平成29年10月21日、22日に徳島市で開催された「第56回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会・中国四国支部学術大会」において、優れた研究成果を発表した学生に贈られる「学生発表奨励賞」の受賞者が決定し、福山大学薬学部から4名の学生が選ばれましたので紹介します!
→受賞者一覧ページ:http://shibu.pharm.or.jp/chushikoku/2017/gakuseihappyou.html
福山大学薬学部では、20の研究室を設置しており、医薬化学系の3研究室、生命薬学系の7研究室、医療薬学系の10研究室からなります。
→研究室一覧ページ:http://www.fukuyama-u.ac.jp/pharm/original/labo.html
薬学部長室にて、鶴田泰人学部長より一人ずつ賞状が手渡され、激励の言葉がおくられました。今後もさらに研究に励んでください!
受賞者の研究内容は、以下の通りです。
内野結花さん(5年次生,山口県・徳山高等学校出身)
(病態生理・ゲノム機能学研究室所属/主宰教員:道原明宏 教授)
『脳卒中易発症ラットにおけるヒドロキシステロイド-17β-デヒドロゲナーゼ-7の発現量低下機構』
近年、コレステロール(Chol)低下により脳内出血を生じることが疫学的調査により明らかにされてきています。私たちは、脳卒中を引き起こすモデルラットを用いて、従来報告されているChol合成酵素(MPD、SQE)以外に、ヒドロキシステロイド‐17β‐デヒドロゲナーゼ‐7(Hsd17β7)がChol合成能低下に関与していることを明らかにしました。これらの成果は、低コレステロー血症が引き起す脳卒中発症機構解明において重要な基礎データになると考えられます。
内野結花さん(中央) |
(生体機能解析学研究室所属/主宰教員:石津 隆 教授)
『茶ガレート型カテキン類によるキサンチン骨格を有する医薬品の不斉認識』
茶ガレート型カテキン類(-)-Epigallocatechin-3-O-gallate (EGCg)は水中で会合して無数の水性空間をつくることが分かっています。この疎水性空間は不斉空間でもあることから、この疎水性空間に取り込まれた不斉炭素原子を1個有する気管支拡張薬 プロキシフィリンおよびジプロフィリンの不斉を認識することを1H NMRスペクトルをもちいて明らかにしました。
高木祐加莉さん(中央) |
(薬理学研究室所属/主宰教員:田村 豊 教授)
『硫化水素によるハムスターの体温制御機構-冬眠時体温との関連-』
ハムスターの体温に対する硫化水素(H2S)の作用を検討したところ、体温下降作用を発現することが明らかになりました。硫化水素の体温下降作用は、中枢神経系においてNMDA受容体、およびオピオイド 神経系の活性化を介して発現することが明らかになりました。これらの知見は、硫化水素がハムスターの冬眠制御 機構に深く関与することを示しており、冬眠動物の生態制御機構解明に大きく貢献すると考えられます。
湯澤桃圭さん(左中央)/吉岡寛美さん(右中央) |
田口絵梨さん(4年次生,広島県・福山高等学校出身)
(医薬品化学研究室所属/主宰教員:町支臣成 教授)
『タンデムRCM-脱水素反応を鍵反応とした多置換carbazole-1,4-quinone誘導体の合成と抗腫瘍活性の解析』
研究室で推進している研究テーマの1つであるタンデムRCM―脱水素化反応を鍵反応とするカルバゾールキノン骨格構築法を活用し, 生理活性多置換カルバゾールアルカロイド類の全合成とその誘導体を使った細胞増殖抑制活性試験を実施し、医薬素材の探索研究を行っています。さらにテロメラーゼ阻害活性をもつカルバゾールアルカロイドの全合成研究を推進中です。
田口絵梨さん(前列の右中央)と研究室メンバー |
皆さん、自分たちが努力した研究成果がみとめられ満面の笑みです!受賞おめでとうございました!
学長から一言:さすが福山大学の薬学部生!!!素晴らしい研究成果ですねッ!!!さらに研究の合間には国家試験の勉強もバリバリ!!!がんばって~~!!!