2018/01/18

人間文化学部文化フォーラム2017「歴史」と「巡礼」(後編)~それぞれの「真実」を求める歩みと実践~

学長室ブログメンバー、人間文化学科のSです。こんにちは。

今回は、人間文化学部文化フォーラム2017(後編)として、第3回、第4回、第5回(最終回)の様子をお伝えします。

第3回 11月11日(土) 「アンネ・フランクが残した言葉を追いかけて」

以下、山川廣司教授による報告です。

第3回フォーラムでは、小原友行教授が「アンネ・フランクが残した言葉を追いかけて」をテーマに講演しました。アンネ・フランクが残した言葉「ジャーナリストになり、その後作家になりたい」といった思いは何か、また死の直前まで「まだまだ学ばなればならないことがいっぱいある」と考えていたこととは何なのかの答えを求めて、小原教授はアンネの生家や隠れ家、収容所、お墓、彼女に関わる博物館など世界各地を実際に巡り、平和な国際社会の実現を実感したことを話しました。また福山市には実感しながら学べる「ホロコースト記念館」もあり、吉田明生副館長から短時間ですがお話をしていただき、有意義なフォーラムとなりました。
アンネ・フランク像


第4回 11月19日(日) 「禅と西洋文化」

以下、Sによる報告です。当日は、講師のタン ウォーレン(Tang Warren)助教が、自身の座禅体験などを踏まえつつ、様々な角度から「禅」についてアプローチするという形式でした。
座禅(https://theunboundedspirit.com/how-to-practice-zazen/)
「禅」というと、その歴史はもちろん、関連文献も多く難解な印象もありますが、タン助教は、福井県小浜市の佛国寺における参禅体験など、身近なところから禅とのつながりを解き明かしていきます。まさに、禅宗の開祖とされる達磨の教え――言葉ではなく体験によって真の悟りを得るという「不立文字(ふりゅうもんじ)」――を実践していると感じました。

後半は、仏教の影響がいかに広範囲にまで及んだのかについての説明も踏まえつつ、今回のテーマともなっている「西洋文化」との関わりに及びました。仏像やキリスト教など他宗教から仏教と西洋文化との交渉を掬い上げ、西洋における「ZEN」の歴史や、現代における様々なアプローチについて解説しました。禅という内省的な世界が、世界中で広く学ばれ実践されていることに改めて驚かされました。

第5回 12月2日(土)フォーラム・ディスカッション

以下、山川教授による報告です。

第5回目の文化フォーラムは秋晴れの好天にも恵まれ、約20名の参加を得て、12月2日(土)10:00から12:00まで開催されました。

最初に柳川真由美講師が、「旅日記にみる近世庶民の巡礼」と題して、備前尺所村の富裕農・大森徳隣が仲間3人、荷物持ち2人と出雲大社に参詣した際に記した『出雲参詣道中日記』を地図や古文書を示しながら話し、参加者からも岡山から出雲までの道程や街道の情況、宿泊の様子、食べ物など多岐にわたる質問がたくさん出されました。

その後、今回の企画を担当した山川廣司教授より報告の概要と「巡礼」という言葉が宗教に限らない多義的な意味があること、巡礼を行うことによってストレスの発散や心の浄化など、心身のリフレッシュが図れることなどのメリットについて話があり、無事終了しました。
出雲参宮道中記
次年度の文化フォーラムも是非ご期待ください!


学長から一言:本学の人間文化学部ならではの「歴史」と「巡礼」についての文化フォーラムでしたねッ!!!Tang助教の本学の教員としての生活は、ひょっとすると彼の人生の中では巡礼?!?