2015/12/16

第5回ワークライフ支援推進イベント!

こんにちは。 学長室ブログスタッフ、薬学部の “ M ” です。

今日は、薬学部教授でありかつワークライフ支援室(男女共同参画推進室)室長の杉原成美教授に 「第5回ワークライフ支援推進イベント」 の記事を書いていただきましたので、掲載します!

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12月3日(木)に生命栄養科学科の木村安美教授による「広島の食事 いまとむかし」と題したセミナーが、生命栄養科学科や薬学部の学生も参加して開催されました。
木村先生のお話は、「広島」の県名の由来や、地域で大きく異なる広島県の気候は多彩な農作物もたらし、「日本の縮図」と称されているという内容から始まり、冒頭からお話に惹き付けられました。

“ハレの日” 、 “ケの日” という言葉をご存知でしょうか?  かつての日本では、祭りや儀礼、年中行事などの特別な日を “ハレ” と称して普段の日である “ケ” の日とは衣食を明確に区分し、 “ハレの日” では普段の質素な食事( “ケの日” )とは明らかに異なった料理が食されていたそうです。 昭和30年代頃まで残っていた “ハレ” と “ケ” の区分は、その後、社会環境の変化や核家族化に伴い急速になくなり、それに伴って、地域の歴史や自然に根差した伝統料理や食文化にまつわるしきたり・伝承も失われてきたそうです。

例えば、間もなくお正月を迎えますが、鏡餅にお供えする竹串の干し柿は10個が正しい数だそうですが、その理由をご存知でしょうか? その答えは、両端の2つは、ニコニコ、残りの6個は、仲睦ましくの意味を表すとのことでした。

お正月のおせち料理は縁起をかついだ “ハレ” の料理ですが、その一品に福山が生産量の5割を誇る「くわい」があります。 おせち料理では「くわい」は「芽がでる」の縁起の意味を込めていますから、芽の部分を切り落とさずに料理する必要があります。 また、古くから婚礼などの “ハレ” の料理として食されてきた「鯛そうめん」は、そうめんを波にみたてて盛り付けをおこないます。 縁起物ですから大きな鯛が用いられますが、鯛の表面には切れ目をいれず、調理中に亀裂が入らないように注意する必要がありますが、それには高い調理技術が求められるそうです。
くわい
鯛そうめん
食物の運搬や保存技術が発達していなかった時代では、地域によって食されるものが異なっていました。 例えば、山間部では保存の効かない刺身に代わって、保存性の高いワニ(サメ)が好んで食されていたそうです。 「美味しかった」という記載が残っていますが、相当にアンモニア臭が強いらしく、私達が「美味しい」と思えるかは疑問のようです。 また、安芸は備後地域に比べてコイワシを食べる習慣が強いなど、好まれる海の幸も地域によって異なっていたようです。

木村先生のお話は、その他、草戸千軒町遺跡にみられる中世の食生活や移民の話にまで及び、大変興味深い内容でした。 「先人が築いた伝統料理、郷土料理、年中行事を伴う料理を振り返り、現在の食事の地域性や特産品のいわれを尋ねることは、食を通して豊かな心身をつちかうことにつながる」と木村先生が述べられたように、この度は、食文化の大切さを考えるよい機会になりました。

ワークライフ支援室のHPでは、第3回(みそでストレス解消 ~一日一杯のみそ汁の効果~:薬学部 瀬尾 誠講師)ならびに、第4回(禅の教えからみる英語教育 English Language Education Through Zen:大学教育センター Warren Tang助教)の推進イベントについても紹介しています。 ぜひ、ワークライフ支援室のHPもご覧ください。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/info/disclosure/gender.html

ワークライフ支援室(男女共同参画推進室)室長 杉原成美

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学長から一言:私の子ども時代、敗戦後の広島でかなり大変な生活をしていましたが、。。。平素は来る日も来る日も真っ黒になって働いていた母親が、元旦には品の良い和服姿に変身し、一応重箱のおせち料理が出てきたときの驚愕は。。。今でも鮮明に記憶しています。。。