2016/09/17

<情報工学科>資格取得支援のためのeラーニング環境について発表

 学長室ブログメンバーの工学部情報工学科の池岡です。


 情報工学科では、国家試験「情報処理技術者試験」に含まれる「ITパスポート試験」および「基本情報技術者試験」の資格取得に向けた(1)eラーニング環境と(2)それを活用した授業の二つを学生に提供しています。

 今回は、その取り組みを中道准教授8/9()に東京理科大学森戸記念館にて開催された「平成28年度ICT利用による教育改善研究会」で発表しましたので紹介させていただきます。


発表者の中道准教授



発表会場



 発表題目は、「事前学習としてのLMSへの問題入力による学習意欲の向上」です。LMSとLearning Management Systemの略で、eラーニングの実施に必要な学習管理システムのことです。


4名の情報工学科教員の連名


 情報工学科のeラーニング環境を活用した「自学自習プロセス」は、以下の三つのプロセスを順次繰り返す形で実施されます。
1. 事前学習:教科書の内容に沿って各自担当の問題を入力する。また担当者名を明らかにして解説を入力する。
2. 講   義:担当した問題とその解説についてプレゼンテーションする。その際、教員が解説を随時補完する。
3. 事後学習:入力済みの問題に解答し、採点結果を確認するとともに解説を読む。

自学自習を支える三つのプロセス



 なお、本自学自習プロセスによる授業に取り組んだ学生に、学習意欲および理解度に関して、1:向上~3:変化なし~5:低下の5段階評価によるアンケートをとりました。その結果、すべての項目で従来の資格試験対策授業より改善があったことがわかりました。

eラーニング環境はAWS(Amazon Web Service)ECサーバーを活用しています。Amazonというと書籍販売等をイメージしがちですが、クラウド環境を提供する世界最大手企業でもあります。詳しいことは11月に開催されるFukuyama Cloud LiveにてAmazonの方からご講演いただけるそうなので、興味のある方はぜひこの機会に聴講いただければと思います。


eラーニング環境の構成


学会発表では学習効果はもちろん、eラーニングコンテンツを学生自身が入力していることに対して大きな反響がありました。eラーニングが普及しない一番の要因は、コンテンツ作りの大変さにありますが、情報工学科では自学自習プロセスを提案・導入することで、この問題解決を図っています。実際、情報処理技術者試験の受験者も大きく増加しています。

最後に、この取り組みは平成27年度および平成28年度福山大学教育振興助成金により実施しました。
またAWS導入にあたってご助言いただいた株式会社信興テクノミストのソリューションアーキテクト花田勝仁氏、AWSおよびmoodleの運用に関して本学科の学生である奥田宏平君(現在,福山大学大学院在籍)、森川裕矢君(現在,理研産業株式会社に勤務)の協力があったことを付記しておきます。


学長から一言:学長室予算の教育振興助成金がとても有効に使われていますねッ!!!資格取得試験の受験率と合格率を上げるため、学生に問題等を作らせている学科はほかにもあるように聞いていますので。。。このスマートな自学自習e-ラーニングを、ぜひ全学的に普及させましょう!!!