2014/08/04

尾道/なかた美術館にて

こんにちは。ブログスタッフ、メディア情報文化学科の安田です。

 この学長室ブログでは、教員の研究や活動についても紹介されていたりするのですが、今回はその中でも少しかわっているかもしれない活動についてアップしてみます。大学からはこんな活動にも関わっているということを知っていただくきっかけになれば。

 現在、尾道市(福山大学の「となりまち」ですが実はとても近くなのです)にある「なかた美術館」にて、<The Standstill of Painting  コレクションにみる“静かなもの” × BOOKS>という展覧会が開催されており、私も参加しています。

http://www.nakata-museum.jp/exhibition/

 この展覧会、なかた美術館所蔵の近代絵画と、尾道に関わりのある4組の作家・・・現代美術作家の作品を関わらせながら展開するという企画です。ふだん「現代美術」であるとか「作品」というと、なんとなく難しそうだ、とか、どこか遠い話だと思われる方も多かろうと思いますし、大学とどう関係あるのかという声も上がろうかというもので、いろいろなことが言えるのですが、、、、今、現在、どのようなことをつくれるのか、何ができるのか、それをラジカルに考えていくのが一番のポイントになっている場だと思います。大学で行われているようなさまざまな「研究」とも共通する部分は多々あるわけです。私もそうですが、他の展覧会参加作家も、大学の先生をされながら、研究として制作を行っている方々であったり。

 8月3日に、参加している作家たちによるトークイベントが開催されました。
 各作家の作品解説だけでなく、制作にあたっての問題意識やスタンスについて、いろいろと話をする場所になりました。かなり専門的な話にもなっていったのですが、福山大学からも学生が参加してくれて、なかなか鋭い質問を投げかけたり、積極的に関わってくれておりました。


 この日は、なかた美術館の国近さんによる進行。後半のラウンドトーク(学生は“討論”と言っていましたが)には、同じくメディア情報文化学科の教員である阿部さんや、鞆の津ミュージアムの津口さんもモデレーターとして参加しています。作品はそれぞれ見て、感じればよい、のかもしれませんが、それをきっかけに考えをシェアしたり、ディスカッションしていくことは非常におもしろいことですし、エデュケーション的な点での効果も多々あります(私も毎回勉強して帰るわけです)。







 展覧会は10月半ばまで開催されています。文中ではさらっと書いてしまいましたが、近代の絵画と、現代美術を同時に展示するというのはかなり面白い企画だと思います。普段私たちが近代の絵画作品と自分の研究・制作のつながりを意識することはあまりなく、どちらかというと無関係なものとして捉えているようなところさえあるのですが、同じ空間で作品を見ていくことは新しい体験だと感じます。美術史的なつながり以外にも、作品どうしの関わりを読み取っていくことにはいろいろな発見があります。このあたりはこの展覧会のキュレーターであるなかた美術館の国近さんが狙って仕掛けてくれたことなのかと思います。「展覧会をどのようにつくっていくか」など、他にも書きたいことは沢山あるのですが、ながくなりますのでこのあたりで。 そして、これから秋に向かって、学生たちも福山市などでの展示に関わっていきます。ぜひ、実際に足を運んでいただければ。


学長から一言:毎日すっごく暑いですが、もう文化の秋もそこまで来ている感じがして、うれしいですね! ところで、福山市と尾道市の境界線の一部は福山大学のキャンパス内を通っているのを、皆さんご存じ???