こんにちは、工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)学長室ブログメンバー伍賀です。
今回は、文部科学省の私立大学研究ブランディング事業採択課題「瀬戸内海 しまなみ沿岸生態系に眠る多面的機能の解明と産業支援・教育」の研究キックオフミーティングが1月中旬に行われましたので、その様子をお伝えします。この研究は、本福山大学がブランディング推進のための研究プロジェクトとして立ち上げた「瀬戸内の里海・里山学」(昨年11月のブログで紹介)の中から、特に里海の生態系に注目して構成し、文部科学省の事業に応募したものです。
今回の研究キックオフミーティングは、スマートシステム学科仲嶋教授(研究担当学長補佐)が取り纏め役となり、福山大学学部横断で多くの研究者が集まるミーティングとなりました。
仲嶋教授(研究担当学長補佐)
11月のブログでは、瀬戸内の里海・里山学で理系文系を総合した「人と自然の共生システムの構築」を目指すという解説がありましたが、今回はやや各論にブレークダウンされました。現在オーストラリアに留学している生命工学部佐藤准教授がリーダーを務める「生態系の解明」「沿岸生態系の持続可能性」グループと海洋生物科学科の有瀧教授がリーダーを務める「産業・教育支援」グループで構成され、各々のグループで生命工学部と工学部の協力体制が確認されました。
里海・里山プロジェクトコンセプトマップ(2017/11/20ブログより)
海洋生物科学科 阪本准教授
海洋生物科学科 渡辺准教授
「生態系の解明」グループからは、環境DNA分析装置を使用し、藻場の海水・泥水等の環境試料のDNA解析を行うことで、生物相を詳細に解明し、「森が豊かになると海も豊かになる」という仮説を科学的、定量的に解析することが目的として掲げられました。また、瀬戸内海のカブトガニ、オオミズナギドリ、ナルトビエイなどにデータロガーを装着し行動データと環境データを取得するという計画の話もありました。
また、「生態系の解明」には、工学部からは機械システム工学科の内田教授をサブリーダーとした「藻場探査」が参画します。データ収集用の自律海中ロボット開発の計画、収集された大量のデータをAI技術で認識・理解するという提案、ビッグデータからのデータマイニングで隠れた相関関係やパターンを解明するという提案がされました。
「産業・教育支援」グループからは、養殖魚を大型化する飼育技術の開発、養殖魚のための水槽環境システムの提案、福山産養殖海苔の色落ち発生機構解明、実体験型環境学習セミナーの開催などが提案されました。
もちろん、多くの分野の研究者が集う場ですので、研究に対する指摘、議論も厳しいものがあります。「その研究の成果はどの程度期待できるのか?」「環境データは自律移動ロボットの開発を待たずにすぐにでも欲しい」等々、学際的研究プロジェクトの興味深くも難しい面が垣間見えました。このようなプロジェクトをどのようにマネジメントしていくか・・・。私自身も大変勉強になりました。
各グループのリーダー・サブリーダーの皆さん
以前のブログでも紹介したように、このプロジェクトは、文部科学省私立大学研究ブランディング事業として5ヵ年計画の大型プロジェクトとして予定されています。そして、これは福山大学の立地している備後地域、しまなみ海道のような島嶼部を持ち、中国山地に近く、また近くにはカブトガニの産卵場所となるような干潟が残されている、そんな地域に根ざしたプロジェクトでもあります。福山大学の存在感を示すことができるように、世界に発信できるようなすばらしい研究を育てていくように、皆で頑張ります!
学長から一言:キックオフミーティングといっても、これまでの蓄積もあり、進んでいるところはどんどん進んでいますねッ!大学関係者だけでなく、地域の人々もとても注目しています。。。地域活性化の要になるプロジェクトに育ちますよ!!!
学長から一言:キックオフミーティングといっても、これまでの蓄積もあり、進んでいるところはどんどん進んでいますねッ!大学関係者だけでなく、地域の人々もとても注目しています。。。地域活性化の要になるプロジェクトに育ちますよ!!!