2015/10/08

「でべら」養殖、特産品に!!

10月7日の日本経済新聞(朝刊)に、「でべら」の記事が掲載されました。

福山大学附属内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)において研究中の「でべら」です!!

皆さんは、「でべら」をご存知ですか?

その正体は・・・「タマガンゾウビラメ」というヒラメの仲間のお魚です。

「でべら」・・・本名は、タマガンゾウビラメ
砂の上の「でべら」・・・わかりますか?

地元の尾道など広島県東部地域で「でべら」と呼ばれ、珍重されています。
尾道の特産物で、地元のお土産屋さんでは干物として販売されています。

「でべら」の干物
パリパリに干された「でべら」を木槌などで叩いて骨を砕き、軽く火で炙って食べると・・・
それはもう瀬戸内海の風味が口の中いっぱいにひろがります!!

地元で超有名な「でべら」・・・しかし、その資源生態学的な知見は殆ど知られていないのです。

そこで、この「でべら」に目を付けたのが、大学院博士前期課程に在籍している黒瀬智彦君です。
黒瀬君は地元出身で、幼いころから「でべら」をはじめとした瀬戸内の海の幸を食べて育ってきました。

黒瀬君は海洋生物科学科の水族遺伝育種学研究室に所属し、4年生のときからすでに卒業研究の対象種として、この「でべら」の研究に着手していました。
彼は現在大学院2年生ですが、これまで得た研究の成果が注目されているのです。

「でべら」の好む飼育環境や繁殖生態(繁殖シーズンや産卵場所の特定)などを明らかにすべく、日夜研究に励んでいます!!


水族館で飼育している「でべら」に餌を与える黒瀬君
海産魚介類飼育施設では、「でべら」の親魚を飼育しています

地元の期待も大きく、漁師さんたちの支援もあって、この研究は進展しています・・・
「でべら」の養殖も、視野に入ってきました。

内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)の南 卓志所長は、資源の乱獲や環境変化などで漁獲量が減っている魚が増えている現状を見据え、現在行っている「でべら」などの養殖魚の拡大を推し進めなければいけないと、黒瀬君の研究指導にあたっています。

産官学の「学」を福山大学が担い、地域全体での取り組みへと発展させるべく、
「でべら」を全国に通用する特産品にできればと期待が膨らみます。

黒瀬君はこれまでの研究成果を、先月開催された日本水産学会秋季大会に於いて、
「広島県東部海域におけるタマガンゾウビラメの体長別、年齢別の産卵期と産卵場の推定」
(黒瀬智彦・阪本憲司・南 卓志)」と題し、研究発表を行いました。

(海洋生物科学科 Kenji♪)


学長から一言:小さいときから瀬戸内海の新鮮なお魚を食べて育った私としては、、楽しみー!!!