今回、経済学部税務会計学科の許霽学科長に今後の税務会計学科における簿記3級に関する取り組みをインタビューしてみました。
(1)なぜ簿記・会計の知識が必要ですか。
あなたはどんな企業を就職先として選びますか。そこで稼いだお金はどこの銀行に預けるのでしょう。はたまた株で一儲けということを考えるかもしれませんね。それではどこの株を買ったらよいのでしょうか。いやいや、そんな余裕もなく、会社にベースアップ(賃上げ)を要求しなければいけないかもしれません。そんな時、どれだけ要求すれば妥当なのか、などなど、そのいずれも簿記・会計の知識が必要になってきます。
(2)ちなみに、簿記の歴史について教えてください。
今日、我々が使っている簿記は、中世イタリアのヴェニスの商人たちによって発明された貸借式複式簿記のことで、1494年にカトリック・フランチェスカ派の修道僧で数学者でもあるルカ・パチョーリがその著書「スンマ」の中の一章によって最初に記述し、広く紹介したものです。ちなみに彼はあのレオナルド・ダ・ヴィンチに数学の知識を教え、深い親交があった人物でもあります。この「スンマ」に記述された複式簿記法は500年以上経った現在では、主として資本主義社会における企業会計の基礎を成しており、「ビジネスの共通語」と言われるまでになりました。
(3)税務会計学科における簿記勉強の支援体制はどのようになっていますか。
税務会計学科は、会計学全般を紹介する「会計学総論」を入門に、「財務会計」、「原価計算論」、「管理会計」、「税務会計」、「監査論」および「国際会計論」などの会計専門分野をすべて網羅した科目構成となっています。とくに「基礎簿記」を必修科目にし、3クラスに分けての開講に加え、さらに一つの補習クラスも今年度より新設しました。また、大学院生のTA(ティーチングアシスタント)が月曜の3限に01524演習室、水曜の3限と金曜の3限に01208教室にて、いつでも皆さんからの質疑応答に対応し、簿記の勉強をサポートしています。もちろん、担当教員(許、井手吉、石井)のオフィスアワーの時間も大歓迎ですよ。さらに、皆さんの先輩たちによって簿記会計研究会が創設されており、共に研鑽する仲間を募っています。月曜日から金曜日の5限に活動していますので、興味のある方はぜひ1号館5階にある01524演習室に来てください。
(4)日商簿記検定について教えてください。
日商簿記検定試験は最も広く認識されている資格検定試験のひとつであり、今まで学んだ簿記の知識と技術の認定証明だけでなく、就職活動をする際の自己PRの大きな材料にもなります。これまで税理士や国税専門官の資格を取得したり、公務員や金融機関などに就職した先輩たちが学んだ初めの第一歩はいつも簿記からでした。さあ、皆さんもまず日商簿記検定3級からチャレンジしてみませんか!
ちなみに、7月19日にオープンキャンパス(体験入学)が予定されています。経済学部税務会計学科では、許霽教授が「会計の国際化」、張楓准教授が「備後から全国、そして世界へ―備後地域企業の発展のダイナミズム」をそれぞれ模擬講義します。学科スタッフ全員、参加をお待ちしております。
(7月4日経済学部見学会会場の様子)
学長から一言:私とは最も縁遠いと思っていた「簿記」が、ヴェニスの商人から始まったとなると、もうぐっと親しみを感じますねッ。。。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」にでてくるシャイロックさん。。。なかなか魅力的ですよねー。。。そういうわけで(どうゆうわけ??)、高校生の皆さん、オープンキャンパスにぜひおいでくださ~い!!!
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