2015/07/09

第2回ワークライフ支援推進イベント「ジェンダー的視点で考察する中国古典小説『金瓶梅』における生活様式と住まい」

こんにちは。学長室ブログメンバーの心理学科Kです。
今回は,ワークライフ支援室室員の橋本教授(心理学科)に寄稿してもらいました。

第2回ワークライフ支援推進イベントの報告です!

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こんにちは。心理学科の橋本(ワークライフ支援室室員)です。

先日,第2回ワークライフ支援推進イベント「ジェンダー的視点で考察する中国古典小説『金瓶梅』における生活様式と住まい」に参加して参りました。
講師は工学部の藤原美樹准教授でした。

まず,一言・・・とっても面白かったです。聞かなかった人は人生の何分の1かを損したのではないかと思うくらい,大変興味深い内容でした。

藤原准教授とは色々な委員会等々でよくご一緒させていただくことはあるのですが,研究内容を聞くのは初めてでした。今回お話しいただいた内容は,先生がずいぶん前に研究なさっていたものということで,自分の中ではもう終わった内容とおっしゃっていましたが,全くそのようなことは感じさせない大変鮮明なものでした。

『金瓶梅』は,『三国志演義』,『水滸伝』,『西遊記』とならぶ中国四大奇書の一つですが,当時の裕福な商人である西門慶とその正妻,そして5人の妾の生活に焦点が当てられている点で他の3つの書物とは性格を異にするとのことです。藤原准教授は,金瓶梅の中の登場人物の生活様式の記述や挿絵から,それぞれの人物の部屋とそこに配置されていたであろう家具をCG等で正確に再現なさっています。




また,椅子に焦点を当て,それぞれのデザインの違いについても言及されており,当時の椅子は道具としてはもちろんのこと,それぞれの持ち主の趣味趣向が反映された意匠であったとおっしゃっていました。





さらに,藤原准教授は,当時の男性の役割,女性の役割という点からの生活様式の違いをご指摘なさっていらっしゃいました。つまり,例えば,客人を迎える役割がある男性の建屋にはそのような部屋があり,当時纏足をしていた女性には,纏足であっても暮らしやすい工夫がなされていたそうです。大家族,正妻,妾,,,,と聞くと随分劣悪な生活環境を創造しますが,実際には,家と主人に守られ,女性同士の規律(例えば寝台の帳にも序列)を守ってさえいれば,快適であったようにみえます。また,現代の日本でも忘れがちな季節や人生儀礼など,少しは見習うものもあるように感じました。

今の日本でも,キッチンのつくりなどはキッチンをよく使うであろう女性の目線で設計されているので,男性が使うには低すぎることがあるということを良く聞きます。そういえば,私が毎夏に参加するペーロン(船のレース)で使う船も男性の体格に合わせたものなので,座る位置や足の位置の調整がなかなかできません。体躯に合わないデザインというのはなかなか辛いものです。当たり前のことかもしれませんが,そういう視点で周りを見回してみると,女性向けデザイン,男性向けデザインというものが沢山あるのでしょうね。


学長から一言:この研究は、藤原准教授の博士(工学)の学位論文の一部ですね。。。とてもユニークで興味深い研究で、現代日本の日常生活上の家具のデザインに思わず思いをはせさせる、すぐれもの。。。と、数年前に彼女の研究論文をざっと読む機会があったときに思いましたョ!