2015/05/29

第5回(平成27年度第1回)図書館セミナー実施!

  こんにちは。図書館の学長室ブログメンバー、Kです。

  今年度1回目の図書館セミナーを平成27年5月27日(木)に図書館ラーニングコモンズで催しました。講師には人間文化学科の脇講師、大学教育センターから竹盛講師、若松講師を招き、「本de自分史―もうすぐ絶滅するという紙の書物について―」というテーマで講演していただきました。出席者参加型のトーク対談形式で、幾度となく笑いが起こる感じで、和やかに会が進められました。参加者は学生12名と、主にブックフレンドの会(後述)20名他、計40名の参加がありました。沢山のご参加ありがとうございました。




 セミナーは脇講師が進行役を務め、竹盛・若松講師達との3人の対談形式で進められ、トークの中で、会場内の人から自由に思ったことを発言してもらうといった形で進みました。
内容は、
① 一番最初に出会った本
② 思春期に出会って感動した本
③ 自分の人生に影響を与えた本
 各1冊を講師が持ち寄り、先ずは当時なぜその本を読んだのか、読んだ理由、読んで感動した内容等についての話がありました。このなかで、シャーロックホームズの冒険やモーツアルトの伝記といったものまでが飛びだし、流石! と感動しましたが、中には、青春時代まで本には興味がなかった参加者もおり、びっくりしました。 しかし思春期に近づくにつれ、読む本の種類も多様化し、受験・恋愛等で自分を取り巻く周囲の環境の変化から、自然に本に親しむようになってきたことが面白おかしく述べられました。




 また、その一方でかつて読んだ本を読み返すと、読み返す毎に感動が全く違ったものになっていて、以前読んで感動したことに、びっくりすることが多い。一例をあげると、「沈黙」(遠藤周作)を初めて読んだ時は、同情の気持ちが多くを占めたが、年齢を重ねてくると、悪巧みを企んでいるような気持ちになった。これはなぜなのだろうか、読んだ時の気持ちや、自分の経験が 読んだ感想に表れたのではないだろうか、といったような話がありました。
 

  では、本とはいったいどういった使い方が正しいのか、といった問いかけに対し、一例として本に線を引くことについての意見が交わされました。本に線を引くなんて勿体ない、といった考え方をする参加者がいる一方、線を引くことにより、自分の物=知識になった気がする、古書を買った時も、線が引いてあれば、前の持ち主の感情が読み取れ、自分と同じ考えを持つ人がいる=うれしい、と感じる。書物を通してつながっている感じがして嬉しい、といった考え方を持つ人もおり、参加者同士でも話が弾んでいました。
  最後に、進行役の脇講師より、今後進展するであろう、電子書籍といった形になれば、書籍に対する考え方はどう変化するだろうか? といった問いかけがなされました。
それに対し、参加者から電子書籍は安く手に入るといった利点と、媒体がデータであり、持ち運びがしやすい。これに対し、冊子体はプレゼントされた時は、送ってくれた人の考え方、気持ちが伝わってきて、送った相手の気持ちがよく伝わってくる。冊子体には電子書籍にはない、もっと大切なものが込められている気がする。といった言葉で締めくくられました。



  なお、今回このセミナーに参加された一般利用者で、今津公民館、松永図書館および、一般市民からなるブックフレンドの会「布絵本手づくりボランティア委員会」が製作した、見て・聞いて・触れる「さわる布絵本」の寄贈がありました。ありがとうございました。本館カウンター前に展示しています。手にとってご覧下さい。

  次回は生命栄養科学科の枽田寛子助教による「身近な調理の科学」(2015.09.25開催予定)です。参加は自由です。奮ってご参加ください。 


学長から一言:楽しそうなセミナーでしたね。。。私はダントツ冊子体の書籍派ですが。。。最近某出版社から、「先生の著書を電子版でも出版したいがよろしいか」と問い合わせがあり、複雑~な気分。。。グスッ!