログラム開発・実施事業」を展開しています。テーマは「国際経営における人材の育成と備後企業の取り組み」です。

今年度第1回講義が2014年10月4日(土)に開かれました。開講に先立ち、幹事校福山大学の経済学部尾田教授より、本講座について以下の概略が述べられました。
 ・第一に広島県の2年目のグローバル人材育成補助事業であること
 ・第二に広島県東部4大学が連携していること
 ・第三に福山市、福山商工会議所、尾道商工会議所、一般財団備後地域地場産業振興センター、福山商工会の後援を頂いていること
 ・第四に学生と社会人の共同参加であること
 ・第五に遠隔配信を行っていること
です。その後、広島県知事からのビデオメッセージが上映され、本学冨士副学長より挨拶がありました。

本講座の特徴の1つは、受講生の積極的な参加を引き出すために、質問時間を長くとっていることですが、昨年度は発言者に偏りが見られたため、兵庫県立大学梅野教授の講義ではスモールグループディスカッション(SGD)を導入し、受講生全員が参加したという意識が高まる工夫をしました。梅野教授の質問は、(1)企業はなぜ多国籍化するのか、(2)国際化でどのような問題が起こるのか、です。受講者側から言えば、講義全体をこの問題を意識して受講する必要があるため、緊張感を失うことなく講義を受けることができます。講師の梅野教授からは、講義で出てきた専門用語を口に出して議論することだけでも十分意義があり、必ずしも正解を導き出せなくてもよい、というコメントがありました。

梅野教授の講義では、国際経営と多国籍企業の定義がされ、例を挙げて多国籍企業の全体像についての説明がありました。また、多国籍企業の経営課題として、グローバリゼーション(統合)とローカリゼーション(現地化)の指標を用いて、そのバランスをとる重要性を指摘されました。続いて、多国籍企業を理解する概念として、地理的距離、政治的距離、経済的距離、文化的距離を持つ外国人としての不利益が述べられました。さらにリスクをとり不確実性に耐える新機軸を打ち出す企業家精神の重要性の指摘があり、経路依存性、模倣困難性などの経営ベース視角について説明されました。最後に競合企業よりも強いものを持っているという所有優位、低賃金などの立地優位、自社で活用できる内部化優位の折衷パラダイムの理論的説明が行われました。

【多国籍企業の成立】
兵庫県立大学大学院経営研究科 梅野巨利教授

2時限目のケーススタディにおいては、広島銀行国際営業部の末次功アジア戦略サポートデスク・シニアマネージャーから、「企業の国際業務について」というテーマで、企業の海外展開の形態、日本企業の海外展開について統計数値を用いて、貿易傾向、海外拠点および海外進出動向が説明されました。その後企業の海外進出目的について、個別企業の進出事例を挙げながら説明が行われました。

ケーススタディ(1) 【企業の国際業務について】
広島銀行株式会社国際営業室担当課長 末次功氏

スモールグループディスカッションの様子


・・・と、まだまだ続くのですが、ブログにしては長くなりますので、興味のある方はこちらをご覧ください。なお、この取組は今後も続いていきます。


学長から一言:ウーン、難しそう!(今回は、本当に一言でした!!)