今回は、第14回レスキューロボットコンテスト出場の報告です。
当学科有志チームは、昨年の第13回大会に引き続き2年連続の予選出場となりました。
レスキューロボットコンテストとは、阪神・淡路大震災をきっかけにはじまった救命救助活動を題材としたロボットコンテストです。震災にあった都市の1/6で再現したシミュレーションフィールドで、取り残された要救助者を模したダミー人形(通称ダミヤン)を見つけ出し、ロボットによる救出を競うコンテストです。
今回のチーム名も福山大学の立地に因んでチームSANZOUです。昨年予選に出場した4年生と、新入生から構成されるチームとなっています。活動拠点は新棟のスマートシステム学科ゼミ室で、電子回路の製作やロボットの製作を行ってきました。
今大会では、ガレキ除去、フィールド探査、ダミヤン救出を1台でこなす「万能型ロボット」を投入し挑戦。昨年、マシントラブルで動かないロボットが出たことから、システムを簡素化する作戦です。
神戸予選は昨年までは、神戸サンボーホールで開催されていましたが、今年は神戸市税関前の「デザインクリエイティブセンター神戸」で行われました。チームSANZOUは、当日、早朝5時前にロボットを搬入したマイクロバスで福山大学を出発し会場入りをしました。
会場入りして早々、出場するロボットが規定を満たしているかどうかのロボット審査があります。チームSANZOU、このチェックは無難にクリアーです。昨年、ロボット4台でギリギリまで作業していた教訓が活かされています。
予選会が始まる前、試走(テストラン)をすることができます。ここで各チームのロボットもお披露目されます。チームSANZOUは、ダミヤン救出成功!! 予選通過に向けて期待が高まります。
ロボット操縦システムを見てみましょう。ノートPCのロボットコントロール画面には、ロボットに搭載されているカメラからの映像が映しだされています。ちょうどダミヤン救助の場面なのでダミヤンの足が映っていますね。TPIPボードというマイコンボードを利用したスマートな遠隔操縦システムを実現しています。また、ダミヤンが受ける衝撃は下の右側写真のようなアイコンで知らされます。これらを手がかりに救助活動を行います。
さあ、いよいよ第14回大会、神戸予選会の始まりです。
チームSANZOUの出場順番がやってきました。テストランのときのようにダミヤンを救出できると良いのですが・・・。
ガレキを押しのけ、紫色のダミヤンを救出に向かう1号機。内蔵の救助用ベッドを使ってダミヤンを内部にとり込もうと頑張ります。しかし、ここでダミヤンの痛みセンサーが反応してしまいます。ロボットの救助ベッドへの引き込みが大きな力をダミヤンにかけてしまっているようです。
残念ながら、ダミヤンの救助途中でタイムアップ。ダミヤンの周囲のガレキを除去し、救出体制を整えたことが認められた分得点が入りました。今回の予選、ダミヤンの痛みセンサーはかなり感度よく設定されていたようで、苦戦するチームが多かったようです。チームSANZOUは、昨年度は0点での敗退でしたが、今回は活動が認められ、最下位は脱出です。
二年目の挑戦となった今回、本選出場は叶いませんでしたが、ロボットをきちんと動かすことはできるようになり、ダミヤン救出まであと一歩のところまでやってきました。技術とノウハウは積み重ねですので、来年は本番でダミヤンを救出できるよう挑戦を続けていってほしいと思います。チームSANZOUの挑戦に拍手です。
さて、8月9日と10日に行われた第14回レスキューロボットコンテスト本選では、福山大学は併設で開催されるイベント「ロボットランド」のレスコンシーズジャンボリーに 「レスコンシーズ備後版」で参加しました。こちらに参加したのはチームSANZOUの1年生と学科2年生の若いメンバーです。レスコンシーズとは、低学年向けにレスコンの簡易版を体験してもらうイベントです。
レスコンシーズ備後版では、尾道エリアを題材にしており、尾道の町並み、尾道大橋、向島、尾道水道などを模したフィールドを作っています。これは、福山大学の初年次教育の教養ゼミ内での学習テーマである、「ミニロボットコンテスト」で作成したものを大幅に改良したものです。
ちなみに、このレスコンシーズは日本各地のシミュレーションフィールドが持ち寄られ、安芸の宮島を模した安芸版、大阪の町並みを模した浪速版とあわせて3つのフィールドが用意されました。備後版は一番大きなフィールドで尾道地域の雰囲気を体験してもらえたのではないかと思っています。
尾道市街から見上げた大道大橋と、向島から見渡した尾道大橋ですが、雰囲気が伝わるでしょうか。このレスコンシーズ備後版は10月に行われる福山大学の大学祭「三蔵祭」でも実施予定ですので、たくさんの方に体験していただけるように改良を行う予定です。
学長から一言:技術は1日にしてならず。。。教養ゼミ、研究室ゼミ、みらい工学教育プロジェクト、ひと・まち・くらしプロジェクトなど、様々なアクティブ・ラーニングを通して、学生の技術が向上していくのが楽しみですね。。。裏方の教員の皆様、お疲れ様!