今回、税務会計学科張楓准教授が担当する「地域調査」の授業の一環として実施した工場見学を紹介します。
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「地域調査」は経済学部税務会計学科において2012年度から開講されており、今年で4年目となります。その目的は、福山・尾道・府中・三原を中心とする備後地域の経済・社会の過去・現在・未来に関する疑問を、学生自身による学外訪問調査により解決することにあります。学生を主体とする演習形式のなかで、事前学習や訪問調査、発表、討論を実施することにより、学生の自主性を育成するとともに、地域への関心を高め、専門科目への橋渡しとしても期待されています。
(株式会社シギヤ精機製作所HPより) |
2015年度前期の「地域調査」の一環として、4月22日に最初の工場見学を実施しました。福山市箕島町に本社がある株式会社シギヤ精機製作所です。1911年に福山市東桜町にて創業し、100年以上の歴史を誇るにとどまらず、創業時の織機製造から、戦後に工作機械への転換を成し遂げ、現在、円筒研削盤・万能研削盤・専用機を中心とした金属工作機械の製造販売を行う、備後地域における代表的なオンリーワン・ナンバーワン企業に大きく成長しています。
(1955年開発万能工具研削盤初号モデル) |
今回、2名の学生が初めて工場見学に参加しました。彼達の感想文を紹介します。
(1)FS(2年生)
今回、初めて備後地域の企業を見学して、中小企業だからといって見くびってはならないと、実際に見てみてわかりました。先生が言っていたようにナンバ―ワン・オンリーワンの企業が多い備後地域の一部だと思いました。元々、織機の会社だったというのが驚きでしたが、今となっては、最新式の研削機により自動車などの機械の部品から眼鏡のフレームなどの機械部品ではないものまで製造していて、幅広いニーズに応えるようになっています。工場内は温度管理が徹底しており、精密機器が多いこともあり、常に綺麗にしていて働く環境としては充分すぎるものです。この研削技術は海外企業からも依頼があるほど優れていて、こういったところがオンリーワン・ナンバーワンと言われる所以なのだと思いました。また、海外にも工場が進出していて、日本だけでなく広い視野を持っているのが分かりました。さらに特筆すべきは、シギヤ精機がグローバルな繋がりをもつなかでも、地域のイベントには蒸気機関車を貸し出し、清掃活動を行っているなど、地域の繋がりも非常に大事にしているということです。
(2)FT(2年生)
まず、最初に思ったのは、建物が凄く綺麗だ、ということです。製造業の工場ということなのでもうすこし汚れがあるのかと思っていたら、まったくそんなことはなく、すごく綺麗でした。そして、話を聞いているうちに、シギヤ精機がどのような事業を展開しているのかが、なんとなくではあるものの、わかってきました。精密な円筒研削盤を作り、それをアメリカや中国、タイなどに販売しており、さらに現地の代理店や工場などでオーバーホールやレトロフィット事業にも力をいれていることです。円筒研削盤は一台数百万円から数億円のものもあると聞き、とても値が張るなと思いましたが、実際に工場や作られた製品を見て、これだけ綺麗に精密に作れるのなら妥当な値段だと納得しました。さらに、従業員が資格を取りやすいように支援したりするなど、人材育成にも力をいれていることがわかりました。今回は初めての工場見学でしたが、シギヤ精機はその素晴らしい技術を世界に向けて発信しているグローバルでオンリーワンな企業だということが実感できました。これからの工場見学もとても楽しみです。
学長から一言:経済学部税務会計学科では、この地の誇りである備後経済も深く教育・研究しています。。。「一見は百聞にしかず」ですが、この工場見学の前後の主体的学修が、見学を実のあるものにしています!!