福山大学薬学部では、2年次に授業の一環として『幼児や高齢者との交流学習』を行っています。 このたびは、本学習にご協力いただいている福山市今津町の今津保育所から運動会に招待されました。
本学の交流学習では、【1】コミュニケーションにおいて傾聴・自己開示の重要性をパートナーとの交流で体験する、【2】パートナーとの関わりを通して自己の言動や行動を振り返る、【3】他者に対する感謝の気持ちを持つことができる。 これらのことを目標として、役立ち感や自己肯定感を育み、患者さんに“ホスピタリティ精神”を持って寄り添える薬剤師の養成を目指しています。 ホスピタリティとは、“相手を快く受け入れ、親切にもてなす”と訳されます。 これが派生して、ホスピタル(病院)やホスピス(安息所)という言葉がうまれたそうです。
本年度は、福山市内の保育園3ヵ所と高齢者施設3ヵ所のご協力の下に実施しました。 学生達は特定のパートナー(幼児または高齢者)と1対1になり週1回の全8回(5月から7月まで)にわたる交流を行ないました。
保育所での交流。 パートナーと一緒に近くの公園に出かけました。
行きの様子。
公園で騎馬戦をしました。
帰りの様子。 パートナーとの距離がグンっと縮まりました。
別の日、学生たちによる発表会。 パートナーの喜ぶ姿を思い浮かべながら、放課後に集まり準備をしてきました。 ミニ科学実験、バルーンアート、歌と踊り、読み聞かせ絵本、手品で、学生も園児も大盛り上がりでした。
交流の最終日。 パートナーとの別れの日。 別れを惜しみ、涙する学生や園児の姿もみられました。
このような、パートナーとの人間関係の構築は、薬剤師の資質として必要とされる“ホスピタリティ精神”の涵養に寄与するばかりではなく、普段から他者に対して、お・も・て・な・し・の心を持って接することの大切さが学べたのではないでしょうか。
さて、この交流学習は学生たちへの効果だけではありません。 保育所の園児たちにも良い効果(明るく元気に、そして積極性が増すなど)がみられているとの評価を、保育所の先生や保護者の方々からいただいています。
さて、この交流学習は学生たちへの効果だけではありません。 保育所の園児たちにも良い効果(明るく元気に、そして積極性が増すなど)がみられているとの評価を、保育所の先生や保護者の方々からいただいています。
とても好評で、このたび、10月5日の今津保育所運動会に招待されました。
学生たちは3ヵ月ぶりにパートナーと再会し、一緒に大玉転がしをして汗を流しました。
運動会の様子が薬学部ホームページに掲載されています。 ご覧ください。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/pharm/htmls/humanisum/index.html
~・~・~ 交流学習を終えた学生たちの感想 ~・~・~
【 多様な価値観の人の存在に気づき、交流学習のすべてが人生の糧になった 】
【 パートナーが嬉しいと言ってくれて、私自身も嬉しかったし、とても楽しかった 】
【 コミュニケーションは、人と話すということだけではないと感じたし、その時々で接し方を考えて変えることが大切だと感じた 】
【 交流を通じて、子供との接し方が分かったし、自分の言動を見直すことができた 】
【 パートナーの子供がとても素直で優しくて、癒された。毎回、保育所に行くのがとても楽しみだった 】
【 コミュニケーションを取るのが苦手だったが、色々な人と話すことが楽しく思えてきた 】
【 自分のペースだけではなく、相手のことを考えて相手のペースにもあわせることができるようになった 】
【 相手が何をすると喜んでもらえるか深く考えることができたし、それを実践してみようと思うようになった 】
【 パートナーはおじいさんだったため、祖父がいない私にとっては祖父と接しているみたいで素直に楽しむことができた 】
【 相手が発している言葉だけで判断するのではなく、口調や態度などから、その裏には、何かして欲しいなどの真意が潜んでいるのかを深く考えるようになった 】
【 コミュニケーションを取ることに自信がつき、積極的に話せるようになった 】
【 講義では教わることのできない貴重な体験ができた。今後、自身の言動や行動を見直すための良いきっかけとなった 】
【 初対面の人に対して、自分から積極的に、ときには消極的に話しかけて、距離を縮められるようにしていきたい 】
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学長から一言:兄弟姉妹が減り、3世代同居家族が減り、長屋がマンションに変わり、それだけ家庭やご近所での人間関係が希薄になってきました。。。大学教育がしっかりそれを肩代わりします。。。