9月18日(日)9:30~17:00まで、本学にてスペシャルオリンピックス柔道・陸上コーチ クリニックが開催されました。
スペシャルオリンピックスとは、知的障がい者に、スポーツ環境やその成果を発表する機会を提供している団体です。詳しくはこちらをご覧ください。
今回のクリニックは、柔道・陸上のコーチ資格を取得するために開催されました。
参加者は36名で、本学の学生が6名(柔道1名、陸上5名)、他にも島根県や岡山県からの参加がありました。
スケジュールは午前中が講義、午後がそれぞれの競技に分かれた講義・実技といった内容でした。
午前中の講義の講師は、スペシャルオリンピックス日本・徳島の理事長でもある田所 健作ナショナルトレーナーによる、「ゼネラルオリエンテーション」、「アスリート理解」というテーマで行われました。
「ゼネラルオリエンテーション」では、スペシャルオリンピックスの使命・歴史・トレーニングプログラムと競技会・特徴などについて、「アスリート理解」では、障がいをどうとらえるか・知的障がいとは・知的障がいの特徴・関連する障がい・具体的な支援の方法・プログラムでの注意事項などについて学びました。
個人的に印象に残ったのは、田所トレーナーが「スペシャルオリンピックスは特別なオリンピックではなく、とっておきのオリンピックである」という言葉でした。
午後からはそれぞれの競技に分かれて講義・実技と行われました。
私は自分の専門でもある柔道に参加しました。
講師は昨年ロサンゼルスで行われたスペシャルオリンピックス夏季世界大会に日本人で初の審判として参加した、日本文化大学の専任講師の濵名智男コーチでした。
現在、柔道はスペシャルオリンピックス世界夏季大会に採用されていますが、柔道発祥国の日本は参加しておりません。世界大会に参加するためにはナショナル大会を開催しなければなりません。
そのナショナル大会を開催するためには、6つの都道府県でスペシャルオリンピックスの柔道プログラムを開催しなければなりません。
現在、日本国内では神奈川県と大阪府でしか行っていない状況です。
講義では、世界大会での様子や、実際の柔道プログラムに関する国内外の事例などをお話しいただきました。また実際に濵名コーチは神奈川県で2つの柔道プログラムを実施しており、体験を踏まえたお話は非常に参考になりました。
講義後は柔道場にて、柔道プログラムの指導方法について教えていただきました。
健常者に対する柔道指導では強化の面が強いのですが、スペシャルオリンピックスの柔道プログラムでは、柔道の技術を応用し遊び感覚で行われる指導方法が多くありました。
終了後はスペシャルオリンピックス柔道コーチクリニック修了証書を頂きました。これから柔道認定コーチなるためには、実際のプログラムを5回以上行う必要があり、その後柔道認定コーチとして認められます。
陸上のコーチクリニックは、辻 和生ローカルトレーナーが体育館にて、講義・実技を行ってくださいました。
陸上の講義・実技は柔道と同じ時間だったので、参加した学生の感想を記載させていただきます。
大畠 直人 君(経済学部3年)
「大変貴重な経験をさせていただき、すごく勉強になりました。陸上の時間ではいろいろな指導方法を学びました。備後運動公園での陸上プログラムに機会があれば参加しようと思います。またスペシャルオリンピックスについて全く知識がない状態でしたが、1日の講習会で多くの事を学ぶことが出来たと思います。これからもこういった機会があれば積極的に参加していこうと思います。」
今年の夏はリオオリンピック・パラリンピックを多く目にする機会がありましたが、競争の先にある「勝者が称賛される」考えも素晴らしいですが、スペシャルオリンピックスの「誰もが称賛される」スポーツの形は障がい者スポーツだけでなく、すべてのスポーツに必要な考え方だと思います。
今後もスペシャルオリンピックスの活動の普及を学生たちと進めて行けたらと思います。
開催に際して、スペシャルオリンピックス日本・広島の尾道支部の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。
学長から一言:教員、学生共に、すばらしい経験でしたねッ。。。「誰もが称賛される」スポーツの形は、教育の形でもあります!!!