生命栄養科学科のKです。
生命栄養科学科では10月に行われる三蔵祭で、毎年、桜アイスの試食コーナーを設けています。毎年ご好評いただくこの桜アイスの桜、実は、大学に植えてある八重桜を塩漬けしたものを入れているのです。
今年も美味しい桜アイスを作るべく、4月から準備を始めました。その様子を、本学科のN助手から報告してもらいました。
Nさん宜しくお願いします。
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桜アイス用の桜は、少し遅咲きの八重桜を使います。
開ききったものではなく、色の濃い3分咲き~7分咲きのものを採ります。
生命栄養科学科4年生の有志が手伝ってくれました。
塩漬けする前に汚れを落とします。花びらの形が崩れないよう一つ一つ手作業で行います。落とした後の色がこちら。
洗うことで水分が多くなり、色が薄まってしまっています。塩漬けすることで浸透圧を利用し、中の水分を抜くことができます。
塩漬けして数日経ったものがこちら。
色が悪くなった!? この段階では香りも味も柴漬けのようでした。
塩辛いですが、ご飯のお供に十分な味です。
一般的に知られている桜の塩漬けにするには、白梅酢(梅干しを作る際にできるもの)の力が必要になります。白梅酢を振りかけて数日おきますと
ちょっと暗いですがこんなに鮮やかになりました。
この色の変化には、桜の花に含まれるアントシアニン系色素成分、シアニジンが影響しています。中性に近い時には紫色ですが、酸性になると鮮やかな赤になる性質があります。
まるでリトマス試験紙みたいです。
塩漬けなのになんでお酢を入れるの?と思われたかも知れませんが、こちらがその答えです。
鮮やかな色の塩漬けを作る調理のコツには、こんな科学が隠されているのです。
この塩漬けで、今年も桜アイスを作ります。
10月17日、18日の三蔵祭をお楽しみに!
学長から一言:吉野桜が終わったあと、学長室のある15号館から、サッカー場などのあるキャンパスのてっぺんに向かって歩くと、見事な八重桜並木に出会いますが。。。マサカ、マサカ、これが大学祭の桜アイスを彩っていたとは。。。さっすが生命栄養科学科!!