2016/05/14

平成28年度第1回教養講座の開催

こんにちは。学長室ブログメンバーの生命工学部 生命栄養科学科のKです。

5月11日(水)に、平成28年度第1回教養講座が開催されました。講師は村上 和雄 先生(筑波大学名誉教授、公益財団法人国際科学振興財団バイオ研究所所長)。講演のタイトルは、「遺伝子をオンにして可能性を伸ばす」です。

 

会場は1年生をはじめとした学生、教職員で満員でした。


村上先生のご専門は分子生物学。遺伝子や生命、人の幸せなどについて広く発言・執筆されています。

1983年に高血圧を引き起こす原因となる昇圧酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功したことが、世界的な業績として注目を集めました。1996年、日本学士院賞受賞。現在はネズミの笑いの研究をされているそうです。



講演では、タイトルである「遺伝子」について、大変興味深い話をきくことができました。

遺伝子とは、そのヒトをつくる設計図のような情報のことです。人の細胞の核の中にあり、その中にヒト1人分のデータが入っていますが、その働きのほとんどはよくわかっていません。しかし近年、遺伝子のオン・オフのスイッチがあることがわかってきました。

このスイッチをオンにすると、眠っている遺伝子が呼び覚まされ、その人が持っている可能性が無限に広がります。

どうすればそのスイッチをオンにできるのか? それは環境を変えること、またよく笑うこと、感謝すること、祈ることだそうです。遺伝子は目に見えません。だからこそ、目に見えない心や気持ちなどを活用することが重要だそうです。



村上先生は、時々笑いを交えながら、わかりやすく楽しいご講演をされました

先生は「笑い」を非常に重要視されています。糖尿病の患者さんが、つまらない講義を聴いたときと、芸人のお笑いを聴いたときを比べると、後者のときの方が血糖値の上昇を抑えられたという研究があるそうです。薬には副作用がありますが、笑いにはありません。遺伝子をオンにする方法の一つに「笑い」があります。

生命栄養科学科の教員として大変興味深かったのは、将来、個人の遺伝子情報が簡単にわかる時代になり、そこから個人がかかりやすい病気を調べて、それを基にオーダーメイド治療や栄養指導を行う「遺伝栄養学」が発達する!というお話でした。

また学生に対して、「日本は世界で“影響力がある国"ランキングのトップ常連であり、世界から期待されている国である。21世紀こそ日本人の出番だと思って世界の期待に応える国にしてほしい」とエールを送られました。

将来を担う学生の皆さんが、「遺伝子をオンにして」可能性を広げ、福山大学から世界へはばたいてほしいと思います。

学長から一言:村上先生、遠いところまで私たちのためにおいでいただき、勇気づけられる本当にすばらしいお話をありがとうございました。。。ネズミの脇の下やお腹をコチョコチョしてネズミを笑わせる(!)実験風景の映像には思わず笑ってしまいました。。。これで私の眠っていた遺伝子の一つがオンになったかもしれません!!!